年末、大晦日の定番といえば「そば」ですよね。紅白を見ながら食べたり、カウントダウンに出かけた先で「寒いね」と言いながらすする年越しそばは、なんだかいいものです。
ですが、年末以外ではほとんど食べないというのはもったいないくらい、そばには栄養が豊富ということをご存知ですか?
インナービューティー料理研究家の筆者が、そばの美容に嬉しい栄養ポイントと、ひと手間加えたアレンジそばのレシピをご紹介します。
■そばの美容に嬉しい栄養
麺類といえば、「炭水化物」「糖質高め」というイメージがありますよね。しかし、そばは違います。
そばは、玄米と同じほどの低GI値で、麺類のなかでも糖質が控えめです。良質なたんぱく質や必須アミノ酸も豊富に含んでいます。
脂質や糖質、疲労物質(乳酸)の代謝をサポートする「ビタミンB群」や、アンチエイジングビタミンとも呼ばれる「ビタミンE」、女性に不足しがちな「鉄分」なども豊富です。アンチエイジングに欠かせない抗酸化力が高いポリフェノールの一種「ルチン」が豊富なことでも注目されているスーパーフードです。
■年末にそばを食べるワケ
大晦日になぜ「年越しそば」を食べるのでしょうか。
うどんなどの麺類に比べて、そばは噛み切りやすいです。そのため、年越しそばには「今年一年の災いを断ち切る」という意味合いが強くこめられており、縁担ぎで食べる風習ができたといわれています。
また「これからも家族の縁が長くつづきますように」「来年も側(そば)にいられますように」という家族円満の願いも込められています。
■簡単!アレンジそばのレシピ
美容に嬉しい栄養豊富なそばは、年末以降も食べたい食材です。出汁ベースのスタンダードなそばには、意外とさまざまな食材がよく合います。
そばと相性の良いおすすめ食材をご紹介します。どれも手軽に作れるものばかりです。華やかなトッピングは見た目も楽しく、美容に嬉しい栄養もプラスされます。
鯖缶・三つ葉
近年話題の「鯖缶」。「DHA」などの良質脂質や「タンパク質」「カルシウム」が豊富なので、常備しておくと便利です。缶詰なら、そのまま暖かいそばにのせても美味しくただけます。
さわやかな香りの「三つ葉」をたっぷりそえてお召し上がりください。刻んだゆず皮や柚子の果汁をいれることもおすすめです。
厚切りベーコン・ほうれん草
食べ応えのある厚切りベーコンやボンレスハム、スパムなどをほうれん草と一緒にゴマ油で炒め、あたたかいそばにのせます。食べ応えも抜群です。
乾燥肌予防に嬉しい「β-カロテン」や「葉酸」「食物繊維」「タンパク質」をしっかり補給できます。いりごまをたっぷりまぶせば、抗酸化力アップも狙えます。
トマト・あおさ・オリーブオイル
ザク切りにした「トマト」と、そのまま使える「乾燥あおさ」をあたたかいそばにたっぷりトッピングしたら、オリーブオイルをひと回しかけましょう。
ほんのりイタリアンテイストのそばは、意外とハマる味わいになるでしょう。トマトのうまみ成分と出汁のうまみがベストマッチします。
抗酸化作用の高い「ビタミンC」「リコピン」「ビタミンE」「ミネラル」をしっかり補給できるアンチエイジングに嬉しいレシピです。
いかがでしたか? 年越しの縁担ぎにはもちろん、毎日の美容と健康のためにも積極的にとり入れてみてはいかがでしょうか。お気に入りのアレンジレシピを探求するのも楽しいものですよ。2020年も美味しく楽しく、身体の中からキレイと元気を磨きましょう!
(インナービューティー料理研究家 フードコーディネーター 國塩亜矢子
「楽しく正しく食べてカラダの中からキレイに健康に」をモットーに、インナービューティーを軸としたコラム執筆やレシピ開発等を通じ女性のライフステージごとに関わる「食×美」の大切さを幅広く発信中。二児の母。)
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【参考】
※吉田企世子・松田早苗/監修(2016年)『あたらしい栄養学』高橋書店
※上西一弘/著(2016年)『栄養素の通になる』女子栄養大学出版部
※板木利隆/監修(2008年)『からだにおいしい 野菜の便利帳』高橋書店
※吉田企世子/監修(2016年)『旬の野菜の栄養辞典』エクスナレッジ
※蒲池桂子/監修(2010年)『美肌美人栄養学』エクスナレッジ
※三輪正幸/監修(2012年)『からだにおいしい フルーツの便利帳』高橋書店
※伊達友美/著(2010年)『食べる美女肌セラピー』エクスナレッジ
※田中敬一・原田都夫・ 間苧谷徹/著(2016年)『科学的データでわかる 果物の新常識:ガン・心臓病・脳卒中・認知症を寄せつけない 知られざる果物の機能性』誠文堂新光社
※斎藤糧三/監修(2016年)『スーパーフード事典 BEST50』主婦の友社
※藤原昌高/著(2010年)『からだにおいしい魚の便利帳』高橋書店
※白澤卓二/監修(2018年)『医者が教える最強の食事術』宝島社