「食欲の秋」といいますが、実は秋はダイエットに向いている季節です。
管理栄養士の筆者が、“脂肪燃焼スープ”のように、痩せ体質につながるスープにおすすめの秋食材を、ご紹介します。
■秋はダイエット向きの季節?
秋は美味しい食材が多く、太りやすい季節だと思いがでちです。
しかし、基礎代謝は季節で変動するのですが、夏に最も低くなり、10月~11月から上がり始めるため、実は秋や冬のほうが痩せやすいといえます。
また、秋は夏と違って気候が良いため、体を動かしやすいこともダイエットに向く理由の一つです。
秋や冬は、肌見せが少ない格好をすることが増えるため、ダイエットが疎かになりやすいですが、ご紹介する痩せ効果が高い秋食材を取り入れて、ぜひダイエットに役立てましょう!
■スープにおすすめの秋食材4つ
スープは体が温まるため、代謝を上げやすいメニューです。
また、満腹感を得やすいことも、ダイエットに向いているメニューだといえます。
特に痩せる作用が高い食材を4つご紹介するので、ぜひスープにプラスしてみてくださいね。
(1)舞茸
舞茸は、糖質が消化分解されるときに働く酵素の働きを阻害して、血糖値の上昇を抑える効果があります。
それにより、過剰なインスリン分泌が抑えられ、ダイエット効果が得られます。
また、舞茸には水溶性食物繊維・不溶性食物繊維ともに豊富に含まれているため、便秘を改善して、代謝の良い体をつくることができます。
便秘が続くと、悪玉菌が有害物質を産生し、血流にのって肌表面に出てくると肌が荒れるため、便秘を解消することは美肌づくりにも役立ちますよ。
舞茸はあっさりとした味であるため、和洋中どんなスープにも合うのも、嬉しいポイントの一つかと思います。
体を温める効果がある生姜をプラスすると、より代謝を上げる効果が期待できるためおすすめですよ。
ちくわや卵、鶏ささみ肉などのタンパク質食品もスープに加えると、腹持ちが良くなるため、ぜひ試してみてください。
(2)さんま
さんまには、必須脂肪酸である「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」が豊富に含まれています。
DHAやEPAには、脂肪を燃やす働きがある細胞を増やして、体脂肪を減らす働きのあることが分かっており、ダイエットにも役立てたいところ。
DHAやEPAは、調理の過程で失われやすい性質を持つのですが、スープにすると余すことなく摂取することができます。
そのため、「さんまの味噌汁」や「さんまとキムチのスープ」などにして、いただきましょう。
キムチに含まれる唐辛子には、脂肪燃焼効果がある「カプサイシン」が含まれるため、より痩せ効果を高めることができますよ。
(3)ごぼう
ごぼうには、食物繊維が豊富に含まれています(100g中5.7g)。
特に、「セルロース」「リグニン」といった不溶性食物繊維が多く含まれています。
不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸って膨らみ、腸を刺激することで排便を促すため、便秘改善が期待できます。
繊維質は特にごぼうの皮の部分に多く、ポリフェノールも含まれているため、皮はむかずにさっと洗うか、包丁の裏でこすって落とす程度にしておきましょう。
ごぼうは、スープの中でも特に味噌汁にするのがおすすめ。
味噌には乳酸菌(プロバイオティクス)が豊富に含まれており、ごぼうの豊富な食物繊維(プレバイオティクス)と組み合わせることで、腸内環境を整える力が高まるからです。
腸内環境を整えると便秘が解消され、栄養素の消化吸収もスムーズにおこなわれるため、代謝が良くなり、痩せやすくなりますよ。
(4)栗
意外かもしれませんが、「栗の味噌汁」「栗の豆乳スープ」もおすすめです。
栗の甘さが味噌や豆乳とマッチして、秋を感じられるスープになりますよ。
栗にも食物繊維が豊富に含まれているため(100g中4.2g)、代謝を上げて痩せやすい体をつくるのに役立ちます。
また、ビタミンCも豊富に含まれていますが、栗のデンプンに守られているため、加熱しても壊れにくく、効率よくビタミンCを摂取することができます。
そのため、美肌づくりや免疫力アップにも効果的ですよ。
スープにするときには、「すりごま」をプラスしていただきましょう。
ごまにはビタミンEが豊富に含まれており、ビタミンCなどの抗酸化作用をもつ栄養素と一緒に摂ることで、相乗効果が得られます。
ごまの風味と栗の甘さがやみつきになるスープに仕上がりますよ。
スープはダイエット効果だけでなく、体を温める働きもあるため、寒くなる季節にもおすすめです。ぜひご紹介した秋食材を取り入れて、体の内側からダイエットに取り組んでみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
【関連記事】
・老化を防ぐ!トーストにのせるべき食材
・栄養士が食べない「老化が加速する食べ物」
・炭酸水はこう飲むべき!痩せる意外な飲み方5つ
・パンを食べても太らない?一緒に摂るべき食材4つ
【参考】
※代謝の上がる冬こそ、減量向き!寒さに注意して、適切な運動を継続しましょう – 名古屋ハートセンター
※マイタケ – わかさ生活
※ごぼう – わかさ生活
※シンバイオティクスとは – サンスターホールディングス
※くり – わかさ生活
※魚を食べると体脂肪が燃焼するメカニズムを解明 EPAとDHAの効果 – 創新社※板木利隆 監修『からだにおいしい野菜の便利帳』(2010年)高橋書店