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抗酸化に◎ビタミンEが豊富な食べ物と摂取法まとめ


橋場愛

若返りのビタミンとも呼ばるビタミンE。強い抗酸化作用があり、体内の活性酸素を取り除く働きがあるので、生活習慣病予防やアンチエイジングに役立ちます。

抗酸化に◎ビタミンEが豊富な食べ物と摂取法まとめ

今回はビタミンEの特性や効果、効果的な摂取方法などをご紹介しましょう。

■目次
1.ビタミンEの特性
(1)ビタミンEとは
(2)ビタミンEの目安量
2.健康・美容に関わるビタミンEの働き
(1)活性酸素を除去
(2)アンチエイジングにも効果的
3.ビタミンEが多く含まれる食べ物
(1)多く含まれている食品
(2)摂取するときの注意点
4.ビタミンEの効果的なとり方とレシピ3つ
(1)アーモンドとアボカドのサラダ
(2)かぼちゃとタラコのグラタン
(3)赤パプリカの肉詰め
5.ビタミンEの摂取量に関する注意点
(1)ビタミンEの上限量と過剰摂取のリスクは?
(2)ビタミンEが不足するとどうなる?

■1.ビタミンEの特性

ビタミンEの特性

(1)ビタミンEとは

ビタミンEとは、脂溶性ビタミンのひとつです。脂溶性ビタミンとは、文字通り油に溶けるビタミンのことをいいます。

α-、β-、γ-、δ-トコフェロールと、α-、β-、γ-、δ-トコトリエノールの8種類が存在しますが、この中で最も作用が強いのはα-トコフェロールです。厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準(2015年版)」でも、α-トコフェロールをビタミンEとしています

(i)抗酸化作用

ビタミンEには抗酸化作用があり、体内の脂質が酸化するのを防ぐのに効果的です。細胞膜を酸化障害から守り、LDLコレステロールが酸化することで起こる、動脈硬化を防ぐといわれています。

(ii)免疫機能の向上・血管拡張の促進

また、免疫機能を高めたり、血管拡張を促したりする効果もあるようです。生活習慣病や老化に関連する疾患の予防が期待できるでしょう。

(2)ビタミンEの目安量

ビタミンEの目安量は、30〜49歳の女性で1日6.0mgです。具体的にはアーモンド20粒程度を摂取すると、ビタミンEが6.0mg以上摂取できます。

■2.健康・美容に関わるビタミンEの働き

健康・美容に関わるビタミンEの働き

(1)活性酸素を除去

ビタミンEは抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に役立ちます。体内に取り込んだ酸素の一部は活性酸素に変化し、細胞を傷つけてしまうのです。

活性酸素により、肌のシミやしわを増やすだけでなく、動脈硬化やがんに繋がる可能性があるのです。このようなリスクを持つ活性酸素を除去するのがビタミンE。活性酸素と結びつきやすい性質を持ち、細胞の酸化を予防します。

(2)アンチエイジングにも効果的

ビタミンEは、美容面でもうれしい効果が期待できるのをご存知ですか。「若返りのビタミン」とも呼ばれているほど、アンチエイジングに効果が期待できます。

(i)血管拡張作用が肩こりや頭痛の緩和に役立つ

血管拡張作用があるため、血流がよくなり冷えや肩こり、頭痛などの緩和に効果的です。血流促進に伴い、細胞の新陳代謝が活発になることから、美肌効果も期待できるでしょう。

(ii)肌トラブルの改善にも

血流が悪いと、毛細血管を広げようと肌に赤みが出たり、青クマが出たりすることも。さらに、肌のターンオーバーの乱れを引き起こし、古い角質がたまる原因にもなります。

こうした冷えからくる肌トラブルを改善するためにも、ビタミンEの摂取は必要といえます。

(iii)女性ホルモンの分泌を調整する

トコフェロールは女性ホルモンの分泌を調整するのに必要です。そのため、更年期障害、月経トラブル解消といった女性ならではの悩みの改善も期待できます。

■3.ビタミンEが多く含まれる食べ物

ビタミンEが多く含まれる食べ物

(1)多く含まれている食品

ビタミンEは、植物油、ナッツ類、魚介類に多く含まれます。植物油で最も多いのが、サフラワー油(紅花油)で100g中27.1mg、ナッツ類ではアーモンドが100g中29.4mg、魚介類ではあんこうの肝が100g中13.8mgです。

その他、うなぎ、たらこ、かぼちゃ、アボカドにも多く含まれています。

(2)摂取するときの注意点

しかし、植物油に多く含まれているからといって、大量に油を摂取するのはおすすめできません。不飽和脂肪酸も含まれているので、逆に酸化を促進してしまいます。

油から摂取するよりも、ナッツ類、魚介類、野菜から摂取してください。バランスよく摂取してビタミンEを補給しましょう。

■4.ビタミンEの効果的なとり方とレシピ3つ

ビタミンEの効果的なとり方とレシピ3つ

ビタミンEは脂溶性ビタミンのため、油と一緒に摂取することが望ましいでしょう。また、ビタミンE以外にも抗酸化作用を持つ、ビタミンAとCを含む食品も一緒に摂取すると効果的です。

特にビタミンCは、ビタミンEの働きを助けるといわれています。1日に必要なビタミンEを摂取しやすいレシピを3つご紹介しましょう。

(1)アーモンドとアボカドのサラダ

このサラダで1日に必要なビタミンEの大半が補えます。アボカドと豆腐にゴマドレッシングがよくマッチし、アーモンドのカリッとした食感が楽しい一品です。少しエネルギーが高めなので、ヘルシーな主菜と組み合わせるといいでしょう。

