缶詰のなかでもアレンジがしやすく、手軽に使える「ツナ缶」。ツナ缶だけで一日に必要な栄養素を摂取するのはむずかしいのですが、たんぱく質やオメガ3脂肪酸などの栄養素が含まれているため、食事の“+α”としては優秀な食材です。
管理栄養士の筆者が、健康と美容を意識したツナ缶の選び方と食べ方をご紹介します。
■ツナの栄養
魚が原材料のツナ缶には「たんぱく質」が含まれています。たんぱく質は筋肉維持のために必要ですし、肌や髪などの材料となる栄養素です。
年齢を重ねるにつれ代謝が悪くなったり、筋肉量が落ちやすいため、ツナ缶を利用してたんぱく質不足を回避しましょう。
ストレス緩和・免疫力UP!?
ツナ缶には「DHA」や「EPA」といったオメガ3脂肪酸が含まれています。DHAは記憶力をUPさせたりストレスをやわらげる働きがあり、EPAは免疫力を高める働きがあるといわれています。
また、いずれも血液をサラサラにする働きがあります。血流を良くすることで、肌のくすみ解消や肌のターンオーバーを整えるサポートも期待できます。
■健康と美容を意識したツナ缶の選び方
ツナ缶は「ビンナガマグロ(ホワイトミート)」「キハダマグロ(ライトミート)」「カツオ」などの原材料が主流です。このなかでも、ビンナガマグロはDHA・EPAともに多く含まれているため、美容や健康のサポートにおすすめです。
また、ツナ缶は「油漬けタイプ」と「水煮(ノンオイル)タイプ」があります。油漬けタイプはコクがあり、水煮タイプは油の代わりに野菜などのエキスを使用しているためあっさりとしています。
たんぱく質量については、ツナ缶の原材料・調理法で大きな差はありません(可食部100gあたりたんぱく質16.0g~19.0gほど)。筋力UPや美肌作りでたんぱく質補給のためにツナ缶を利用する際は、お好みのツナ缶を選ぶと良いでしょう。
脂質やカロリーを抑えつつ栄養価が高いのは「ビンナガマグロの水煮タイプ」といえます。油漬けタイプでも、最近はオリーブオイルや亜麻仁油を使って漬けているものもあるので、商品を購入する際はぜひ食品表示を確認してみてくださいね。
■ツナ缶の栄養素を効率良くとる食べ方
DHA・EPAは調理の工程で煮汁や揚げ油などに逃げてしまうため、以下の方法がおすすめです。
・炊き込みご飯に入れる
・餃子のたねにする
・煮汁をまるごとスープに入れる
・オリーブオイル漬け・亜麻仁油漬けのツナ缶は、サラダにオイルもかける
このような工夫で、栄養素を効率良く摂取することができます。また、ツナ缶には「鉄分」も含まれているため、鉄分の吸収率UPのために「ビタミンC」を含む食材と組み合わせることもおすすめです。
サラダにツナを使う場合は、パセリを加えたりレモン果汁を回し入れたりしましょう。野菜では、ほうれん草やブロッコリー、じゃがいも等にビタミンCが多く、ツナとも味の相性が良いです。
ツナ缶は、日頃の食事にたんぱく質をちょい足しするのに非常に便利です。ぜひ、活用してください。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
【関連記事】
・痩せるどころかむくみボディに?「水分のNG摂取法」3つ
・パンを食べても太らない?一緒に摂るべき食材4つ
・ゴールドキウイが40・50代の老け対策になるワケ&かしこい食べ方
・「おにぎり&スープ」で太る!?ランチ選びの落とし穴3つ
【参考】
※食品成分データベース
※DHA(ドコサヘキサエン酸) – わかさ生活
※EPA(エイコサペンタエン酸) – わかさ生活
※ツナ缶の基礎知識 – いなば食品