歳を重ねると少しずつ失われていく「肌のハリ」。年齢だから仕方ないと諦める前に、食習慣を見直してみませんか? 薬膳の世界では食習慣が肌のたるみに影響するといわれていて、特に梅雨時期は食習慣を意識しないと肌がたるみやすくなります。
ずぼらだけど国際薬膳調理師である筆者が、梅雨時期にさけたいNG習慣を3つご紹介します。
■梅雨時期に肌がたるみやすくなる理由
薬膳のベースの考えになっている中医学(中国伝統医学)では、胃腸系システムである「脾(ひ)」という臓腑を労わることが肌のたるみ予防につながると考えます。なぜなら、この脾でつくる「気(き)」が、内臓や筋肉を持ち上げる働きをしているからです。
脾は食べた物を栄養に変えて全身に届ける働きをしていますが、気もこの脾で作られます。なので、脾が弱くなると気を作る力が弱まるため、肌のたるみにつながるということです。
特に、梅雨時期は脾が弱りやすい時期ですので、いつも以上に脾のケアが必要です。中医学では季節と臓腑が密接に関わっていて、脾は湿気を苦手とすることから梅雨時期に弱りやすいと考えられています。
■肌がたるみやすくなるNG習慣3つ
ハリのある肌を育むために脾の働きを健やかにすることが必要ですが、まずは脾に負担となるNG習慣を見直してみましょう。
(1)冷たい水をたくさん飲む
「毎日2リットルの水を飲みましょう」という情報を聞いて、無理をして冷たい水をたくさん飲んではいませんか? 中医学では水分の過剰摂取や冷たいものは脾の働きが弱ると考えるため、たるみの原因にもつながると考えます。
脾は梅雨時期こそ弱りやすいため、この時期は特に冷たい水をたくさん飲むことはおすすめできません。もし、お腹がちゃぽちゃぽしたり、身体の重だるさを感じるのであれば、水分摂取量が多いのかもしれません。なので、飲む量を今より少し減らしてみましょう。
また、「常温の水ならいいのでは?」と思いがちですが、体温より低いものはすべて冷たいものと考えますので控えたいところ。タンブラーに白湯を入れて持ち歩くと、温かい飲み物を飲む習慣ができるので試してみてください。
(2)生野菜サラダを食べる
冷たい食べ物は、脾が弱る大きな要因となります。生野菜サラダは健康にいいイメージですが、使用する食材であるレタス、トマト、きゅうり、わかめなどは身体を冷やすものが多いです。また、食材が冷たいため、生野菜サラダには脾が弱る要因が2つ重なっています。
1年を通して野菜は加熱していただくことが理想なので、梅雨時期は生野菜サラダを極力食べないように心がけましょう。「味噌汁」「スープ」「ホットサラダ」で野菜をたっぷりと食べてください。
(3)ご褒美時間のコンビニスイーツ&冷たいカフェラテ
脾は、砂糖や乳製品にも弱いです。ですから、コンビニなどで手軽に買える冷たいコンビニスイーツや冷たいカフェラテを梅雨時期に飲食することは、肌のたるみにつながると考えます。
もし甘いものが食べたい場合は、「甘栗」や「さつまいも」などの素材そのままのおやつがおすすめです。
天然の甘さがあるおやつは、脾の働きを高めてくれます。今はコンビニなどでも手軽に買えるので、梅雨時期の楽しみの1つにしてみてください。
毎日の食生活でほんの少し意識するだけで、肌のたるみ予防につながります。梅雨時期はこの3つの食習慣をさけることを意識してみてくださいね。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)
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【参考】
※日本中医食養学会/著(2006年)『現代の食卓に生かす食物性味表 改訂2版』燎原書店※櫻井大典/著(2018年)『ミドリ薬品漢方堂のまいにち漢方』ナツメ社