酸化とならんで、アンチエイジングのキーワードとなってきたのが「糖化」です。糖化とは、余った糖がタンパク質と結びつき、細胞を老化させてしまう現象のことです。糖化した細胞はAGE(終末糖化産物)と呼ばれています。
このAGEは、体内でも生成されますが、じつは糖化した食べもの=AGEが多い食べものを食べることでも体内に蓄積されます。
健康と美容に役立つ食スタイルを提案して16年の美養フードクリエイターである筆者が、できるだけAGEを増やさない調理法を2つご紹介します。
■AGEを増やさない調理法2つ
(1)100℃以下で調理する
AGEは、タンパク質を高温で加熱した時にできる物質です。パンケーキの美味しそうな焦げ目は、小麦のタンパク質が糖化しておこるAGEですし、肉や魚の焦げ目も同様です。
肉や魚など高タンパクの食材は、高温で焼かずに、蒸す、煮るなどの調理法で調理しましょう。
調理例
チキンソテー
蒸して加熱した後、表面だけをフライパンで焼いて焼き色を付けます。
サーモンなどの魚も同じように、一度蒸してから表面だけに焼き色を付けましょう。
じゃがいもなどの焼野菜
フライドポテト
ジャガイモを蒸して火を通してから、多めの油で揚げるように焼きます。
玉ねぎソテー
表面に焼き色をつけたら、できるだけ空気を抜いて真空のような状態にして、ジップのついた保存袋に入れ、湯せんで加熱します。
から揚げ
蒸した鶏肉に衣をつけ、衣にだけ火が通るように揚げます。
(2)酢・レモン果汁に漬けて調理する
肉や魚を、酢もしくはレモン果汁に漬け込んでから焼くと、調理中に産生されるAGEが少なくなることがわかっています。ステーキやグリルの前に、レモン果汁や酢につけておくことで、お肉も柔らかくなり、一石二鳥ですね。
調理例
ステーキやグリル
ステーキ肉2枚を、レモン1/2個分の果汁に1時間以上漬けこみ、焼きます。
食べものから摂ったAGEの10%が、身体に蓄積されるといわれています。調理法をひと工夫して、余分な糖化を防ぎたいですね。
(美養フードクリエイター・中医薬膳師 岩田まなみ
料理教室Manami’s Kitchen主宰。パリのEcole Ritz Escoffierにてフランス料理を学びDiploma取得、本草薬膳学院にて薬膳を学び、中医薬膳師の資格を取得。健康リズムカウンセラー、味覚カウンセラー(スタンダード)。自著「ベジフル発酵ジュースとレシピ」(2018年・日東書院本社)、「ヤセ菌が増えて太らない食べ方」(2016年・自由国民社)。コラム執筆、雑誌、TVなど多数のメディア出演実績がある。)
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