身体の不調を感じやすい「更年期」。食事でインナーケアしたいところですが、毎日手の込んだ料理を作るのは大変ですよね。
管理栄養士の筆者が、更年期世代に必要な栄養素が摂取できる簡単な作り置きレシピをご紹介します。
■更年期世代に必要な栄養素
更年期には、女性ホルモンの急激な分泌量低下によって身体にさまざまな不調が現れます。
栄養素の代謝の変化により痩せにくくなったり、骨の代謝も変化しやすくなるため骨粗しょう症など骨の健康にも注意が必要です。また、貧血や冷えはどの世代の女性も悩みやすいですが、筋肉量の低下に伴ってより感じることがあります。
そのため、「カルシウム」や「ビタミンE」「イソフラボン」「鉄」などの栄養素を特に意識して摂取するのがおすすめです。
タンパク質も重要
「タンパク質」も意識して摂取するべき栄養素のひとつです。更年期に限ったことではありませんが、タンパク質は筋肉や肌などを作る材料ですので、美容や健康維持のために必要不可欠だといえます。
年齢とともに筋肉量は低下するため、基礎代謝が落ちて痩せにくくなります。ダイエットにもタンパク質が役立つため、しっかり摂取しましょう。
■3つの●●するだけ!作り置きレシピ
(1)「和える」だけ!鮭と切り干し大根のマヨあえ
鮭には「ビタミンD」が含まれており、「カルシウム」の吸収を助ける働きがあります。なので、カルシウムが豊富な切り干し大根と組み合わせて食べるのがおすすめ。
鮭の赤色色素である「アスタキサンチン」には強い抗酸化作用があるため、アンチエイジングにも役立ちます。
また、切り干し大根は生の大根に比べて約20倍ものカルシウムを含むため、効率よくカルシウムを摂取することができます。「食物繊維」も豊富なので、便秘解消&代謝UPにも良いでしょう。
材料(2人分)
・鮭の切り身(焼いたもの) 1/2尾
・切り干し大根 15g
・マヨネーズ 大さじ1
・焼きのり 適量
作り方
(1)切り干し大根は水で戻し、鮭は骨を取り除いてほぐしておきます。
(2)切り干し大根の水気をきって食べやすくカットし、鮭と和えます。
(3)マヨネーズで和えて、お好みの量の焼きのりをトッピングしたら完成です。
鮭フレークを使うと、さらに手軽に作ることができます。白ごまをトッピングすると、より風味が良くなりますよ。
(2)「煮る」だけ!かぼちゃの豆乳味噌スープ
かぼちゃには「ビタミンE」が豊富に含まれており、血流を良くする働きがあります。「βカロテン」や「食物繊維」も豊富なので、老化対策や便秘解消にも役立つ食材です。
豆乳には、肥満予防に役立つ「サポニン」や、更年期女性に嬉しい「イソフラボン」が多く含まれているため、積極的に摂りたいところ。「乳酸菌」や「イソフラボン」を含む味噌と組み合わせてスープにすると、豆乳が苦手な人でも飲みやすくなりますよ。
パンやご飯に合うため、作り置きしておくと便利なメニューです。ぜひ、試してみてください。
材料(2人分)
・かぼちゃ 150g
・玉ねぎ 1/4個
・しめじ 1/2袋
・味噌 大さじ2
・豆乳 150ml
・水 300ml
・コンソメ顆粒 小さじ1〜2
作り方
(1)かぼちゃは種とワタを取り除き、食べやすい大きさにカットします。玉ねぎは薄切りにし、しめじは手でほぐしておきます。
(2)鍋に水、コンソメ顆粒を入れて沸かし、(1)を入れて野菜類がやわらかくなるまで煮ます。
(3)火を止めて味噌を溶き入れたら、豆乳を加えます。
(4)再び火にかけて、弱火でフツフツとするまで煮たら完成です。
多めに作り置きをしておいて、カレー粉やキムチ、練りごまをプラスして味変するのもおすすめですよ。
(3)「炒める」だけ!牛肉、大豆、カレー炒め
女性に不足しやすい「鉄」は、吸収率が高い動物性食品から摂取するのがおすすめ。特に赤身肉に多く含まれているため、牛肉を使ったメニューをいただきましょう。
大豆には「イソフラボン」が豊富に含まれていますが、市販の大豆水煮を使うと手軽に大豆を摂取することができます。
材料(2人分)
・牛肉 200g
・酒 大さじ1
・大豆水煮 50g
・いんげん 50g
・生姜 1かけ
A
・ウスターソース 大さじ1
・すりおろしにんにく 小さじ1/2
・カレー粉 小さじ2
・塩、こしょう 少々
作り方
(1)いんげんの筋をとって食べやすい大きさにカットしたら耐熱容器に入れ、大さじ1の水を入れて600Wのレンジで2分加熱します。生姜は、みじん切りにしておきます。
(2)フライパンに油(分量外)をしいて、牛肉を炒めます。その時、酒を回し入れて炒めてください。
(3)肉の色が変わってきたら、大豆水煮と(1)を加えます。
(4)全ての材料に火が通ったら、Aの調味料を全て加えて完成です。
チーズをプラスするとマイルドな味になるため、味変としておすすめです。
作り置きメニューがあると忙しいときでもすぐに食事の用意ができるため、心にも余裕ができるかと思います。身近に入手できる材料で、更年期対策に役立つ栄養素を効率よく摂取できると良いですよね。トッピングを追加したり新たに食材を加えるなどして、味を変えながら作り置きメニューを楽しんでくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※更年期症状の対策・改善法 – 大塚製薬
※かぼちゃ – わかさ生活
※豆乳の栄養成分 – 日本豆乳協会
※サケ – わかさ生活
※大豆 – わかさ生活
※イソフラボン – わかさ生活