更年期、とは具体的に何歳頃からかご存知ですか? 閉経をはさむ前後5~10年の期間のことを更年期といい、だいたい45~55歳が相当します。
更年期真っ只中の方はもちろん、まだこれからの方も、早めの対策をとることが肝心です。
不調は体内から起こりやすいため、食事などの内面からのアプローチが大切になります。
管理栄養士の筆者が、更年期対策のために摂りたい栄養素をご紹介します。
■更年期症状とは?
卵巣の機能が低下するとともに、女性ホルモンが減少します。その間にさまざまな不調が起こることを、更年期症状といいます。
症状は人によりさまざまですが、主に下記の項目が挙げられます。
・自律神経の乱れ(ほてり、発汗、のぼせ、動機、めまい、頭痛)
・精神的な不安(うつ症状、意欲低下、イライラしやすい)
・その他、腰痛や食欲不振、皮膚の乾燥、排尿障害など
■更年期の女性は「ビタミンB1・B2・E」が不足している
更年期の多くの女性が、血中のビタミンB1・B2・Eの数値が低いといわれています。それぞれのビタミンの働きをご説明します。
ビタミンB1
糖質の代謝を活発にします。ダイエット中の人にも嬉しいビタミンです。
また、脳や神経系の働きを正常に保つサポートをします。
ビタミンB1が豊富な食品
玄米/オートミール/豚肉/かつお/うなぎ/大豆
ビタミンB2
脂質の代謝を活発にし、体脂肪が蓄積されるのを予防します。細胞の新陳代謝にも関わっているため、更年期の不調にも効果的です。
ビタミンB2が豊富な食品
レバー/牛乳/ヨーグルト/大豆/さんま/ぶり/納豆/アーモンド/卵
ビタミンE
血流を良くする働きがあり、冷え性にも効果的です。また、生殖器にかかわるホルモンの代謝をサポートします。
女性ホルモンの分泌をつかさどる脳下垂体に働きかけ、女性ホルモンに関係する不調を軽減させます。
ビタミンEが豊富な食品
アーモンドなどのナッツ類/かぼちゃ/はまち
ビタミンEは抗酸化作用があり、アンチエイジングにも嬉しいですね。精神を安定させる働きもあるため、更年期の不調改善のために積極的に摂りたいビタミンです。
■体内での吸収が早い「イソフラボン」を摂ろう
「イソフラボン」は、女性ホルモンと似た構造を持っているため、女性ホルモンと似た働きをします。したがって、女性ホルモンが減ることで生じる更年期症状を緩和します。
イソフラボンが豊富な食品
大豆/豆腐/納豆
などに多く、きな粉にも多く含まれています。
きな粉は大豆を炒ってから加工したものなので、製造過程でのイソフラボンの流出が少ないといわれています。ドリンクなどに混ぜて飲むこともできるため、手軽にイソフラボンを摂ることができます。
イソフラボンは2種類ある!?
イソフラボンには、「グリコシド型」と「アグリコン型」という形の2種類があります。分子の大きさの違いですが、アグリコン型イソフラボンのほうが吸収が良いといわれています。
先ほど述べた納豆などはグリコシド型なので、サプリメントでアグリコン型を摂るのも良い方法です。食品では、味噌や醤油にアグリコン型が多く含まれています。
食生活をはじめ、生活習慣は急に変えにくいため、少しでも早くビタミンやイソフラボンなどを意識して摂取してみてはいかがでしょうか。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美)
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【参考】
※女性に不足しがちな栄養素 – 大塚製薬
※ビタミンB1 – わかさ生活
※ビタミンB2 – わかさ生活
※ビタミンE – わかさ生活
※イソフラボン – わかさ生活
※イソフラボンとは – ニチモウバイオティックス
※特定非営利活動法人新生活普及協会「サプリメント管理士第3巻 美容とサプリメント」(2015年)SSFK研修センター