40代以降の女性は、“思うように痩せない”“疲れが取れない”などのさまざまな不調を抱える人が少なくありません。
そこでおすすめなのが、「豆類」。タンパク質や食物繊維をはじめ、美容・健康に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
管理栄養士の筆者が、40・50代の悩み別におすすめの豆類をご紹介します。
■40・50代が豆類を食べるメリット
40代以降はスムーズに痩せにくくなったり、ホルモンバランスや自律神経の乱れから便秘や肌荒れに悩む人が多いといわれています。
豆類には、「タンパク質」や「食物繊維」「ポリフェノール」「ビタミン」「ミネラル」などがバランス良く含まれているため、女性の不調を解消するのに役立ちます。
豆類というと“大豆”というイメージが強いですが、他にもさまざまな効果効能が期待できる豆類が多く存在しています。ご自身の不調に応じた豆類を、食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
■40・50代の悩み別におすすめの「豆」まとめ
なかなか痩せない人に:枝豆
枝豆は、非常に栄養価が高い豆類です。「タンパク質」や「ビタミンB1」「鉄」「カリウム」「食物繊維」などの栄養素が含まれています。
代謝の良い、痩せやすい身体をつくるためには筋肉が重要ですが、タンパク質は筋肉をつくる材料です。ダイエット中は食事量の制限に伴ってタンパク質量も低下しやすいため、しっかり補う必要があります。
また、ビタミンB1は糖質の代謝をサポートし、鉄は血行を良くする働きがあることから、枝豆は痩せやすい身体づくりに効果的な豆類だといえます。
ポイント
枝豆は茹でて食べるのが一般的ですが、“蒸し焼き”や“焼く”“レンジ加熱”がおすすめ。ビタミンB1やカリウムといった栄養素は水溶性であるため、水で茹でると流出してしまいます。
少量の水で蒸し焼きにしたり、焼く・レンジ調理にしたりすることで、栄養素の流出を防ぐことができます。旨味が凝縮されて美味しさもUPをするため、ぜひ試してみてくださいね。
更年期の不調にお悩みの人に:蒸し大豆
大豆には、「タンパク質」や「ビタミンB1」「イソフラボン」などの栄養素が含まれています。
更年期の不調緩和におすすめな豆類といえば、大豆ですよね。大豆に含まれるイソフラボンには、女性ホルモンの分泌を促す働きがあるため、更年期の不調緩和に役立ちます。
ポイント
大豆を手軽に摂るためにパウチされた商品や水煮缶詰を使うことがあるかと思いますが、“蒸し大豆”をチョイスすることをおすすめします。
栄養素の流出を防ぐことができるため、イソフラボンやビタミンB1などの栄養素を効率よく摂取することができます。
また、蒸し大豆は食感もホクホクとしており旨味が凝縮しているため、そのままでも美味しくいただくことができますよ。
老化予防に力を入れたい人に:黒豆
黒豆に含まれる「アントシアニン」や「ビタミンE」には、老化の原因である活性酸素から身体を守る働きがあります。
また、いずれの栄養素にも血行を良くする働きがあるため、細胞の新陳代謝を促し、若々しい身体の維持に役立ちますよ。
ポイント
アントシアニンは水溶性であるため、汁ごと食べられる“煮豆”や“炊き込みご飯”“ポタージュスープ”にすると良いでしょう。
意外ですが、“カレー”や“味噌汁”にプラスしても美味しいです。ぜひ、一度お試しください。
肌をキレイにしたい人に:さやいんげん
さやいんげんは、「βカロテン」や「リジン」といった栄養素を含んでいます。
βカロテンには、皮膚の新陳代謝を高める働きがあるので美肌づくりに役立ちます。また、アミノ酸の一種であるリジンには、「タンパク質」や「カルシウム」の吸収を促したり、ブドウ糖の代謝を良くして疲れをとり集中力を高める効果があるのだそう。
ポイント
βカロテンは脂溶性であるため、油と一緒に調理すると効率よく摂取することができます。脂質含有量が高い「アーモンド」や「ごま」と組み合わせて調理するのも良いでしょう。
また、カルシウムの吸収を促すリジンが含まれているため、カルシウム豊富な牛乳が摂取できる“ポタージュ”や“シチュー”にするのもおすすめですよ。
便秘にお悩みの人に:ひよこ豆
可愛らしい見た目のひよこ豆ですが、大豆よりも多くの「食物繊維」が含まれているので、便秘解消効果を期待することができます。特に、「不溶性食物繊維」が多く含まれているので、便のカサを増やして腸を刺激することで排便を促してくれます。
食物繊維は善玉菌のエサとなるため、腸内環境をキレイにすることにもつながりますよ。
ポイント
食物繊維と善玉菌を一緒に摂取すると効率よく腸活効果を得ることができるため、善玉菌が豊富な「味噌」や「キムチ」「ヨーグルト」と組み合わせていただきましょう。
“味噌汁”や“キムチ和え”“ヨーグルト和え”にしてみてはいかがでしょうか。
美容・健康効果が高い豆類ですが、それぞれに特徴的な効果効能が期待できます。身体の不調に応じて、効率的な食べ方で豆類を食事に取り入れてみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※白鳥早奈英・板木利隆 監修「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」(2009年)高橋書店
※大豆 – わかさ生活
※黒豆 – わかさ生活
※さやいんげん – わかさ生活
※リジン – わかさ生活
※ひよこ豆 – わかさ生活
※ビタミンE – わかさ生活