涼しくなるのと同時に空気が乾燥し、肌が乾いてきたと実感のある人も多いと思います。また、特に何か特別なことをした覚えはないのに、肌荒れやニキビができて悩む人が増える時期でもあります。
その理由に、「秋のゆらぎ肌」が考えられます。
一昔前より寒暖差や湿度の差の高低差が激しく、季節の変わり目はより肌がゆらぎやすくなっています。
美容エディター&ライターの筆者が、皮膚科専門医の亀山孝一郎先生に、ゆらぎ肌について伺いました。あわせて、アラフォー女性のゆらぎ肌をやさしくケアするスキンケアを5つご紹介します。
■秋のゆらぎ肌は、肌が“風邪を引いているような”状態
「ゆらぎ肌」といえば、以前は主に冬から春への季節の変わり目に起きる状態を指していましたが、最近では夏から秋へと変わる時期にも肌がゆらぐ人が多くなっています。皮膚科専門医の亀山孝一郎先生にその理由を伺いました。
亀山先生は、「残暑がひと段落すると体調を崩す人が増えますが、肌も同じです。急激に気温が低下することで肌や身体にストレスがかかり、乾燥や肌荒れ、毛穴の開きやニキビなどの不調が起こりやすくなるのです。秋口の“肌風邪”ともいえるような状態ですね」とおっしゃっています。
■肌がゆらぐ主な原因は、「ミトコンドリア」の変性
ストレスがかかると、なぜ肌がゆらいでしまうのでしょうか。
「ストレスをうけると脳の中で炎症が起き、皮脂分泌を増加させるホルモンを分泌させたり、活性酸素を大量発生させてしまいます。その活性酸素がミトコンドリアのDNAを変性させ、さらに多くの活性酸素を生んでしまうという悪循環に入ってしまいます。つまり、“ミトコンドリアの機能不全”が、ゆらぎ肌の大きな原因のひとつなのです」と、亀山先生はおっしゃています。
活性酸素はご存知の通り、“酸化”して肌細胞にダメージを与えます。さらには、黄ぐすみやゴワつきの大きな原因となる“糖化”を引き起こします。
活性酸素を増やさないようにしミトコンドリアを元気にするためには、「ビタミン類」が最適です。特に、「ビタミンA」「ビタミンB」「ビタミンC」をサプリメントで補給したり、ビタミン剤配合のスキンケアでお手入れすることも有効なのだそうです。
■アラフォー女性は、急な肌荒れを起こしやすい!?
アラフォー女性は、女性ホルモンの分泌バランスが今までとは大きく変わり始める年代です。身体が不安定になっているところに、さらに気温の低下というストレスが加わり、過去には経験したことのない肌荒れを起こし悩む人も増える年代です。
また、「私は敏感肌だ」と思っている人も、年々増加する傾向にあります。
物心ついてからずっと敏感肌の人は、肌荒れした際の対処の仕方を心得ていることが多いでしょう。ですが、メイクを落とさず眠っても、どんな製品を使ってもひどく肌荒れしたことのなかった丈夫な肌の人は、急な肌荒れに慌ててしまうと思います。
急な肌荒れには、大人の敏感肌用のスキンケアを
急な肌荒れが起きた時、まずは皮膚科で診てもらうのが大前提ですが、自宅でのケアも見直しましょう。
気温の低下というストレスがかかったことで、活性酸素が増えて肌のバリア機能が崩れ、そこに刺激が加わって肌荒れを起こしていることがほとんどなので、バリア機能を回復させることが必要なのです。
スクラブや拭きとりタイプの角質ケアなどの物理的に刺激が強いスキンケアは、さらにバリア機能を崩す可能性が高いのでひとまずお休みし、敏感肌のためのスキンケア製品に切り替えてみましょう。
■アラフォー女性におすすめ!ゆらぎ肌をやさしくケアするアイテム5選
今年の秋は、大人の敏感肌のためのスキンケア製品がいくつもラインで登場しています。刺激が少なく肌を守りながらバリア機能を正常な状態に整えていく、おすすめのスキンケアをご紹介します。
(1)ケイコンセントレートオイル プラス/ドクターケイ
ゆらぎ肌やニキビケア治療に定評のある皮膚科医開発のスキンケアです。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEをバランスよくブレンドした独自成分「カクテルビタミンリペア」が、不調に傾きやすいゆらぎ肌を整えてくれます。また、ケーパー果実エキスなど5種のボタニカル成分を配合し、ビタミンと一緒に肌ストレスや微弱な炎症に立ち向かいます。
オイルといってもかなりサラッとしたテクスチャーなので、浸透も速く、肌を柔らかく整えていきます。毛穴の開きやゴワつき、頬のカサつきや赤味など、今までになかった肌荒れに悩むアラフォー以上の年代の女性に向いています。
