平らでキュッとくびれのあるウエストは、女性の憧れですよね。そんなに太ったわけではないのに、いつの間にかポッコリ寸胴体型になってしまっている、と悩む女性も多いのではないでしょうか。寸胴体型は遺伝のせいだし…と諦めていませんか? たしかに体脂肪が付きやすい部分については、遺伝的な要素も大きいとは言われていますが、体型は今から変えられるもの。だからと言って、がむしゃらに腹筋運動をすればいいわけではなく、なぜウエストがくびれるのかを知っていることが大切。メカニズムがわかれば、日常の意識を少し変えるだけで理想のウエストになれるのです。今回は、ウエストのくびれを作るメカニズムの重要ポイントと、日常で意識すべきこと3つをご紹介します。
■くびれを作るポイントとなるメカニズム3つ
・重要ポイント1:肋骨
肋骨は、両側に12本ずつ計24本あり、肺や肝臓など胸の周りにある内臓を取り囲んで守っている骨。呼吸をすることで肋骨は広がったり閉じたりしていますが、悪姿勢で浅い呼吸を続けていると、肋骨は柔軟性に乏しくなってしまいます。左のイラストのように、肋骨が開いたままの状態だとウエストがくびれにくく寸胴体型に見えてしまいます。
・最重要ポイント2:お腹の深層筋
お腹は、体幹を支える深層筋(深いところにある筋肉)と表層にある浅層筋(浅いところにある筋肉)が立体交差のような状態で走る複雑な筋肉構造になっています。一番浅いところにあるのが腹直筋で、姿勢の保持や前屈動作に関わっています。
腹直筋
腹直筋は、6つに割れた腹筋として鍛えられた腹筋の象徴でもありますが、ウエストのくびれを作っているのは、実はこの奥にある筋肉である内外腹斜筋と腹横筋。
腹斜筋
腹斜筋群は、上半身を左右に捻る動作や、前屈、体を左右に傾ける働きをする筋肉で、ウエストのくびれを作るためには最も重要な筋肉です。
腹横筋
そして、いちばん深いところにあるのが腹横筋。腹横筋は、肋骨下部から恥骨までの腹部全体を筒型に包むコルセット状の筋肉で、お腹全体を引き締める役割があるウエスト痩せの立役者なのです。呼吸をしっかり吐き切り、この腹横筋を働かせて肋骨をしっかりと締めることで、くびれのある美しいウエストが作れます!
・重要ポイント3:骨盤(骨盤底筋群)
骨盤の下にあり、内臓を下から支えている骨盤底筋群は、ハンモック状の筋肉で、緩んでくるとぽっこりお腹の原因にもなります。腹斜筋群、腹横筋がウエストのくびれを作り出していますが、これらの筋肉を効率よく働かせるための土台である骨盤をしっかりさせておくことも大切です。骨盤底筋群を引き上げることで、姿勢が正され、美しいウエストラインが出来上がるのです。
■くびれウエストを作る!日常で意識すること3つ
1:締める
腹横筋を使って肋骨を閉じるために、息をしっかり吐ききる深い呼吸をしましょう。
2:引き上げる
骨盤底筋群を引き上げるために、膣を意識的に締めてみましょう。意識しにくい方は、トイレを我慢するイメージ、または細いデニムのジッパーを上げるとき、下腹部とお尻に力を入れるイメージをしてみるといいかもしれません。
3:ねじる
腹斜筋を働かせるために、椅子に座ったまま、首だけでなく腰から上全体を後ろにねじる動きなど、回転や捻りのある動きを取り入れましょう。
いかがでしょうか。ただがむしゃらな腹筋運動で辛くて無駄な努力をするよりは、日常のちょっとした意識でくびれたウエストは今からでも作り出せます。「締めて引き上げてねじる」というウエストのくびれに必要な意識を日常に取り入れて、憧れのウエストラインに近づきましょう!
(文:鍼灸師/ピラティス体幹トレーナー土田香織 イラスト:上田城)