9月3日は「クエン酸の日」。夏バテで疲れが出やすくなる時期と、9と3で「クエン酸」の語呂合わせから制定されています。「クエン酸」はレモン果実に多く含まれる酸っぱい成分です。
レモンのクエン酸含有量は果物の中でもトップクラスで、みかんの約6倍も含まれています。そんな「クエン酸」の知られざる健康効果をご紹介します。
■「クエン酸の日」に学びたいクエン酸の秘密
レモンで骨密度が高まる!?
先進レモン効果研究の専門家・飯田忠行先生がレモンが盛んな広島県大崎上島町の島民を対象にした健康調査によると、レモンを多く摂取している島民は骨密度が高いことがわかりました。
飯田先生はその理由を「レモンに含まれるクエン酸が持つキレート作用が関係している」と言います。
「キレート作用とは、カルシウムをはじめ、ミネラルを腸から吸収しやすい形に変えることです。そのため、血中カルシウム濃度が維持され、骨密度を維持することにつながります」
「通常カルシウムは、人体には吸収されにくく、食物から摂取した場合約70%は体外に排出されてしまいます。特に高齢になると腸から吸収されるカルシウム量は低下傾向にあり、体は骨に蓄えられているカルシウムを使って補おうとします。その結果、骨粗しょう症になりやすくなるのです」
「島民の皆さんは、普段から多くのレモンを摂ることで、自然とカルシウムが体内に吸収されやすくなっているので、平均よりも骨密度が高くなった理由の一つにレモンの摂取が考えられます」とコメントしています。
クエン酸はカルシウムなどのミネラルとの相性が抜群。カルシウムを多く含む乳製品などと一緒にレモンを取り入れると効果的です。
塩分を控えてレモンの酸味で「減塩効果」
レモンの酸味は塩味を引き立てるので、塩分を控えても満足度が高くなります。そのため塩分が気になりがちな方にレモンはおすすめです。
例えばほうれん草のおひたしなら、しょうゆの量を控えてレモンを加えると、塩味をより感じることができ、おいしく減塩できます。
レモンは血圧値を低くする?その理由は2つ
1.レモンの皮と果汁に含まれる成分が関係
飯田先生が実施した島民を対象にした健康調査によると、レモンを定期的に摂取している方の方が最高血圧が低く抑えられていることがわかりました。
飯田先生は「レモンが血圧を下げる理由は皮に含まれるレモンポリフェノールと、果汁に含まれるレモンフラボノイドが関係しています。高血圧自然発症ラットを用いた研究でも、レモン果汁やレモンフラボノイド類が血圧に影響を及ぼす可能性が示唆されています」とコメントしています。
2.減塩効果が血圧を下げるのに役立つ
塩味を引き立てるため、減塩につなげることができる酸味。
減塩外来の渡辺尚彦先生は島民の皆さんについてこう話します。「普段からレモンを料理に取り入れる中で自然と少ない塩分でおいしいと感じる味覚ができているのではないでしょうか。レモンのさわやかな酸味や香りは、和洋中どんな料理にも合わせやすく、レモンは1年中簡単に手に入れることができます」
また渡辺先生は患者さんにも取り入れていると言います。
「血圧を下げるために無理なく簡単に減塩生活ができるという点で、減塩外来ではレモン果汁を食事に取り入れることを指導しています」とコメント。
レモン果汁などでクエン酸をお手軽に普段の食事に賢く取り入れてみてはいかがでしょうか?
(つやプラ編集部)
【飯田忠行(いいだ ただゆき)先生 プロフィール】
先進レモン効果研究の専門家、県立広島大学保健福祉学部 理学療法学科 教授/レモン健康科学プロジェクト研究センター長/博士(医学)・県立広島大学保健福祉学部理学療法学科 教授。レモン健康科学プロジェクト研究センター長も兼任し、広島県戦略作物であるレモンの効果検証を行っている。専門は応用健康科学、地域健康疫学、公衆衛生学、老年医学。
【渡辺尚彦(わたなべ よしひこ) 先生 プロフィール】
高血圧学会減塩協力委員、聖光ヶ丘病院 顧問 減塩外来 担当医。日本歯科大学病院 内科 臨床教授。早稲田大学スポーツ科学学術院 客員教授。愛知医科大学病院 睡眠科 客員教授。東京女子医科大学医学部 元教授(東医療センター内科)高血圧などの循環器病が専門。1987年8月から現在に至るまで、連続携帯型血圧計を装着し、24時間血圧を測定している
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