(30ml 税抜価格10,000円 ドクターケイ)
(2)保湿ミスト/ドゥーエ
乾燥や刺激に弱い敏感肌のために考えられた、低刺激処方のスキンケアシリーズのアイテムで、霧島山麓の関平鉱泉水に「キシリトール」を配合したスプレータイプの化粧水です。
長年の研究と実験により、キシリトールがバリア機能の回復を大きく助ける働きを持つことを確認し、“うるおいバリアサポート成分”として配合しています。ミストがかなりキメ細かく、気持ちの良いスプレーです。
筆者の身内でアトピー性皮膚炎の出やすい人が試したところ、夏に顔や身体のかゆみの出やすい部分で通常よりかゆみが出ず、肌の状態もよかったそうです。また筆者も、かゆみが出たり肌のキメが乱れて調子の悪い時にこちらのアイテムを使ってみたところ、かなり落ち着いたように感じました。
画像左(180g 税抜価格1,800円 資生堂薬品)
画像右(携帯 50g 税抜価格700円 資生堂薬品)
(3)エクスバリア リペア ゲル AL/ドクターフィルコスメティクス
「敏感肌だ」と感じている人の肌はバリア機能不全を起こしている“弱バリア状態”という前提のもと、バリア機能を根本から修復していくために開発されたシリーズです。
九州の一部にしか生息しない水前寺海苔から採れる、「サクラン」という保水力の高い天然高分子が配合され、肌の上に疑似バリア膜を形成する湿潤療法の発想で、肌を守りながら強化していくのが特徴です。
この美容液ゲルは、サクランだけではなく「セラミド類似ポリマー」などの成分が水分蒸散を防ぎ、角層のバリア層の細胞間脂質をしっかり補ってくれます。
プルプルとしたゲルの使い心地が気持ちよく、乾かない心地よさを体感できます。使いつづけていくうちに、肌全体の調子が上がってくる実感があります。乾燥の激しい地域や季節には、シリーズでの使用もおすすめです。
(50g 税抜価格4,000円 ドクターフィルコスメティクス)
(4)L&W ウォッシングフォーム(医薬部外品)/ノブ
刺激に敏感な肌のための洗顔料です。肌がゆらいだ時は、刺激が少なくうるおいを守りながら洗える洗顔料がベターですが、この洗顔料には「スクワラン」や「ヒアルロン酸」などのうるおい成分が贅沢に配合されているので、乾燥が進んでくる秋のゆらぎ肌にとてもおすすめです。
また、泡の質も優秀です。手にとるとフワフワとして柔らかく、肌に乗せるとすぐにへたらずに肌との間でクッションの役割をしてくれます。洗い上がりはつっぱらず、汚れが落ちたさっぱり感もある気持ち良い使い心地です。
(200ml 税抜価格3,500円 常盤薬品工業)
(5)コラージュリペアローションRR(とてもしっとり)薬用保湿化粧水(医薬部外品)/コラージュ
肌あれ防止成分の「トラネキサム酸」が肌の中にある“肌荒れ伝達物質”にアプローチし、うるおい成分の「浸透型セラミド」などの保湿成分とともに働いて、肌荒れが起こる前に先回りしてケアをします。
化粧水は「しっとり」と「とてもしっとり」の2タイプがあります。写真の「とてもしっとり」は、塗った直後に多少ペタペタする感触がありますが、しっかり内側からうるおっている実感があります。肌荒れを起こして肌表面がガタついていても、しっかり浸透してくれます。
また、朝のスキンケアに使用していたところ、ファンデがムラなくぴたっと密着し、その日一日中メイクが崩れませんでした。
(150ml 税抜価格2,700円 持田ヘルスケア)
今まで丈夫な肌だと思っていても、急に肌荒れを起こすことがあります。そんな時に慌てないように、ご紹介したようなアイテムを持っておくと心強いですね。
(美容エディター&ライター 斎藤真知子)
【亀山孝一郎先生 プロフィール】
青山ヒフ科クリニック院長・皮膚科専門医・医学博士・ドクターケイ開発者。ビタミン療法のパイオニアであり、ニキビ治療においては男女問わず頼りにされている。ゆらぎ肌、敏感肌にも科学的にアプローチ。常に最先端研究に臨み、自身も施術を体験しながらの説明が患者から信頼されている。
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【参考】
※ケイコンセントレートオイル プラス – ドクターケイ
※ドゥーエ 保湿ミスト – 資生堂薬品
※エクスバリア リペア ゲル AL – ドクターフィルコスメティクス
※L&W ウォッシングフォーム(医薬部外品) – ノブ
※コラージュリペアローションRR(とてもしっとり)薬用保湿化粧水(医薬部外品) – 持田ヘルスケア