バランスよく食べているつもりでも、ダイエット中は必要な栄養素が不足しがちです。特に注意されているのが「鉄分」です。もともと女性に不足しがちなミネラルであり、鉄の吸収率自体も高くないことが理由です。
鉄分が不足すると疲れやすくなったり肌の血色が悪くなったりする他、代謝が落ちやすくなるので痩せにくくなる場合もあるといわれています。
ベジ活アドバイザーの筆者が、ダイエット中に不足しがちな鉄分のとり方と鉄分の吸収率を高める食材の組み合わせをご紹介します。
■「鉄分」が不足するとどうなるの?
鉄分が不足すると、全身に酸素を十分に行き渡らせることがむずかしくなります。基礎代謝の低下を招き、結果として痩せにくい身体になるともいわれています。代謝の低下は冷えやむくみの原因につながるからです。
また、鉄分は肌の血色やコンディションにも大きく関わります。他にも、鉄分は安心や幸せ感を導く「セロトニン」、ワクワクした気分をつくる「ドーパミン」という脳内ホルモンの合成に使われます。
鉄分の不足は心の不調を招くとも考えられているので、不足しないように以下のポイントに気をつけましょう。
■鉄分の吸収率を高めるポイント5つ
鉄は体内では作ることができないミネラルです。体内への吸収率が低く、毎日の食事で継続的にとることがとても大切です。
(1)ヘム鉄・非ヘム鉄の分類
鉄分には、動物性の食材に多く含まれる「ヘム鉄」と植物性の食材に多く含まれる「非ヘム鉄」の2つがあります。
ヘム鉄の吸収率は約23%。非ヘム鉄に比べて3~5倍高いです。レバーや牛のもも肉、かつおやしじみ、あさりなどに多く含まれます。非ヘム鉄の吸収率は約5%ですが、食材の組み合わせによって吸収率を高めることもできます。ほうれん草やひじき、大豆、コマツナ、卵黄などに多く含まれています。
(2)ビタミンCと一緒にとる
鉄分は野菜や果物に多く含まれる「ビタミンC」と一緒にとることで吸収を高めることができます。レバーとニラは、鉄の吸収を高めることができるベストな組み合わせといえます。
大豆はビタミンCの多い野菜と組み合わせましょう。サラダやカレー、ラタトゥイユ、スープなどに活用するとレパートリーも広がり、一石二鳥です。
(3)たんぱく質と一緒にとる
鉄分はたんぱく質ととることでも、吸収率を高めることがわかっています。吸収率が低いとされる非ヘム鉄の食材はたんぱく質と組み合わせてとるようにするといいですね。
鉄分の多い、コマツナやほうれん草を卵でさっと炒めたり、肉巻きにしたりすることもおすすめです。
(4)造血の働きがあるビタミンと一緒にとる
健康な血液をつくる手助けをする「ビタミンB6」と「ビタミンB12」「葉酸」などと鉄分を一緒にとることも吸収率を高めることに役立ちます。
ビタミンB6はバナナ、サツマイモ、魚介類、ささみなどに、ビタミンB12はチーズや貝類に、葉酸はアスパラガスや枝豆、イチゴなどに多く含まれているので、組み合わせの参考にするといいですね。
(5)「酸」のキレート作用を利用
「クエン酸」や「リンゴ酸」などの果実酸には、ミネラルを包み込み吸収しやすい状態へと変化させる“キレート作用”という働きがあります。
レモン汁をサラダのドレッシングに利用することもおすすめです。
鉄分を日々の食事から意識してとることは、代謝を低下させずキレイを保ったまま痩せることにもつながります。吸収率が低い鉄分ですが、組み合わせを意識して不足しないように心がけましょう。
(ベジ活アドバイザー 生井 理恵)
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【参考】
※心の不調を癒やすキウイの力 – ゼスプリ インターナショナル ジャパン
※豆を食べて健康生活①貧血対策 – 女子栄養大学出版部
※鉄 – わかさ生活
※4.鉄分を効率よく摂取するために – 太陽化学