夏の熱中症予防として、実は「筋肉」が重要であることはご存知でしょうか? 美しいボディラインのために運動をすることが、熱中症対策にも役立つなんて嬉しいですよね。
理学療法士で睡眠の専門家でもある筆者が、筋肉と熱中症の関係や、心がけたい熱中症対策についてご紹介します。
■体内の水は「筋肉」に蓄えられる
熱中症対策として「水分を摂る」ことは広く知られていることであり、人間の身体の約60%は水分でできています。
では、その水分は身体のどこにあるかというと、その多くは「筋肉」に蓄えられています。
筋肉の約75%程度は水分でできていて、「筋肉は水分の貯水池」と言われているほど。
筋肉は姿勢を保ったり動作をしたりするだけでなく、水分を溜めるためにも必要な組織なのです。
筋肉量が減るということは、水分を溜めておくタンクが減ってしまうこと。熱中症対策のためにも、筋肉量を減らさない生活をすることが大切です。
■日常生活で心がけたい熱中症対策
まずは筋肉量を落とさない生活を
夏は冷房が効いた部屋で過ごす時間が増えて、運動不足になりがちです。暑いからと部屋から出ないでいると、運動量が激減してしまいます。
運動というと、辛くてきついイメージがあるかもしれませんが、まずは筋肉量を落とさない生活からスタートしていきましょう。
近場まで歩く、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を上るなど、日常生活の中で運動量を増やすことを心がけていきましょう。
涼しい早朝に心地よい運動をする
真夏は早起きをして、涼しい早朝に運動をするなど、朝の時間を有効活用することがおすすめです。
いきなり負担の大きい運動をするのではなく、まずは心地よいストレッチやラジオ体操から始めましょう。地域で行なわれている、夏のラジオ体操に参加するのもいいですね。
体を暑さに慣れさせる
急に猛暑を迎えると、とくに熱中症になりやすくなります。
熱中症予防のために、適度なエアコンの使用は必須ですが、自然の風を生活に取り入れることで、体を暑さに慣れさせる工夫も大切です。
帰宅後にすぐにエアコンをつけることが日課になっている方は、その前に一度窓を開けて、自然の風の心地よさを感じてみてください。
栄養や休息をしっかりとる
栄養不足や睡眠不足も、熱中症になる危険性を高めてしまいます。
トマトや茄子などの夏野菜は、汗と共に失われやすい水分やカリウムを豊富に含んでいます。旬の野菜を積極的に摂っていきましょう。
寝苦しい夜は、エアコンや扇風機を使用して、睡眠環境を整えることも大切です。
たっぷりと良い睡眠や栄養をとって、体調を整えることは、熱中症予防にもつながります。
熱中症予防に筋肉が大切である理由と、熱中症を防ぐポイントをご紹介しました。筋肉は、身体の水分量を保つためにも重要な働きをしています。適度な運動を心がけて、夏の猛暑に負けることなく過ごしていきましょう。
(著者/講師・理学療法士 矢間 あや)
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