腸に良いといわれるヨーグルトですが、食べ方によっては効果が下がったり、最大限の効果を得られなかったりする場合があります。
管理栄養士の筆者が、ヨーグルトの避けるべき食べ方を4つご紹介します。
■ヨーグルトが腸に良い理由
ヨーグルトは発酵食品であり、乳酸菌が豊富に含まれています。
乳酸菌は善玉菌の一種であり、腸内で乳酸をつくり出し、腸内環境を酸性に保つ働きがあります。
悪玉菌は酸に弱い性質を持つため、ヨーグルトを食べることは腸内での悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を整える働きが得られます。
悪玉菌の増殖が抑えられると、悪玉菌が出す毒素が体内を巡るのを防ぎ、免疫力を上げる作用や美肌作用も得られます。
また、腸内環境が整い便秘が改善すると、老廃物の排出・必要な栄養素の消化吸収がスムーズに行われるため、痩せ体質にも近づけますよ。
■効果が下がる?もったいないヨーグルトの食べ方4つ
(1)たまにしかヨーグルトを食べない
ある研究によると、ヨーグルト※を2週間継続して食べることで、健康状態が良くなったと回答する人が多かったと報告されています。
また、ヨーグルトを食べるのをやめると、元の腸内環境に戻ってしまったという報告もあります。
「最近、便秘気味だな」「お腹の調子が良くない」と感じてからヨーグルトを食べるのではなく、日頃から継続してヨーグルトを食べることを意識することが大切です。
※「LB81乳酸菌」を使用したヨーグルト
(2)加熱する
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、乳酸菌の種類によりますが、75度以上で15分間加熱すると死滅してしまいます。
せっかくの腸活作用が得られなくなるため、なるべくヨーグルトは加熱せずそのままの状態で食べましょう。
ただし、死滅した乳酸菌も、免疫に良い影響をもたらすなどいい働きはあるため、加熱が絶対にNGというわけではありません。
料理の用途に合わせて、調理法を選ぶと良いでしょう。
(3)食事前に食べる
乳酸菌は、強い酸性である胃酸の影響で死滅する可能性があるのだそうです。
特に空腹時は胃内の酸性度が高くなっているため、より多くの乳酸菌を腸に届けたいのであれば、食事中や食後に食べるのがおすすめです。
ただし、空腹時は栄養素の吸収率が高いため、ヨーグルトのカルシウム摂取が目的であれば、食事前に食べるのがベストでしょう。
(4)ビフィズス菌入りのヨーグルトを選んでいない
乳酸菌だけでなく、ビフィズス菌も腸活の強い味方です。
ビフィズス菌は善玉菌の一種であり、腸内で乳酸・酢酸などを作り出すことで悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。
ビフィズス菌は酸素や酸に弱い性質があることから、実はすべてのヨーグルトにビフィズス菌が含まれているわけではありません。
乳酸菌だけを含むヨーグルトでももちろん腸活作用はありますが、ビフィズス菌入りであればさらに効果的だといわれているため、なるべく「ビフィズス菌入り」と書かれているヨーグルトを選ぶようにしましょう。
せっかく体に良い影響をもたらしてくれるヨーグルトを食べるのであれば、最も効果的な食べ方をしたいですよね。ご紹介した「もったいない食べ方」を参考に、賢くヨーグルトを食生活に取り入れてみてください。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※ヨーグルトの効果とは? 健康面のメリットや効果的な食べ方をご紹介! – アリナミン製薬
※乳酸菌 – わかさ生活
※ヨーグルトはどのタイミングで食べるといいの? – 湯田牛乳公社
※乳酸菌は何度で死滅するのですか? – 日本乳業協会
※乳酸菌による腸内環境と便秘の改善について – 株式会社 明治