近ごろの美容業界では、体内の「ミトコンドリア」を活性化させてキレイになる、アンチエイジングに役立てる、というアプローチが注目されているよう。ミトコンドリアを活性化すると得られる効能にはどのようなものがあるのでしょうか。活性化させる方法を、日常でできる習慣や取り入れられる成分と合わせてご紹介します。
■ミトコンドリアが活性化すると得られる効能とは?
ミトコンドリアが活性化すると線維芽細胞(せんいがさいぼう)の活動が活発になり、肌のハリや弾力、潤いがアップすると言われています。肌のハリや弾力がアップすることは、しわやたるみなどのエイジングサインの改善に繋がるため、ミトコンドリアを活性化させることは、アンチエイジングへの効果が期待できるということになります。
■ミトコンドリアを活性化させる方法・成分・習慣4つ
1.「運動」でミトコンドリア活性化
体がエネルギーを欲する状態になるとミトコンドリアの量が増えると言われています。ややきつめの有酸素運動などを行うと細胞が活性化し、アンチエイジングも期待できそうです。
2.「レスベラトロール」を摂取してミトコンドリアを活性化
私たちの体にあるサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)は、老化を防止し、寿命を延ばすことができると言われています。ブドウの果皮に多く含まれるレスベラトロールは、このサーチュインのスイッチをオンにしてくれる働きがあるそう。金沢医科大学の古家大祐教授によると、サーチュインが活性化されることで細胞内のミトコンドリアが増えるとともに、細胞内の異常なたんぱく質や古くなったミトコンドリアが除去されて、新しく生まれ変わる「オートファジー(自食作用)」という機構が働くのだそう。それが、細胞の若返りに繋がるのだそうです。レスベラトロールを摂取するためには、皮つきで食べられるブドウや赤ワインを積極的に摂取するのがおすすめです。
3.「レスベラトロール配合コスメ」でミトコンドリア活性化
前述のようにレスベラトロールにはミトコンドリアを活性化させる働きがあると言われています。この働きが注目され、レスベラトロールを配合したクリームなども販売されています。日本抗加齢医学会理事長である慶應義塾大学の坪田一男教授によると、そのクリームは肌へのアンチエイジング効果が期待できるとのこと。それほど市場に出回っていないようですが、肌年齢を若返らせたいと願う方はぜひチェックしていただきたいと思います。
4.「深呼吸」でミトコンドリア活性化!?
深い呼吸を心掛け、酸素を体、細胞の隅々にまで取り込むことでミトコンドリアは活性化されます。1日4〜5回、慣れてきたら10回以上、心掛けて深呼吸をするのがおすすめ。(※深呼吸の仕方については、記事末尾の「関連記事」をご参照ください。)
ミトコンドリアを活性化させることで体の中からアンチエイジングに取り組まれてはいかがでしょうか。
(アンチエイジングアドバイザー 遠藤幸子)
【関連記事】
※アンチエイジングに◎!ミトコンドリアを活性化&増やす食べ物・飲み物
【参考】
※勝田小百合著(2009)『アンチエイジングの鬼プレミアム』(ワニブックス)
※坪田一男著(2014)『アンチエイジング・バトル』(朝日新書)
※金沢医科大学 教えて!ドクター 第4回 - 金沢医科大学病院