美しく年齢を重ねている美容のプロに、40代からの美のスキルアップに繋がるヒントを伺うインタビュー。
今回は、日常に取り入れやすい美容法を発信し続けている美容家・小林ひろ美さんに、美をキープするために40代からやっておくべきことや、日々のスキンケアで気をつけることなどを伺いました。
40代半ばは自分を見直す時期。何かひとつ変えることから始めてみて!
ーーいつお会いしても、お肌がツヤツヤで年月の流れをまったく感じさせない小林さん。エイジングによるお肌の変化にどのように対応されてきたのでしょうか?
50代になってから、老化が加速している感じはしています。
そんな時こそ「心が輝けば肌も輝く」をモットーに掲げて、「心にも肌にも爪にもツヤ」を意識して毎日過ごすようにしています。
これまで以上に肌のケアだけでなく、食事や運動、睡眠に気を配るようになりましたね。
ーー最初にそういった変化に気づかれたのは40代の頃ですか?
そうですね、40代になったばかりの頃は、すごく好調でエイジングを感じることもありませんでした。
まぁ、考えてみると40代初めは30代を引っ張っているから、変化を感じにくいだけなんですね。
一気に年齢による変化を感じるようになったのは、44歳を過ぎた頃。
もちろんショックを受けましたけれど、ここで落ち込んで何もしないでいると老け込んでしまうので、これまでの自分を見直してケアの方法を変えたり、新たなことに挑戦するチャンスだと考えるようにしました。
44歳から47歳くらいまでは、自分を見直す時期でしたね。
この時期にしっかり自分を客観視できるかどうかが、次のステップに上手に進めるか、いい歳の取り方ができるかの分かれ道。
老化のショックをプラスに変換して、自分なりに楽しんで乗り越えた人は、いつまでも輝いていられるはずだと思っています。
ーー具体的にはどんなことをすればいいのでしょう?
これまでと同じケアでいいの?と自分の肌を見直して考えてみたり、足りていない栄養素はない?と食生活を振り返ってみたりですね。
それで、気がついたことがあったら、何かひとつ、ワンアクションでいいのでやってみることです。
そのワンアクションが10年後の自分への投資になりますよ。
何かお手入れの方法を変えたりプラスしたりとワンアクション起こしたら、その後の変化に気づくことも大切。
ほんの小さな変化でも見逃さずに感じられると、お手入れを続けるのが楽しみになったりしますよ。
ーーつやプラ読者は40・50代の方が多いのですが、その年代の方が特に気をつけるべきことはありますか?
スキンケアを「作業」にしない!意識して自分と向き合う時間を持って
40代からは「自分の肌は自分が作っていく」という意識は大切だと思います。
公私共にとても忙しい年代だと思いますが、スキンケアを流れ作業のように行わないようするだけでも、肌は変わってくると思います。
私は、スキンケアの時に好きな音楽をかけています。
「この曲が流れている5分間は自分の時間!」というように、音楽で自分の心にスイッチを入れて(笑)。
このように気持ちを切り替えてからスキンケアをすると、意識して自分に向き合うことができるので、丁寧に肌になじませることができたり、きちんと塗れているかチェックできたり。
同じスキンケア製品を使っていても、心なしかその効果をグッと引き出せる気がします。
何より、好きな音楽を聴きながら行うと、スキンケアは「作業」ではなく、自分を慈しむ「楽しい行為」になると思います。
ーー「自分の肌は自分が作る」、身が引き締まる言葉ですね。そのためにはやはりリッチな化粧品を使ったり、アイテムをプラスした方がいいのでしょうか?
お金をかけなくてもキレイになれる!肌に対する意識を変えよう!
肌にエイジングの兆しを感じた時、スキンケアをリッチな化粧品に変えたり、使うアイテムを増やしたりするのも、もちろんいいと思います。
ただし、アイテムを変えたり増やしたりすることで解決しようとすると、その場しのぎになる可能性が。
頑張って高い化粧品を買って、一時的に肌が良くなったとしても、その化粧品を使い続けられなければ、肌は元に戻ってしまいます。
だからこそ、正しいお手入れ方法を身につけて、その時々の肌状態に合ったお手入れをきちんとできるようになれば、いい状態の肌を保ち続けることができます。
肌に対する意識を変えれば、お金をかけなくても美容はできますし、ずっとキレイな肌でいられますよ。
ーー肌への意識を変えるとは、具体的にどうすればいいのでしょう?
毎日の洗顔の「手グセ」を直せば、肌は生まれ変わる!
皆さんは肌をどんな風に触っていますか?
顔を洗う時に目元や頬をゴシゴシとこすっていませんか?美容液やクリームなど、与えることには熱心でも、毎日行うクレンジングや洗顔には無頓着という人がたくさんいます。
毎日、朝晩行う洗顔で、「ゴシゴシ肌をこする」「熱いシャワーですすぐ」「洗顔料をよく泡立てずに肌につける」といったことを繰り返していたら、肌はどうなるでしょう?
そのあとのスキンケアでどれだけいい化粧品を使っても、肌は老けていってしまうと思います。
こういったことをお伝えする時に私がよくお話しするのが、「手グセを直しましょう」という言葉です。
手グセ=手の動かし方や力の強さ、洗う順番といった「肌に触れる時の手のクセ」を変えれば、肌は必ず変わります。
皮脂が出やすい鼻の周りやあご、額は指先でクルクルと、皮膚が薄くシワになりやすい目元や口元、頬は指の腹でゆっくり優しくなでるように洗うのが基本です。
しかし、実際は、洗うべきところをきちんと洗わず、グルグルと大きく手を動かして頬ばかりをこすり洗いしている人を多く見かけます。
これでは自分でたるみやシワを作っているのと同じです。
きちんと汚れや皮脂は落として、潤いをキープして洗い上げるには、洗う順番が重要!
しっかりと泡立てた洗顔料で、まず鼻とあご、額を洗います。
そのあと、乾きやすい目元と口元、頬をなでるように洗います。
どれだけ保湿をしても乾くようであれば、洗顔前に目元や口元、頬など乾きやすいところに乳液を塗って保護してから洗うと、つっぱらずに洗い上がるのでおすすめですよ。
シワやたるみなどが気になり始めたら、まずは洗顔の時の自分の手グセを見直してみてください。
洗顔で肌のベースが整うと、あとから使うスキンケアが浸透しやすくなって、エイジングケアの効果も上がりやすくなりますよ!
【小林ひろ美さん プロフィール】
美容家、美・ファイン研究所主宰、リバイタライズサロン「クリーム」ディレクター
大学卒業、米国留学後、語学力と国際的センスを生かし、翻訳や輸入業に携わる。91年に美容家の母・照子共に美・ファイン研究所を設立。日常に取り入れやすく、効果的な美容法は多くの女性の支持を集め、テレビや雑誌などを中心に活躍している。著書に『小林ひろ美の1日中どこでも 24時間美容』(ワニブックス)などがある。
※本記事は2019年3月13日公開記事の内容を更新して公開しております。
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