脂肪のなかでも「褐色脂肪細胞」が増えると、エネルギー消費量が増えて痩せやすくなるといわれています。
管理栄養士の筆者が、褐色脂肪細胞の働きや期待できる痩せ効果、活性化させる方法についてご紹介します。
■褐色脂肪細胞とは
脂肪細胞には「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」の2種類があります。
白色脂肪細胞は脂肪を貯蔵してエネルギーを蓄える役割がありますが、褐色脂肪細胞は脂肪を分解して燃やす働きがあります。そのため、減量を目指すのであれば褐色脂肪細胞が多い方が良いといえます。
褐色脂肪細胞は成人になるほど減少していき、増やすことはなかなかむずかしいのだそう。ただし、ポイントを押さえれば褐色脂肪細胞の活性化につながるため、ぜひ取り組んでみてくださいね。
■褐色脂肪細胞を活性化させる方法3つ
(1)運動
運動をすると特定のホルモンが分泌され、それらのホルモンが褐色脂肪細胞を増やしたり白色脂肪細胞に働きかけ、脂肪燃焼効果をもたらすのだそう。
水泳やヨガ、ジョギング、ストレッチなどをして、身体を動かす習慣をつけましょう。
(2)寒いところに出る
褐色脂肪細胞は、寒さを感じると体内の栄養素から熱を生み出すことが報告されています。そのため、寒い季節ほど減量に向いているといえます。
暖かい部屋にこもっているのではなく、寒い季節でも適度に外に出て運動することが大切だといえるでしょう。
(3)食事内容を工夫する
特定の食べ物を摂取すると褐色脂肪細胞が活性化することがわかっています。減量を意識するのであれば、積極的に食事に取り入れましょう。
青魚
青魚に豊富に含まれる脂肪酸である「DHA(ドコサヘキサエン酸)」と「EPA(エイコサペンタエン酸)」が交感神経の活動を活性化させることで脂肪細胞が褐色化されると、体脂肪が消費されるということがわかっています。
DHAやEPAは加熱に弱い性質をもつため、刺し身や味噌汁などにすると効率よく摂取することができますよ。
茶カテキン
「茶カテキン」を継続して摂取すると褐色脂肪細胞が活性化され、脂肪燃焼量が亢進されたという報告があります。そのため、カテキンを含む緑茶やウーロン茶を日常的に飲むのがおすすめです。
カテキンには、血糖値上昇を抑える働きや体脂肪を減らす働きも期待できるため、減量中の飲み物には最適だといえますね。
トウガラシ
トウガラシに含まれる「カプサイシン」には白色脂肪細胞の褐色化を促す働きがあり、痩せやすい身体づくりに役立つのだそう。さらに、カプサイシンの摂取によって胃の神経が刺激されると、過食を防ぐ可能性があることも報告されています。
トウガラシは料理のアクセントにもなるため、減量中は常備しておくと何かと使えるので便利ですよ。
ニンニク
ニンニクについても、交感神経を活性化することで褐色脂肪細胞が活性化され、脂肪燃焼効果が得られるということがわかっています。
ニンニクは野菜や肉類、魚類などのさまざまな料理に合うため、毎日の料理に取り入れると良いでしょう。
褐色脂肪細胞の活性化を意識して、かしこく&効率的に減量に取り組んでくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※冬こそ減量のチャンス 脂肪を燃焼し熱を産生する「褐色脂肪」 – 糖尿病ネットワーク
※魚を食べると体脂肪が燃焼するメカニズムを解明 EPAとDHAの効果 – 糖尿病ネットワーク
※ニュースリリース 茶カテキンの、太りにくい体質に関与する「褐色脂肪組織」への作用を検証 – 花王
※カテキン – わかさ生活
※トウガラシの辛み成分が脂肪燃焼を促す 肥満予防に効果的 – 保健指導リソースガイド
※褐色脂肪組織機能と食品成分による機能制御 – 食品分析開発センターSUNATEC