なんとなく口臭が気になる時がある、気づくと口呼吸をしている……という方は、気づかぬうちに「汚口」になっている可能性が。
日本美口協会会長で歯科医師の坂本紗有見先生によると、日本人の口腔ケアに対する意識は、欧米人に比べてまだまだ低く、気づかぬうちに「汚口」になっている人が多いのだそう。自分では気づきにくい「汚口」の原因と対策について、坂本先生にお聞きしました。
■「汚口」とは?
「『汚口』とは、口腔内環境が乱れた口のこと。『汚口』の特徴はこの4つです」
・歯の病気がある
・歯や舌が汚れている
・歯並びが悪い
・口臭がある
「むし歯や歯周病などの病気があるのは、典型的な『汚口』の特徴。また、歯や舌が汚れていると細菌が繁殖しやすく、菌がエサを分解する際に異臭を発し口臭の原因に。また、歯並びが悪いことで、歯磨きがきちんとできず、口腔内環境の悪化につながることも」
まずは、ついやりがちな「汚口習慣」をチェックし、口腔内トラブルのない「美口」を目指しましょう。
■むし歯、口臭の原因に!「汚口習慣」6つ
(1)食べ物をかまずに流し込む
「唾液は、噛むという刺激が脳に伝わることで分泌されます。そのため、普段からよく噛んで食べることが大切です。でも、時間に追われているときは、水やその他の飲み物で食べ物を喉に流し込みがちです。それでは十分な唾液が分泌されず、口腔内の汚れを洗い流す働きが低下します」
「すると口の中の細菌の繁殖が活発になり、口腔内トラブルのリスクが高まります。もっと噛むことを意識し、普段の食事に噛みごたえのある食材をメニューに加えたり、ガムを噛むのも効果的です。」
(2)口で息をする
「口腔内の細菌は、唾液の殺菌作用によって細菌の繁殖がおさえられ、洗い流されています。これが口呼吸によって口が乾き、唾液量が減ると細菌の量が増え、口臭が強くなります」
「また、歯の表面は濡れていることで汚れがつきにくくなりますが、口腔内が乾けば汚れも乾燥してこびりつき、取れにくくなって細菌が増殖しやすくなります。さらに、歯茎が乾燥すると、歯周病の原因にもなりますから、しっかりと口を閉じて鼻呼吸を意識しましょう」
(3)食事時の姿勢が悪い
「食事での姿勢が悪いとかみ合わせが悪くなります。大切なのは、身体の軸。テーブルに向かって正面に座り、足の裏が床につく高さの椅子に座り、背筋を伸ばして食べるのが理想的です」
「食卓で座る位置が決まっている場合、話しかける相手がいつも同じだと顔の向きがおなじになり、噛むバランスも崩れます。ときどき、食卓も席替えしましょう」
(4)糖質食のとりすぎ
「プラークはただの食べかすではなく、生きた細菌のかたまりです。食物中の糖質を栄養源にして増殖し、放置すると、細菌が糖質を分解して作り出す酸や毒素によってむし歯や歯周病を発症します」
「食後は歯磨きを習慣づけ、外出先などで歯磨きができない場合は、キシリトールガムを噛むなどして、唾液を出すことを意識して」
(5)アルコールのとりすぎ
「アルコールやおつまみに含まれている糖分は、プラークが菌を増殖するための栄養になります。お酒を飲む場合、おつまみなどの食事をだらだら取り続けることになり、自分の唾液でpHをアルカリ性に戻す時間がありません」
「さらにアルコールの利尿作用によって、身体の水分量が減少するので口腔内が乾燥するうえ、酔ったまま歯磨きをせずに寝てしまう人も多いようですから、口腔内環境に気をつけながらお酒を楽しんでください」
(6)たばこを吸う
「たばこの煙に含まれている化学物質の数は数千に及び、中でもニコチンや発がん性物質などの有害物質は、300ともいわれています。一酸化炭素は組織への酸素供給を妨げ、ニコチンは血管を収縮させることから、身体が酸欠、栄養不足状態に」
「その結果、歯茎は固くなり、メラニンの付着により黒ずみます。喫煙者が『歯周病にかかる』確率は、1日10本以上の喫煙で5倍に上がるともされており、しかも重症化しやすくなり、治療を始めても歯肉の治りは遅くなります」
身体全体の健康も左右する口腔内環境。「汚口習慣」を見直して、「美口」に近づくためのケアを習慣化してみては。(つやプラ編集部)
【坂本紗有見先生 プロフィール】
日本美口協会会長、銀座並木通りさゆみ矯正歯科クリニック院長。
矯正歯科の専門医として、歯並びだけでなくその先にある健康や予防を見据え、多くの患者の口腔内美化に尽力。最新検査機器やサプリメントをいち早く取り入れ、常に新しい医療情報を提供している。
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