エネルギー 201kcal/たんぱく質 4.7g/炭水化物 10.5g/脂質 17.2g/食物繊維 5.1g/ビタミンE(α-トコフェロール) 5.0mg/食塩相当量 0.5g

材料(1人分)

・アーモンド(無塩) 10g
・アボカド 1/2個
・ミニトマト 2個
・レタス 1.5枚
・絹ごし豆腐 50g(1/8丁)
・ゴマドレッシング 適量

作り方

(1)アーモンドはめん棒などで砕いておく。
(2)アボカドは種と皮を外し、さいの目に切る。ミニトマトとレタスは水洗いし、レタスは一口大に、ミニトマトは半分に切る。豆腐は2cm角にする。
(3)器に(2)を盛り付け、アーモンドをトッピングし、最後にゴマドレッシングをかけて完成。

(2)かぼちゃとタラコのグラタン

かぼちゃとタラコを使った、ビタミンEたっぷりのレシピ。クリーミーなソースとタラコ、かぼちゃのホクホク感が相性抜群です。ビタミンEは熱に強く、調理によって成分が損失されることはほとんどありません。塩分が高めなので、気になる方はホワイトソースを手作りするといいでしょう。

エネルギー 428kcal/たんぱく質 29.3g/炭水化物 28.8g/脂質 21.2g/食物繊維 3.7g/ビタミンE(α-トコフェロール) 7.4mg/食塩相当量 3.2g

材料(1人分)

・かぼちゃ 80g
・鶏もも肉 60g
・玉ねぎ(中サイズ) 1/4個
・タラコ 30g
・ホワイトソース 100g
・ピザ用チーズ 20g
・油 少々
・バター少々

作り方

(1)かぼちゃを7〜8mmのくし形に切り、耐熱容器に並べてレンジで柔らかくなるまで加熱する。
(2)鍋にサラダ油を熱して、玉ねぎと鶏肉を炒める。鶏肉に火が通ったらホワイトソースと、軽くほぐしておいたタラコを加えて加熱する。
(3)バターを塗った耐熱容器に(2)を入れ、その上に(1)を並べる。
(4)ピザ用チーズをふりかけて、オーブンで焦げ目がつくまで焼いたら完成。

(3)赤パプリカの肉詰め

パプリカをまるごと使った華やかな肉詰めです。ビタミンEをたっぷりと摂取できるレシピです。半分に切って詰める肉詰めとは違い、パプリカから肉が離れる心配もありません。オーブンに入れたら、あとはほったらかしにしておけるところもポイントです。

エネルギー 316kcal/たんぱく質 16.3g/炭水化物 13.3g/脂質21.5g/食物繊維 2.2g/ビタミンE(α-トコフェロール) 5.1mg/食塩相当量 1.1g

材料(1人分)

・パプリカ 1個
・合い挽き肉 80g
・玉ねぎ 20g(1/8個)
・コーン 5g
・パン粉 4g(大さじ1)
・牛乳 15g(大さじ1)
・塩こしょう 少々
・ナツメグ 少々
・オリーブオイル 少々
・好みでケチャップやパセリ

作り方

(1)玉ねぎをみじん切りにする。パプリカは洗ってヘタの下を輪切りにして、種を取っておく。パン粉は牛乳でふやかしておく。
(2)合い挽き肉とふやかしたパン粉、塩こしょうを合わせて粘り気が出るまで混ぜる。よく混ざったら玉ねぎ、コーン、ナツメグを入れて再び混ぜる。
(3)パプリカに(2)を詰めて、耐熱皿に入れる。さらにオリーブオイルをかける。
(4)200℃に予熱したオーブンで30分程度焼く。好みでケチャップやパセリを散らして完成。

■5.ビタミンEの摂取量についての注意点

ビタミンEの摂取量についての注意点

(1)ビタミンEの上限量と過剰摂取のリスクは?

ビタミンEの上限量は、30〜49歳女性で1日700mgとなっています。過剰症として、血液が止まりにくくなる、骨粗しょう症のリスクを高めるという報告もあるようです。

サプリメントには要注意

しかし、ビタミンEは摂取量の2/3が便中に排出されるため、他の脂溶性ビタミンよりも比較的体内に蓄積されにくいとされています。食物だけで上限量以上摂取するのは難しいですが、サプリメントを服用する際は注意が必要です。

服用上の注意点をよく読み、定められた量を摂取することが好ましいでしょう。

(2)ビタミンEが不足するとどうなる?

ビタミンEが欠乏すると、反射障害や歩行困難、筋力低下などを引き起こすという報告があるようです。通常は脂肪組織にビタミンEを蓄える機能があるため、欠乏症が起こりにくくなっています。

長年脂肪制限をすると欠乏症に繋がる可能性も

しかし、脂肪を極端に制限する食事を長年続けていると、脂溶性のビタミンEが吸収されず、欠乏症を引き起こすこともあるようです。

ビタミンEは体内に貯蔵されていますが、細胞の酸化によってどんどん消費されていきます。そこで、食物から摂取する必要があるのです。少し意識して、毎日の食事から積極的にビタミンEを摂取しましょう。

(管理栄養士 橋場愛
管理栄養士の資格を持つ、2歳の男の子のママ。管理栄養士の観点から、ためになる記事を発信。)

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【参考】
※奥恒行・柴田克己 編集「基礎栄養学 改訂第2版(健康・栄養科学シリーズ)」(2005年)南江堂
ビタミン(PDF) – 厚生労働省
日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要(PDF) – 厚生労働省
女性に嬉しいビタミンEの効果 – アーモンドミルク研究会

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