冬が旬の「春菊」は、”キクナ”とも呼ばれます。鍋の材料やお浸しなどが定番ですが、実はサラダなどの生食で食べても美味しいですよ。
乾燥肌対策に嬉しい「β-カロテン」や抗酸化作用の高い「ビタミンE」「ビタミンC」などが豊富なので、冬の美容と健康をサポートしてくれます。乾燥や体調管理が気になるこの時期、毎日でも食べたい食材です。
インナービューティー料理研究家の筆者が、春菊でエイジングケアを叶える調理法をご紹介します。
■春菊の美肌に嬉しい2大栄養素
β-カロテン
β-カロテンは体内で「ビタミンA」に変換される栄養素で、抗酸化力が高いのが特徴です。ビタミンAは目の働きや喉などの粘膜を乾燥から守り、強くする働きも期待されています。
湿度が急激に下がり、肌の乾燥や喉の枯れ・痛みが気になる冬の強い味方なのです。
調理ポイント
油脂類と合わせることで身体への吸収率が高まります。
オリーブオイルやごま油など、抗酸化作用の高い植物油でサッと炒め物にすると良いでしょう。溶き卵や豚肉などを合わせると食べやすいですよ。
ビタミンC
春菊には、上記と同じく抗酸化作用の高いビタミンCも豊富です。ビタミンCは、コラーゲンの生成やシミの予防、免疫力アップなどをサポートする働きがあります。
春菊には女性に不足しやすい「鉄分」も含まれており、ビタミンCは鉄分の吸収率を高める働きも期待できます。貧血が気になる時は、鉄分の多いレバーなどと一緒に調理すると良いでしょう。
調理ポイント
ビタミンCは水に溶けだしやすく熱にも弱いので、サラダなどの生食がおすすめです。
春菊の葉は柔らかく、ほどよい苦みがあるので、柿やリンゴなどの甘味のあるフルーツと合わせてオリーブオイルで和えると良いでしょう。
■エイジングケアに欠かせない
ビタミンE
春菊には「アンチエイジングビタミン」とも呼ばれるビタミンEが豊富です。ビタミンAやビタミンCとの相乗効果で抗酸化力を高める働きがあるため、これらすべてを含む春菊は冬のエイジングケアにぴったりの食材といえます。
細胞老化を防ぐことに役立ち、いきいきとした若々しい肌や身体をサポートします。
調理ポイント
ビタミンEは油との相性が良いため、同じくビタミンEが豊富なオリーブオイルなどで調理すれば抗酸化力アップが狙えます。
良質な脂質と良質なたんぱく質が豊富な赤身肉や青魚などと一緒に調理することもおすすめです。鍋でいただく際は、仕上げにごま油を少し足すと香りもよく栄養価も高まります。
■腸活をしっかりサポート
食物繊維
春菊には、腸のぜんどう運動をサポートし便秘改善を助ける食物繊維も豊富です。
冬は体温の低下から身体が冷えることで血流が低下しやすく、ホルモンバランスや自律神経の乱れなど、身体の機能的にも「巡り」が鈍りがちです。排便のリズムを乱さないためにも食物繊維の多い食材を意識することは大切です。美しい腸は美肌への近道となります。
エイジングケアや冬の美肌作り、健康のためにも毎日食べたい「春菊」。お悩みによって食べ方を変え、日々の食事に上手にとり入れて楽しんでくださいね。
(インナービューティー料理研究家 フードコーディネーター 國塩 亜矢子)
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【参考】
※吉田企世子・松田早苗/監修(2016年)『あたらしい栄養学』高橋書店
※上西一弘/著(2016年)『栄養素の通になる』女子栄養大学出版部
※板木利隆/監修(2008年)『からだにおいしい 野菜の便利帳』高橋書店
※吉田企世子/監修(2016年)『旬の野菜の栄養辞典』エクスナレッジ
※蒲池桂子/監修(2010年)『美肌美人栄養学』エクスナレッジ
※三輪正幸/監修(2012年)『からだにおいしい フルーツの便利帳』高橋書店
※伊達友美/著(2010年)『食べる美女肌セラピー』エクスナレッジ
※平田 雅子/監修(2010)『不調をなおしてキレイになる 女性ホルモン基本事典』成美堂出版