代謝や美容のために、毎日2Lの水分摂取が良いとはよく聞く話ですが、実際に飲むとなるとかなり大変……。「そもそも本当に2Lも摂る必要あるの?」と疑問に思いますよね。
女性の体型改善専門パーソナルトレーナーの筆者が、どれくらい水分を摂ればいいのか、そして老けない水分補給はどのようにしたら良いのかについて詳しく解説します。
■十分といえる水分摂取量は?
確かに代謝に水分は必要不可欠で、健康的で若々しい体を保つためには十分に水分を摂る必要があります。
しかし結論からいうと、飲んで摂る水分は1.5L程度で良いでしょう。これくらいで排出された水分量をカバーできるからです。
厚生労働省によると、生活活動レベルの低い人が1日に必要とする水分量は2.3〜2.5L。これだけみると2Lでは足りないと思うかもしれません。
しかし水分は液体からのみでなく、固体である食品からも摂取しています。例えば、ごはんは水分を多く含んだ代表的な食品。100g中60gが水分です。
そういった固体の食品から摂取する水分量は、1日に1,100g程度となります。
加えて、人は代謝の過程で体内で300g程度水分を作り出します。これも水分摂取量に加えます。
残りを液体から摂取すればよいので、1日に約0.9〜1.1Lの水分摂取量で十分に満たされます。
ですから、汗っかきなどで「自分は水分排出量が多いかも」という人を含めて、ほとんどの人は1.5L程度で足ります。
2L飲んでも特に問題ありませんが、ちょっと大変だなと思っている方は1.5L程度に抑えると楽になるでしょう。
■老けない水分補給のコツ
毎食と午前・午後の合間にコップ1杯半ずつ摂る
何より水分摂取量で大切なのはしっかりと量を摂ること。毎日1.5Lを安定的にとり続けることが大切です。
そのためにはどのタイミングでどれくらい摂るかをあらかじめ決めておくことが大切。
おすすめは、朝・昼・晩の食事の時+午前・午後の仕事の合間にコップ1杯半程度を飲むこと。トータルで1.5Lの水分が無理なくとれます。
一般的なコップ1杯の容量は200ml程度。1杯半で300mlになるので、これを5回に分けてとれば1.5Lが達成できます。
摂るべきタイミングとして無理がないのは食事の時と仕事の合間。食事の時は自然と水分を摂りますし、午前・午後にコップ一杯半飲むとノルマを課すことはさほど難しいことではありません。
習慣にするために、いつ・どれくらい摂るかを決めることはとても効果的ですから、ぜひ試してみてください。
アルコールは控えよう
アルコールで水分補給をすることはできるだけ控えましょう。利尿作用があり、摂取した水分以上に排出してしまうからです。
夜にはビールやハイボールなどを飲んでいる方も多いと思いますが、アルコールを水分摂取量にカウントすると、「脱水」状態に陥ってしまうことがあります。
アルコールは利尿作用により、10杯飲んだら11杯ぶんの水分が出ていくと考えられています。例えば、350mlの缶ビールを一本飲んだら、385ml分の水分が体から出ていってしまうことになります。
水分不足は体内の代謝を悪くし、老化を進めます。たまに飲むくらいなら問題ありませんが、できるだけ飲まない日を設けましょう。
基本はノンカロリー飲料がおすすめ
飲み物で水分を摂る場合は、ノンカロリー飲料でとることがおすすめです。飲料でカロリーを摂ると満腹感がなく、オーバーカロリーになり太ってしまう可能性があります。
飲料の特徴は満腹感のなさ。美味しいカフェラテやミルクティーなどはゴクゴク飲めてしまいますよね。しかし、糖質や脂質がある程度含まれているため、そこから多くのカロリーを摂ってしまいます。
カロリーの摂りすぎは太りすぎにつながります。体脂肪が増加すると肌もたれやすく見た目にも老けて見えてきます。そのため、体重管理をしっかりとする場合はノンカロリー飲料で水分を摂るようにしましょう。
できるだけ美味しい飲み物を飲む
水分摂取をするなら、ノンカロリーの飲み物でできるだけ美味しい飲み物を探しましょう。美味しいとたくさん飲みたくなり、自然と十分に水分を摂るからです。
続けるためには、なによりそれが美味しいことが大切。美味しいものは常にたくさん飲んでいたいものですから、それだけで習慣化につながります。
ノンカロリーであれば、飲むものは水でなくてもOK。ゼロカロリー炭酸でもなんでもOKです。
より美味しいものを探すのはとても楽しいものです。さまざまな飲み物を試して、自分に合ったものを探しましょう。
水分は、代謝を保つためには必要不可欠。毎日必要な量を摂取することで、健康で若い体を保ちやすくしてくれます。ついつい忘れてしまいがちな水分摂取ですが、いつ何をどれくらい飲むか決めると習慣化しやすくなります。しっかりと水分を摂って若々しい体をキープしましょう!
(パーソナルトレーナー 藤本 千晶)
【関連記事】
・知らない間に太る!?今すぐ変えたいNG生活習慣
・夜遅く食べても太らない!?40・50代の意外な食事のコツ
・痩せるために、朝やるべきこと6つ
・筋トレなしでお腹が凹む!?簡単お腹痩せマッサージ
【参考】
※日本人の食事摂取基準(2020年版)(PDF) – 厚生労働省
※「健康のため水を飲もう」推進運動 – 厚生労働省