慌ただしく夏が過ぎ、温もりがちょっぴり恋しくなるこの季節。葉が枯れ落ちた植物や、寒さから俯き加減に歩き去る人々の姿を見て、心が鬱々と落ち込むことはありませんか? そんなときは、心を明るくしてくれるハーブの出番。身体を温めて、心の曇りを取り除いてくれるハーブや精油をご紹介します。
■香りの女王「ローズ」
2万種以上あるといわれる香りの女王、ローズ。ダマスクローズ(R.damascena)の花弁を蒸留して得られる精油(ローズオットー)は、不安な気分を穏やかに軽減してくれると言われています。ぜひアロマテラピーに使ってみてください。また、ローズティーとしても楽しめる種類(主にRosa gallica)もあるので、少しお手軽にその愛のエネルギーを受け取ることもできそうです。
■太陽のハーブ「セントジョンズワート」
夏至の時期に美しい黄色の花をつけるセントジョンズワート。ちょっぴり気分が落ち込んだ時、心に明るさをもたらしてくれることから「サンシャイン・サプリメント」とも呼ばれています。ハーブティーとして楽しめるのはもちろん、消炎作用があるので、オイルに成分を浸出すると傷の外用薬にもなると言われています。ただし、薬剤を服用している方は、使用前に必ず医師に相談してください。
■心身の栄養「オート」
今では多くの人に食されるオートミールですが、ハーブとしてのオートは麦わら(全草)を使用します。緩やかに気分を明るくさせたい時など、軽い抑うつ状態を改善して、心身の疲労回復に働きかけます。女性にとって重要な鉄分などのミネラルも豊富なので、ぜひ常備していただきたいハーブです。ただし、グルテンアレルギーの方は使用しないでください。
■魅惑の香り「カルダモン」
アーユルヴェーダなどのお料理ではスパイスとして活躍するカルダモン。この甘美な香りは嗅ぐだけで心がホッと落ち着き、不安や落ち込みを徐々に取り除いてくれます。お腹の底から身体を温めて、消化不良や疝痛、過敏性腸症候群などにも効果的と言われています。ただし、潰瘍症状の場合は、使用前に必ず医師に相談してください。
心が落ち込むと身体も落ち込み、体調を崩してしまいかねません。まずは心身ともにしっかりと休養をし、栄養バランスに優れた食事を心がけることが大切です。また、辛いと感じたら、我慢せずに専門家に相談するようにしましょう。
(ホリスティックビューティインストラクター Eriko)
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【参考】
※リエコ・大島・バークレー著(2013)『英国流メディカルハーブ』(説話社)