睡眠の大切さが多くの人に知られるようになりましたが、「睡眠」というと枕や寝具、夜の行動に目が行きがちではありませんか?
実は、本当に質の良い睡眠を手にしたいのならば、朝起きてから日中の行動が夜の良い眠りのカギを握ります。
理学療法士で睡眠の専門家である筆者が、睡眠の質を高めるために、朝起きてから昼間の間に行いたい3つのことをご紹介します。
■朝は一定の時間に起き朝日をあびる
私達人間の体には、体温やホルモン分泌量などを周期的に変化させる「体内時計」と呼ばれる仕組みがあります。
この体内時計が乱れると、時差ボケのような不調を感じたり不眠が生じやすくなります。
例えば、平日の仕事がある時は毎朝早起きなのに、休日になると昼過ぎまで寝ていると、この体内時計が乱れて、仕事が始まる日の朝が辛くなる……ということが起こります。こうした経験がある人は多いのではないでしょうか。
また、体内時計の周期は24時間より少し長いため、放っておくと毎日少しずつずれていきます。
このずれを修正するのが朝日(太陽の光)と考えられています。朝日を浴びることで目の網膜から光の信号が脳に届き、体内時計がリセットされ、そこから約15時間後に眠気が起こる仕組みになっていると考えられています。
体内時計の乱れを整えるには、就寝時間にかかわらず朝はできるだけ一定の時間に起床し、太陽の光を浴びることが大切。そうすることが、質の良い眠りにつながります。
■運動する
私達のカラダは「動く」ようにできています。
現代の生活は便利になりカラダを動かさなくても生活ができるようになりましたが、その便利と引き換えに「不調」という代償を支払うことになりました。
身体を動かすためには「運動」をすることが大切です。
「運動する!」というと、ジムに行って、キツイ・辛い「運動」をイメージされる方が多いと思うのですが、そんな運動でなくても大丈夫。散歩やウォーキングやラジオ体操などの軽い運動が効果的です。
ちょっとそこまでを歩く、エスカレータやエレベーターを階段に変えるなど、日常生活の中に「動く」を取り入れることが効果的です。
また在宅ワークが普及したいま、地域で行なっている朝のラジオ体操に参加するのもおすすめです。
地域の方との交流にもなりますし、睡眠にも良い影響を与えてくれるでしょう。
■バランスの取れた食事
私達のカラダは食べたもので作られています。
そして睡眠にも大きく影響するホルモンも、栄養が大きく関係しています。
豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類、ごま・ピーナッツ・卵・バナナには、トリプトファンという成分が多く含まれています。
トリプトファンは、必須アミノ酸(体内で作り出すことのできない9種類のアミノ酸/たんぱく質を構成する栄養要素)の一つ。睡眠にも関与するセロトニンの材料になると考えられています。
睡眠の質を高めるために、朝起きてから昼間の間に行いたい3つのことをご紹介しました。「睡眠のためにどうしたら良いのだろうか?」と迷ったら、着物をきた先人の生活を思いだしてみてください。彼らには睡眠問題はなかったはずです。着物を着ていた時代の生活をイメージしながら、ぐっすり眠れる毎日を目指しましょう。
(著者/講師/理学療法士 矢間 あや)
【関連記事】
・更年期に●●は逆効果?やってはいけないNG対策
・誰にも聞けない…更年期の陰部のヒリヒリのケア法
・更年期は要注意!口臭がする人のやりがちNG習慣
・スマホの文字が見えにくい!?今すぐできる対策5つ