冬に「手足が冷たい」と末端冷え性に悩んでいる方も多いのではないでしょうか? 冷え対策をしているのに末端はいつも冷えているという方は、もしかすると何気ない行動が末端の冷えに関係しているかもしれません。
薬膳のプロである筆者が、末端が冷えやすい10のNG行動をご紹介します。
■末端が冷えやすい10のNG行動
(1)ビールをよく飲む
ビールは身体をとても冷やす「寒性(かんせい)」というグループに分類されるほど、身体を冷やしてしまう飲み物です。さらに、冷たい飲み物は胃の働きの低下にもつながり、熱を生み出す力が弱まってしまうと薬膳のベースになっている中医学では考えられています。
「ビールは暑い季節に楽しむもの」と決めて、冬はお付き合い程度に楽しむようにしましょう。その際も、温かいお料理と一緒に飲むようにしてください。
(2)スマートフォンやパソコンなどで目を使うことが多い
スマートフォンやパソコンなどで目を使いすぎると、「血(けつ)」を減らしてしまうと中医学の世界ではいわれています。血は全身に栄養を運ぶ働きをしていますが、血が減ってしまうと栄養が全身のすみずみまでいきわたりずらくなってしまうため、手足が冷える原因につながってしまいます。
「トイレに立った時に目をつぶって頭を空っぽにする」「お昼休憩の時は目をつぶって休む」など意識をして目を休めましょう。
(3)寝る時間が24時を超えている
全身を温かく保つためには「気・血(き・けつ)」が充実していることが重要であると、中医学の世界ではいわれています。寝不足の次の日は顔色が悪かったり、力が出ないなどと感じることがあると思いますが、これが気・血不足のサインです。
冬は特に気・血が減りやすい季節ですので、早く寝てゆっくり起きることが理想的です。冬は24時前に眠るように意識をしましょう。
(4)運動習慣がない
身体を動かすことは、熱を生み出すことができるといわれています。いくら食事に気を遣っていても、運動習慣がないと冷えにくい身体をつくることはむずかしいです。
ランニングなどの激しい運動をしなくてもOKです。冬は足腰を動かす運動をするといいといわれていますので、ウォーキングがおすすめです。
ゴミ出しのついでに散歩をするなど、「いつもより歩いてみよう!」と心がけることから始めてみましょう。
(5)肉や米を食べない
身体が冷えやすい方に食事内容をお伺いすると、体形を気にして肉や米を抜いていることが多いのが気になります。米や肉には身体を温めて元気に動かす働きがあるため、食べないと栄養がすみずみまでいきわたりにくく、手足が冷える原因につながります。
体形が気になる場合は、朝や昼に肉と米を食べ、夜は野菜を中心にしたメニューにすると胃袋にもやさしくヘルシーです。冷えが気になる方は、まずは米と肉を食べる習慣をつけましょう。
(6)油っこいもの、辛いものが好き
油っこいものや辛いものが好きな方は、胃腸系システムである「脾(ひ)」が弱りやすくなってしまいます。脾は身体を温めるもとになっている「気・血」をつくりだす製造工場ですので、弱ってしまうと十分な量の気・血をつくりだせず、冷えにつながってしまいます。
揚げ物や辛いものはたまにの贅沢にして、普段は「煮る」「ゆでる」「蒸す」調理法が理想的です。
(7)オーバーワーク気味
「働きすぎて休む時間がない」「仕事やプライベートが忙しくて予定がパンパン」という方は、身体を休める時間が少なく、身体を温める「気」が減ってしまいます。
仕事は調整がむずかしいかもしれませんが、プライベートでは予定を少し減らして家でゆっくり休む時間をつくりましょう。
特に、冬は寒くて気が減りやすい季節ですので、家で楽しめることをたくさん見つけてみてください。
(8)ストレスを暴飲暴食で発散
ストレスがたまると、気の巡りが悪くなり「気滞(きたい)」という状態になりやすいです。気の巡りが悪くなることで全身に栄養がいきわたりづらく、手足の冷えにつながってしまいます。
自身が「楽しい・なんだか気分がいい」と思えるものを持ち、ストレスを感じたら楽しいことに没頭して気の巡りを良くしましょう。とはいえ、暴飲暴食をしてストレスを発散させるという行動は逆効果ですので、食べ過ぎには気をつけてください。
(9)お腹いっぱいまで食べてしまう
美味しいものをお腹腹いっぱいまで食べることは幸せですが、胃腸に負担がかかっている場合があります。胃腸に負担がかかると「気・血」をつくりだすことがむずかしく、末端まで栄養をいきわたらせずらくなってしまうため冷えにつながってしまいます。
「まだ食べれらるかも」というところで食事を終えて、胃を休める時間をつくりましょう。
(10)同じ姿勢で過ごすことが多い
デスクワークなどで同じ姿勢を長時間つづけると、「血」の巡りが悪くなってしまいます。血の巡りが悪くなると末端まで栄養がいきわたりづらく、冷えにつながってしまいます。
特に、血が減ってくる午後からは、冷えを感じやすくなります。「1時間に1回はトイレに立つ」「お茶を入れる」「身体を伸ばす」などをして、身体を少しでも動かすクセをつけていきましょう。
いくつあてはまる項目があったでしょうか。何気ないその行動がつらい冷えにつながっているかもしれません。あてはまる行動が見つかったら、1つでもいいので行動を変える意識をしてみてくださいね。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口ゆうみ)
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