近年、注目が高まっている良質オイル。アマニ油やえごま油に含まれる「オメガ3系脂肪酸」のように、私たちの身体に必要で食べものから摂るべきオイルを、食生活に取り入れる方が増えてきましたね。
オメガ3系脂肪酸のほか、もう一つ注目されているのが「中鎖脂肪酸」です。中鎖脂肪酸はココナッツオイルなどに含まれる成分です。この中鎖脂肪酸100%のオイルが「MCTオイル」です。
中鎖脂肪酸は、上手に食生活に取り入れることで、体脂肪の蓄積の予防や疲れにくい身体づくりなどをサポートし、私たちの健康に役立つオイルとして注目されています。健康と美容に役立つ食スタイルを提案して16年の美養フードクリエイターである筆者が、MCTオイルのメリットをご紹介します。
■MCTオイルって何?
一般的なオイルに含まれる脂肪酸は、長鎖脂肪酸といって、分子の連結が長い脂肪酸です。
これに対し、ココナッツオイルなどに含まれる脂肪酸は、中鎖脂肪酸と呼ばれ、連結の短い脂肪酸です。分子の連結が短いことで、一般的な脂肪酸と代謝経路が異なり、素早く身体に吸収され、エネルギーとして働くことが知られています。
この中鎖脂肪酸しか含まないオイルがMCTオイルです。
■MCTオイルのすごいところ3つ
(1)吸収が早い
一般的な脂肪酸は、その他の栄養と同じく消化吸収という経路をたどります。しかし、MCTオイルの主成分である中鎖脂肪酸は、消化を必要とせず直接肝臓に運ばれます。そのため、一般的なオイルの4倍の速さで身体に吸収され、肝臓で代謝されて、ケトン体というエネルギー源を作り出します。
そのため、スポーツをする際の持久力の向上など、身体のエネルギー源となって疲れにくい身体づくりに役立ちます。
(2)体脂肪の蓄積を予防
良質のオイルであっても、摂りすぎたエネルギーは脂肪として身体に蓄積されやすくなります。
MCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、4倍の速さで身体に吸収されて優先的にエネルギー源として使用されます。そのため、MCTオイルは脂肪として蓄積されにくいオイルと言えます。
それだけでなく、中鎖脂肪酸を摂ることで、すでに身体に蓄積された脂肪も分解されやすい身体になるそうです。ダイエットが気になる方は、今使っているオイルをMCTオイルに代えるだけで、ダイエットのサポートとなります。
(3)酸化しにくい
アマニ油やえごま油などのオメガ3系オイルは、酸化しやすく熱に弱いのが特徴です。そのため、開封後は冷蔵庫に保存して早く使い切ることが推奨されています。
一方、中鎖脂肪酸は酸化しにくいため、開封後も常温で保存でき、高温でなければ加熱調理にも使うことができます。
どんなに質の良いオイルであっても、酸化したオイルを摂ることは身体によいことではありません。加熱にも使えて酸化しにくく、また無味無臭に近いMCTオイルなら、毎日の食生活に取り入れやすいですね。
私たちの身体の健康に欠かせないオイル。ダイエットが気になる方、疲れやすさを感じている方は、今つかっているオイルをMCTオイルに置き換えてみてはいかがでしょうか。
(美養フードクリエイター・中医薬膳師 岩田まなみ)
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