春は、「なんとなく身体の調子が悪い」「眠い」「ボーっとする」などの不調が増えるかと思います。できることなら早めに、対策をしておきたいですよね。
管理栄養士の筆者が、インナーケアとしてどんな栄養素を摂れば良いのかをご紹介します。
■不調が起こる原因とは?
春はまだ肌寒い日もあれば、上着がいらないくらい暖かい日もありますよね。
その気温差が身体にストレスとなり、自律神経の働きを乱す原因につながります。環境の変化などが原因となる場合もあるといわれています。
自律神経は消化器官や血管などを制御しているため、自律神経のバランスが狂うと、疲れやすくなったり、だるさを感じたりすることにつながります。心のバランスも崩れやすくなるため、春バテ対策には自律神経を整えることが大切です。
■春バテ対策のために摂りたい食材4つ
(1)納豆
自律神経を整えるためには、神経伝達物質の「セロトニン」を増やすことが大切です。セロトニンを体内で増やすために必要な「トリプトファン」は、納豆などの大豆製品に多く含まれています。
納豆は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える働きもあります。また、肌荒れ対策にもなるので、春にゆらぎにくい肌を作るためにも食べたい食材です。
(2)味噌汁
気持ちが高ぶっている時や緊張している時は交感神経が活発になり、自律神経が乱れがちになります。味噌汁などの発酵食品に含まれている「GABA(ギャバ)」は、副交感神経を活発にするといわれているため、身体も心もリラックスすることができます。
GABAは「ナス」や「かぼちゃ」にも含まれているため、これらの野菜は味噌汁の具材としておすすめです。
(3)豚肉
豚肉には「ビタミンB1」が豊富に含まれています。ビタミンB1は、疲労回復効果が期待できる栄養素です。
私たちは食べ物を食べることで体内でエネルギーを作り、生きていくことができます。ビタミンB1は、特に糖質からエネルギーを作る時に必要といわれていて、不足すると疲れを感じやすくなります。
豚肉は油が多いイメージもありますが、しゃぶしゃぶにして食べると油が落ちるため、気にせず食べられるでしょう。これからの季節は、冷しゃぶにして食べるのも美味しいですよね。
(4)牛乳
牛乳は、カルシウムが豊富です。カルシウムが不足すると、イライラしたり精神的に不安定になったりするといわれています。
カルシウムには、緊張・興奮を静めて、ストレスを和らげる働きがあるといわれています。牛乳を摂ることがストレスを和らげ、自律神経が乱れる原因を少しでも減らすことにつながります。
カルシウムは小松菜などの野菜にも豊富ですが、牛乳のカルシウムは、吸収率がとても高いのが特徴です。寝る前にホットミルクとして飲むのも良いですし、コーヒーフレッシュのかわりに牛乳を入れても良いですね。
春は気温の変化だけでなく環境や人間関係の変化もあり、何かと疲れやすい季節です。暖かくなる日が増えてきましたが、食事を意識して春の不調対策をしてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美
「根拠のある情報を」「体の内側から美しく」がモットー。健康や美容に関する記事執筆や相談業務などフリーで活動中。糖尿病療養指導士、ピンクリボンアドバイザーの資格有。現在はサプリメント管理士の資格取得中。)
【関連記事】
・便秘もむくみもすっきり?管理栄養士がバナナを勧める理由3つ
・食で免疫力を高めて健やかな春を!プロ直伝の身近な薬膳食材
・切り干し大根で腸活!そのまま漬けるだけ作り置きレシピ
・ココアでむくみスッキリ!?「ココア」の美容に嬉しい効果
【参考】
※季節の変わり目の体調不良 春バテ要注意! – 養命酒製造
※トリプトファン 成分情報 – わかさ生活
※GABA(ギャバ) 成分情報 – わかさ生活
※ビタミンB1 成分情報 – わかさ生活
※カルシウム Ca 成分情報 – わかさ生活