体温維持や呼吸などで、人が生きていくために最低限必要なエネルギー「基礎代謝量」は、年齢とともに減っていきます。
その原因の一つに、「筋肉量が減ること」が挙げられます。体温をつくり出す働きを担う筋肉は、基礎代謝の中でも多くのエネルギーを必要とするためです。要するに、「筋肉量が少ないと、安静にしていても消費されるエネルギーも少ない」というわけで、それが太りやすくなることにもつながります。
筋肉量が低下し、冷えなどにより血行が悪くなると、代謝がおちて、脂肪を減らすことがますます難しくなります。管理栄養士の筆者が、日常でできる代謝UPの方法をご紹介します。
■日常でできる代謝UPの方法
(1)寝起きストレッチ
最近流行している「朝活」。早起きして身体にいいことを始めてみませんか? 朝に身体を動かすと、基礎代謝がUPするといわれています。起きてから、ベッドや布団でできる寝起きストレッチをしてみましょう。
(1)四つん這いの状態から、ゆっくりと重心を足の方にずらしていきます。
(2)腕を伸ばし、背中がしっかり伸びるようにして30秒キープします。
血行がよくなり、日中の活動もはかどるようになるでしょう。
(2)早歩き
20歳以上の人の筋肉は、運動しなければ1年に1%ずつ減少していくとされています。
歩くと、全身で大きな筋肉のある足を使うため、血流がよくなります。その結果、身体のすみずみまで栄養がいき渡り、代謝もよくなります。
早歩きだけではなく、「歩幅」にも注意してみましょう。チョコチョコと歩くのではなく大きく一歩をふみ出すと、より効果的です。
(3)階段を使う
階段を使うと消費エネルギーが上がるイメージがありますが、一段飛ばしで勢いよく階段を上がってはいませんか?
実は、ゆっくりと一段ずつ上がる方が、消費するエネルギーも増えると報告されています。
(4)胸をはり、姿勢を正す
姿勢を正すだけでも代謝UPの効果が期待できます。
正しい姿勢とは、下を向いた時に「自分の足の甲が見える」状態です。ぜひ、確認してみてください。
正しい姿勢で歩くと、重心が前になり移動しやすくなるため、歩くスピードがはやくなります。肺活量も増え、横隔膜がきたえられて基礎代謝量UPにつながります。
ジムに通うのも一つの方法ですが、時間がとれないことも多いですよね。日常の動作を意識するだけでも、筋肉量の減少を緩和することができます。毎日の小さな積み重ねが大切です。意識してとり組んでみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美)
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【参考】
※歩く速さが「寿命」や「健康寿命」に大きく関係しているってホント? – オムロン
※The cheat’s guide to exercise: Taking the stairs one at a time burns MORE calories than leaping up them – MailOnline