健康のために腸活を意識している方も多いではないでしょうか。実は、薬膳の世界での「腸活」は現代栄養の腸活とは少し異なります。しかし、薬膳の世界でも胃腸を大事にすることは健康や美容においての基本となります。
ずぼらだけど薬膳のプロである筆者が、薬膳的腸活とおすすめ食材をご紹介します。
■薬膳的「腸活」とは
薬膳の世界では「脾(ひ)」という胃腸系システムを整えることが、現代の腸活に結びつくポイントです。
脾は食べた物を栄養に変えて全身に届ける働きをしていますので、脾が弱ると食べた物が十分に栄養にかえられません。食材の栄養を最大限にとり入れるために、脾を普段から労わりましょう。
また、脾は思い悩む感情とつながっていると中医学では考えるため、脾が弱ると気持ちもゆらぎやすくなります。メンタルケアのためにも脾を労わることが大切です。
■薬膳的「腸活に必要な食材」
脾を労わる食材のことを「健脾(けんぴ)食材」といいますが、健脾食材に必要なのは以下の3つです。
(1)米
健康のために玄米を食べているという方も多いかもしれませんが、胃腸を労わるのであれば「白米」がおすすめです。玄米は消化が悪く脾の負担になると考えますので、もし玄米を食べる場合は、お粥にすると消化が良くなります。
主食をパンやパスタから米に変えるだけでも脾を労わることにつながりますので、まずは朝食を見直してみてはいかがでしょうか。
(2)イモ類
太るイメージがある「イモ類」は、実は薬膳のなかでは優秀な食材です。脾を労わり活動の源となる「気(き)」を補うので、日々とり入れていただきたい食材のひとつ。
筆者のおすすめは「山芋」。味噌汁に入れたり肉と焼いたり、もちろんとろろご飯でも良いでしょう。とろろご飯は脾を整える素晴らしい組み合わせです。
(3)豆類
納豆、味噌、豆乳などの「豆類」も脾を整える食材です。ですから、納豆ご飯も脾を労わる素晴らしい一品です。そこに、山芋入りの味噌汁が加われば、まさに脾を労わる朝食の完成です。
豆料理に挑戦したいけれど茹でるのが手間と思う方は、パウチ状のものを活用しましょう。いつものサラダやスープに入れることから始めてみましょう。
薬膳的「腸活」といっても、手に入りにくい食材を使うわけではありません。ぜひ、米・イモ類・豆類を生活のなかにとり入れて脾を労わることを意識してみてくださいね。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)
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