40・50代になると、「ダイエットしてもなかなか体重が落ちなくなった」と感じる人が増えてくると思います。焦って、無茶なダイエットで自分を追い込んでしまいがち。しかし、無茶なダイエットをするとリバウンドをするばかりか、肌や髪の状態を悪化させ、体型を余計に崩していまいます。
焦らずにダイエットを進めるためには、毎日の体重測定の他にウエストサイズを測っておくことをおすすめします。ウエストサイズを測りながらダイエットをすることで、ダイエットが正しくできているのかを判断しながら、焦らずに進めることができます。
女性の体型改善の専門家であるパーソナルトレーナーの筆者が、ダイエット中にウエストサイズを測るべき理由と、なぜ体重のチェックだけではだめなのかについて、実例を交えて解説していきます。
■ウエストサイズを測るべき理由
脂肪が落ちても体重が落ちないことがある
ダイエット中にウエストサイズを測ることを強くおすすめする理由は、脂肪が落ちていても体重が落ちないことがあるからです。
なぜなら、脂肪が分解される過程で体内で水が発生し、それがしばらく体に留まり続けるからです。
脂肪は体内で代謝され分解されると、エネルギーや二酸化炭素などの他に水が発生します。この水はすぐに体外に排出されずに、むくみなどとして体の中に留まり続けます。
つまり、脂肪が分解されたとしても水分が排出されないと体重はほとんど落ちません。ですから、一生懸命ダイエットを行っていてもなかなか体重が落ちないことがあるのです。
脂肪が落ちていればウエストサイズは落ちる
体重が落ちていなくても、脂肪が落ちていると、ウエストサイズは落ちます。
なぜなら、同じ重量でも脂肪は水よりもサイズが大きいからです。
水1kgの体積は1立方メートル。一方で、体脂肪1kgの体積は約1.11立方メートルです。約1割の差があります。
つまり、同じ重量でも、水の方が脂肪よりも約1割サイズが小さいのです。ですから、体内に水分が溜まっていると脂肪が落ちても体重は落ちませんが、ウエストサイズは落ちるのです。
その後、時間がたつと水分は排出され、後から体重も落ちることになります。
■ウエストが落ちた後に体重が落ちた実例
ウエストサイズは-7cmでも、体重は-1.6kg
私のオンラインダイエットコーチングを受けていただいた方の実例を挙げます。
対象者は女性で、年齢が50歳前後の方です。
身長は158cmで、体重はスタート時点で57.6kg。ウエストサイズは86cmでした。
その後、4週間のコーチングを行った後の体重は56kgと、マイナス1.6kg程度でした。
一方でウエストサイズは79cmと、マイナス7cmでした。
かなり大きな差ですよね。これが4週間ダイエットを行った成果でした。
ウエストサイズが落ちた後に体重が落ちてくる
一方で、注目して欲しいのが5日目から21日目までの変化です。
グラフを見ての通り、体重はほとんど落ちていません。
しかしウエストサイズは、5日目の時点で89.0cm、11日目は84.0cm、18日目で81.0cmと、徐々に落ちています。
つまり、体重の変化のない期間も、ウエストサイズは明らかに落ちていました。
ご本人からも、腰まわりのお肉がハッキリと少なくなったという感想を聞きました。
25日目から急激に体重が落ちる
25日目以降の体重の変化も、参考に掲載します。
この方の場合、25日目以降から明らかに体重が落ちました。
56.0kgから2週間で55.3kgまで落ちました。
一度、お通じが悪くなり56.7kgまで増えています。しかし、それは一時的でした。
その後体重は急降下し、25日以前よりも低い水準になっています。
このように、「ウエストサイズが落ちた後に体重が落ちる」という好例でしたので、ご紹介させていただきました。
■体重が落ちず不安なときにはウエストサイズを測ろう
体重だけで判断すると、今のダイエット方法は効果がないと判断してしまう可能性があります。
それをウエストサイズを一緒に測定することで、上手くいっているかどうかが判断しやすくなるのです。
体重が落ちていない場合でも、ウエストサイズが落ちていれば安心してダイエットを進めることができます。
ダイエット中に必ず停滞期がきます。そして、そこで心が折れてしまう方が多いと思います。この方も、体重が落ちないときは不安そうでした。しかし、ウエストサイズが落ちていることがわかると、「かなり安心した」とおっしゃっていました。
ですから、ウエストサイズを測ることで相当な安心感を得ることができます。
■ウエストサイズの測り方
おへそまわりを水平に測る
ウエストサイズを測るときは、メジャーをおへそに当てて水平に回したサイズを測りましょう。
なぜなら、最も基準がはっきりしているからです。
最も細いところを測っても良いのですが、多少のズレが出てきてしまいます。しかし、おへそであれば基準が一定しており、信頼性のあるデータがとれます。
ですから、基本的におへそまわりを水平に測るようにしましょう。
朝に起きて、トイレに行った後に測る
測るタイミングは、朝起きてトイレにいった直後に測りましょう。
ウエストサイズは、お腹の中にたまっているものに影響されます。その影響を最小限にするために、何も食べていない状態で、お腹の中のものを出した後に測りましょう。
測るのは週に1回
ウエストサイズの測定は週に1回程度にしましょう。
体重と違って、ウエストサイズは日々あまり変化しません。毎日測っても、数字に何も変化がないことが多いでしょう。それが続くと、モチベーションの低下につながってしまいます。
ですから、基本的に週に1回程度を目安に、ウエストサイズを測ると良いでしょう。
ダイエットでは、必ず停滞期が訪れます。停滞期になると、今の方法が正しいのか思い悩みがちです。しかし、ウエストサイズを測ることで正しくダイエットができているのか判断できます。
思い悩むと無茶なダイエットに走りがちですが、健康的で無理のないダイエットをするためにも、体重+ウエストサイズを測りながらダイエットを行いましょう。
(パーソナルトレーナー 藤本 千晶)
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