イワシのなかでも、梅雨の時期に水揚げされるマイワシのことを「入梅イワシ(にゅうばいいわし)」といいます。栄養価も高く、40・50代におすすめの食材です。
管理栄養士の筆者が、入梅イワシの魅力をご紹介します。
■入梅イワシが40・50代におすすめな理由
入梅イワシには、良質な「タンパク質」「カルシウム」「DHA」「EPA」などの栄養素が含まれています。特に旬の時期は脂がたっぷりのっているため、DHAやEPAなどの必須脂肪酸も豊富に含まれています。
また、更年期女性の場合、女性ホルモンの分泌低下に伴って、骨がもろくなってしまうこともあります。カルシウムが豊富な食材を積極的に取り入れることが大切なため、ぜひ旬の入梅イワシをいただきましょう。
DHAやEPAには、血液をサラサラにする効果や、身体の脂肪を分解し熱にすることで体脂肪を減らす効果があります。そのため、ダイエット効果も期待できますよ。
年齢とともに基礎代謝が低下して痩せにくくなるため、DHAやEPAが豊富な入梅イワシで身体の内側から対策できると良いですね。
■入梅イワシの効果的な食べ方
刺し身で食べる
入梅イワシに豊富な「DHA」や「EPA」は熱に弱く、調理の過程で損失しやすい栄養素です。そのため、生の状態である“刺し身”で食べることが最も効率的です。
また、たっぷりの生姜と食べることがおすすめです。生姜には血行促進効果があるため、DHAやEPAと組み合わせると相乗効果が得られます。
血行が良くなると細胞の代謝が良くなるため、痩せやすくなります。身体も温まりやすいため、冷えにお悩みの方にもおすすめですよ。
きのこと組み合わせる
イワシに含まれる「カルシウム」は、「ビタミンD」と組み合わせることで吸収率が高まります。ビタミンDはきのこ類に豊富ですが、特に干ししいたけや舞茸に多いため、「イワシ×干ししいたけ・舞茸」の組み合わせがおすすめです。
さらに、カルシウムは「クエン酸」によっても吸収率が高くなります。クエン酸がカルシウムと結合して、体内への吸収を手助けすると言われています。
クエン酸はレモンやお酢に含まれるため、「イワシと干ししいたけのレモンマリネ」などのメニューがおすすめです。さっぱりと食べられるため、これからの季節にもぴったりですよ。
ホイル焼きにする
「DHA」や「EPA」は、揚げる・炒めるなどの調理過程で脂質とともに流出してしまいます。天ぷらにした場合、約50%にまで減ってしまうのだそう。
入梅イワシは、特に質の良い脂質が豊富なため、できるだけ栄養を逃したくないですよね。そこで、少しでも栄養を逃さないために、ホイル焼きで食べることもおすすめです。
さらに、先ほど解説した通り、「クエン酸」が豊富なレモンをかけて食べてみてください。梅にもクエン酸が豊富なため、和風に仕上げたいときは、練り梅や梅干しをトッピングしていただきましょう。
旬の時期には、食材の栄養価が最も高くなります。ぜひ、これからの季節は「入梅イワシ」を食事に取り入れてみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※女子栄養大学調理学研究室・女子栄養大学短期大学部調理学研究室 監修『調理のためのベーシックデータ 第6版』(2022)女子栄養大学出版部
※DHAレシピ – マルハニチロ
※魚油摂取は交感神経を介して、「脂肪燃焼細胞」を増やす-「魚油」の効果で体脂肪燃焼を促す新メカニズムを解明 – 京都大学