4月からの職場や家庭などの環境の変化により、心身ともにストレスがかかることで、気分や体調が悪くなったり、疲れやすかったり、集中できなかったりという状態に陥ることがあります。
新年度から気づかないうちにストレスがたまり、その蓄積が5月の連休明け頃から現れはじめることから「五月病」といわれています。
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラーである筆者が、五月病のセルフチェックとその対策方法をお伝えします。
■もしかして五月病?セルフチェックで確かめよう
まずは自分の心身とともに向き合うためのセルフチェックをしてみましょう。
これは「良い」「悪い」ではなく、自分の状態を知るためのもの。誰かにチェックしてもらうものではないので、正直に答えてくださいね。
最近、あてはまるものはありますか?
・寝つきが悪い/目覚めが悪いと感じるようになった
・やる気がでない/疲れが取れないと感じるようになった
・ネガティブに考えることが増えた
・趣味や好きなことをやる気にならない
・集中力が続かなくなった
・人と話すのが面倒に感じるようになった
・洋服や食べたいものなどが決められなくなった
・外出や職場へ出かけたくなくなった
・イライラ/怒りっぽくなったと感じるようになった
・何かをしていても常にモヤモヤする/落ち着かないと感じるようになった
あなたはいくつあてはまりましたか?
当てはまる項目が多いほど、五月病の傾向があるかもしれません。
ただ、これはあくまでセルフチェックとなります。「少しストレスがたまっているかもしれない」「休憩が必要かもしれない」など、自分の体調を知る指標にしてくださいね。
また、上記のような状態が2週間以上続く場合は、病院を受診してみてくださいね。
■五月病の対策と予防方法3選
「最近ちょっと疲れやすいかも……」などの変化を感じたら、生活に取り入れてみてほしい習慣を3つご紹介します。
(1)新しい生活に適した生活習慣を整えよう
新生活になると、今までのリズムと生活リズムが変わりますよね。
そこで大切なのは、新しい生活に適した生活リズムを改めて考え直すことです。
例えば、職場に行くのに朝7時には出発したい。睡眠時間は7時間確保したいから、準備の時間も含め、夜は22時に寝る、などです。
できれば入眠時間を同じにすることが理想的ですが、どうしても難しい場合は、自分に必要な睡眠時間を確保できるようにしましょう。
不慣れなことがあると、次の日の準備や不安でリズムが崩れてしまうこともありますが、生活リズムが崩れると自律神経のバランスも崩れ、それが五月病にもつながります。
「慣れるまでの辛抱だから」と甘くみず、疲れをためこまないようにしましょう。
(2)軽い運動を生活習慣に取り入れよう
「運動」と聞くとジムに行いくことや、トレーニングをすることをイメージされるかもしれませんが、散歩をするだけでもOK。
運動をする時間も決める必要はなく、自分が気持ちよく終えられるところで大丈夫です。
運動をすると交感神経と副交感神経のバランスが整いやすくなるだけでなく、そのバランスを調節する機能も向上させてくれます。
また、運動をすると「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌され、気分を安定させてくれます。
筋力アップを目的とした運動ではなく、自分が楽しいと思える運動を取り入れてみてくださいね。
(3)寝る前にMy Happyを3つ書いてみよう
書くものは手帳や日記帳、メモなどなんでもOKです。
寝る前に以下の3つのことを書いてみましょう。
・楽しかったこと
・できたこと
・感謝すること
それぞれの項目でひとつずつ思い浮かばなければ、同じ項目を書いてもOKです。
大切なのは「良いことを3つ書く」ということ。
これは、アメリカの心理学者であるセリグマン教授が提唱している、ポジティブ心理学ですすめていることなんです。
毎晩寝る前に良いことを3つ書くことを1週間継続すると、その後の半年間、幸福度が上昇し抑うつ度が低下した、といわれています。
このときも「書かなければ」と思うとストレスになるため、一日を振り返る目的として、日々の習慣に取り入れてみましょう。
五月病は病気ではありませんが、その状態が続くとうつ病などの精神病につながるおそれがあります。そのため、心身の声に耳を傾け、自分がどのような状態にいるのかを知ることが大切です。心身が辛いときは、耳を塞ぎがちになってしまいますが、辛いときこそ自分自身と向き合ってみてくださいね。
(美容ライター/心理カウンセラー 北口 慈子)
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