1年を通してスーパーなどで手に入りやすく、冬に旬を迎える魚「ブリ」は、40代以降の女性に必要な栄養素がギュッと詰まった優秀な食材です。インナービューティー料理研究家の筆者が、美容に嬉しいブリの栄養と美味しくかしこく食べる方法をご紹介します。
■ブリの美容に嬉しい栄養
エイジングケアに欠かせない「ビタミンE」
ブリには、別名”アンチエイジングビタミン”と呼ばれる抗酸化作用の高い「ビタミンE」が豊富です。
ビタミンEといえば、「ビタミンA」や「ビタミンC」と並んで”抗酸化トリオ”とも呼ばれるほど、活性酸素の働きを抑える働きが高いビタミンです。これらは、相乗効果で高酸化力がより高まることが期待されているため、一緒に摂ることが理想的です。
塩焼きにした切り身にレモンやすだちなどのビタミンC豊富な柑橘類の果樹をぎゅっと絞って食べることが手軽でおすすめです。
貧血対策に嬉しい「鉄分」
ブリは、血の気の多い魚です。それゆえ、魚独特の生臭さが気になる場合もありますが、血合い部分や皮部分は湯引きしたり、皮目からフライパンで焼くなどの工夫をすることで臭みはほとんど気にならなくなくなります。
血合い部分や皮部分は、美容と健康に嬉しい栄養価が高い部分なので捨てずに必ず食べましょう。鉄分はビタミンCと合わさると身体への吸収率が高まります。
不足しがちな「カルシウム」
つやプラ世代が今からしっかり摂りたい栄養素の「カルシウム」。将来の骨粗しょう症対策のためにも、日々積極的にとりたい栄養素のひとつです。
カルシウムは「ビタミンD」と合わさることで身体への吸収率が高まることが期待されています。
ビタミンDはブリ自体にも含まれていますが、より吸収率や栄養価を高めるためにはビタミンDが豊富な旬のキノコ類と合わせることがおすすめです。旨味の強いまいたけやしめじなどといっしょにソテーにしたり、照り焼きにするととても美味しいですよ。
細胞の材料となる「たんぱく質」
魚類には、細胞のもととなる良質なたんぱく質が豊富です。たんぱく質は重要なエネルギー源のひとつでもあります。
新しいたんぱく質が体内できちんと作られることは、新陳代謝(ターンオーバー)のサイクル維持や、乾燥やエイジングに負けないハリのある美肌作りの基盤になります。
更年期の身体をケアする「脂質」
ブリには良質な脂質の一種である「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」が豊富です。これらは脳の働きやコレステロールの低下をサポートし、血流を促進する働きなどが期待されています。脳のエイジングケアや健康な体作りのためにも積極的に摂りたい栄養素です。
良質な脂質には女性ホルモンの働きをサポートする役割も期待できます。更年期の身体をケアするためにも積極的にとり入れたいですね。
代謝をサポートする「ビタミンB群」
ブリには糖質や脂質の代謝をサポートする「ビタミンB群」も豊富です。
疲労物質「乳酸」の代謝にも働くため、代謝アップはもちろん、疲労回復を狙いたい時にもおすすめです。
■ブリをより美味しくかしこく食べる方法
刺身用のブリをしゃぶしゃぶに
たっぷりの野菜と一緒に薄くスライスしたブリをしゃぶしゃぶにしましょう。
切り身を食べやすい大きさに切って鍋に
鶏肉などと一緒にちゃんこ鍋風にしても美味しいですよ。すだちやゆずなどを加えるとさっぱりとした味わいになります。
切り身を塩焼きに
切り身に塩をまぶして魚焼きグリルで焼き、柑橘類の果汁を絞っていただきましょう。脂の多い旬のブリにほどよい酸味が加わることで、さっぱりとした味わいになります。
照り焼きやソテーに
オリーブオイルやバルサミコ酢でソテーにしたり、醤油やみりんで王道の照り焼きにしたりしましょう。
焼くことで身のパサつきが気になる場合は、小麦粉や片栗粉を表面に薄くはたいてから焼くと旨味も逃げずしっとりと仕上がります。タレも絡みやすいのでおすすめです。
つやプラ世代に嬉しい栄養がギュッと詰まった「ブリ」。旬の栄養価が高い時期に積極的にとり入れて、身体の中からキレイと元気を磨いてみましょう。
(インナービューティー料理研究家 フードコーディネーター 國塩 亜矢子)
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【参考】
※吉田企世子・松田早苗/監修(2016年)『あたらしい栄養学』高橋書店
※上西一弘/著(2016年)『栄養素の通になる』女子栄養大学出版部
※板木利隆/監修(2008年)『からだにおいしい 野菜の便利帳』高橋書店
※蒲池桂子/監修(2010年)『美肌美人栄養学』エクスナレッジ
※三輪正幸/監修(2012年)『からだにおいしい フルーツの便利帳』高橋書店
※伊達友美/著(2010年)『食べる美女肌セラピー』エクスナレッジ
※白澤卓二/監修(2018年)『医者が教える最強の食事術』宝島社
※藤原昌高/著(2010年)『からだにおいしい魚の便利帳』高橋書店
※平田 雅子/監修(2010)『不調をなおしてキレイになる 女性ホルモン基本事典』成美堂出版