白髪の出現や毛量の変化など、40歳以降は髪のエイジングを実感しやすい年齢です。なかでも、‟加齢による髪のうねり”は、深刻なお悩みに発展しがちです。
「昔はまとまりやすかった髪が、今ではウネってヘアスタイルがきまらない」「根元からジリジリとして広がるばかり。縛るほかない」など、ひどいクセ毛はデザインに直接影響してしまうため、純粋にヘアスタイルを楽しむことすら諦めてしまうケースも多いようです。
ヘアライター&ヘアジャーナリストの筆者が、エイジングによる髪のうねり対策についてご紹介します。
■大人の髪のうねり。単なるクセ毛とは違う
更年期前後に起こる髪のうねりやジリジリ感は、一般的にいわれるクセ毛とは違います。
クセ毛と聞くと、俗にいう「ネコ毛」や「軟毛」をイメージする人が多いかと思いますが、これは、よくいわれる‟外国人風の柔らかい髪”のことです。当の本人は悩んでいても、直毛の人からしたら羨ましいという一面もありますよね。
毛穴のたるみによって起こる「捻転毛」
一方、加齢によるうねりの場合、その原因はさまざまですが、特に目立つのが毛穴のたるみによって起こる「捻転毛(ねんてんもう)」です。
本来、頭皮の毛穴はきれいな円形をしていますが、加齢と共に頭皮がたるむと、毛穴は楕円状へと変化します。すると、毛髪がねじれた形状で生えてくるため、髪が波を打ったようにうねっています。
捻転毛は、髪内部の密度も少ないため、同時につや感も損なっています。そのため、髪がまとまらずにホワホワとし、ツヤのないバサバサとした質感になるのが特徴です。見た目にもジリジリ感が目立つため、スタイリングがむずかしく、‟ただ縛るだけ”になりがちです。
■頭皮のたるみをチェック
実際、自分の頭皮がたるんでいるかどうかはわかりにくいものですよね。
そこで確かめる目安としては、耳の上の頭皮に指をあて、この部分の頭皮がつまめればたるんでいる証拠です。つまめなければ、きちんとハリがあります。また、頭皮と顔の皮膚は一枚皮なので、ほうれい線が目立ち始めたら要注意です。
上まぶたが重くなってきたと感じる人も、頭皮がたるんでいるからかもしれません。
■エイジングによる髪のうねり対策
頑固な捻転毛ですが、なるべく髪への負担は少なく解決したいですよね。「縮毛矯正やストパーはしたくない」「ストレートパーマの回数をなるべく減らしたい」と思う方へ、具体的にうねりを抑える方法をご紹介します。
頭皮ローションを習慣化する
エイジング対策の頭皮ローションを、毎日使用しましょう。
有効な栄養を頭皮の内部に入れることで、内側から毛穴を引き締める効果が期待できます。
頭皮マッサージは鎖骨まで行う
血流が滞ると、頭皮の老化が早まりやすいです。ですから、頭皮ローションでマッサージをして、毛穴も徐々に締めましょう。
ただし、鎖骨のリンパが滞っていると頭部へ血液を上手く届けにくくなってしまいます。マッサージは鎖骨まで(骨に沿って、しばらくなでるだけでもOK)行いましょう。
ヘアマニキュアをする
ヘアマニキュアは、髪表面の凸凹(ゆがみ)に対しパテを塗るように埋めていくので、疑似的にまとまり感のある髪を演出しやすいです。
軽いゆがみなら、トライしてみる価値ありですよ。
「酸熱トリートメント」でケア
「酸熱トリートメント」とは髪にハリやコシ、まとまり感を与えるもので、途中工程でストレートアイロンによる熱処理を加えることが特徴です。
仕上がりはナチュラルなストレートヘアになるので、縮毛矯正のようなダメージを与えずに、ケアをしながら自然な毛流れに整えていきます。
ホットブラシアイロンで毛並みを整える
ストレートアイロンは根元に使いにくいのですが、ブラシ型アイロンなら、最もうねりが気になる根元側もすくいやすいのが特徴です。ひとつ持っていると便利ですよ。
使う前は必ず、ヒートプロテクションなどの洗い流さないトリートメント剤を塗布して、髪を労わりましょう。
コスメパーマ薬で、うねりを生かす
「コスメパーマ」と呼ばれる、ダメージを起こしにくい薬剤を用いて、ゆるふわパーマをかけることも一つの手です。
ラフなカール感が中途半端なねじれをカバーし、今っぽい質感に導きます。
紫外線「UV-A波」から髪を守る
肌老化の8割は紫外線から起こるといわれていますが、髪も同じです。
水分バランスが崩れると「ケラチン」が正常でなくなるため、髪がうねりやすい環境になってしまいます。
いくつになっても美しい髪でいるためには、悩みに応じた対策が必要です。同時に髪の土壌である頭皮そのものをしっかりお手入れしていくことが、5年後、10年後の髪を健やかに保つ秘訣となります。頭皮と髪のWケアで、大人世代を悩ます髪のうねりも、うまく乗り越えましょう!
(ヘアライター&ヘアジャーナリスト 小澤 佐知子)
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