更年期世代になると、骨の健康について考え始める人が多いかと思います。「豆苗」には、骨の健康に役立つ栄養素が豊富に含まれているため、春が旬のこの季節に取り入れたい野菜です。
管理栄養士の筆者が、豆苗の栄養や効果的な食べ方をご紹介します。
■更年期世代は骨がもろくなりやすい!?
「女性ホルモン」は骨の代謝を調節する働きがあるため、女性ホルモンの分泌が低下する更年期世代は骨がもろくなりやすいのだそう。
ですが、食事から骨の健康にアプローチすることができます。
■骨の健康に役立つ豆苗の栄養
ビタミンK
豆苗は、「ビタミンK」が豊富であることが特徴です。ビタミンKは骨に「カルシウム」を取り込む際に必要で、しっかりと骨にカルシウムを沈着させる働きがあります。
成人の場合、豆苗2/3パックを食べれば、1日のビタミンK目安量を満たすことができます。
βカロテン
強い抗酸化作用がある「βカロテン」も、豊富に含まれています。活性酸素を除去するため、アンチエイジングにおすすめです。
また、βカロテンは体内で「ビタミンA」に変換されますが、ビタミンAは目や粘膜の健康を守る働きがあります。
ビタミンB群
「ビタミンB1」や「ビタミンB2」「ビタミンB6」などのビタミンB群も多く含まれています。
栄養素を代謝する働きがあるため、ダイエットや疲労回復に効果が期待できます。
■骨強化に◎!豆苗のおすすめの食べ方3つ
骨の健康だけではなく、美容やダイエットにも効果的な栄養素を含む「豆苗」ですが、今回は“骨強化”のために意識したい食べ方をご紹介します。
(1)カルシウム&ビタミンDも一緒に
骨の健康に役立つ「ビタミンK」ですが、単体で摂取するよりも「カルシウム」や「ビタミンD」と合わせて摂取することをおすすめします。
カルシウムは骨の主たる成分であるため、骨の健康維持には欠かせません。一方、ビタミンDは腸からのカルシウム吸収を高める働きや、カルシウムの骨への沈着をサポートする働きがあります。
骨の健康を維持するためには、「ビタミンK」「カルシウム」「ビタミンD」は欠かせない栄養素なのです。
おすすめの組み合わせ
カルシウムが豊富な牛乳とビタミンDが豊富なきのこ類と組み合わせて、「豆苗とキクラゲの牛乳スープ」「豆苗ときのこのクリームパスタ」などのメニューでいただきましょう。
(2)油と一緒に
骨の健康維持に役立つ「ビタミンK」と「ビタミンD」は、脂溶性の栄養素です。
そのため、サラダで食べるイメージが強い豆苗ですが、“炒める”ことで効率良く栄養素を摂取できます。豆苗に含まれる「βカロテン」も脂溶性であるため、アンチエイジング効果を高めることにもつながります。
おすすめの組み合わせ
炒める以外には、脂質が豊富な牛乳やチーズ、アボカド、ツナなどの食材と組み合わせることもおすすめですよ。
(3)タンパク質もしっかりと
骨の健康維持には、骨の密度だけではなく“骨の質”を良くすることも大切です。
骨の質には「タンパク質」や「コラーゲン」が関与しているため、食事からもしっかり摂取しましょう。
おすすめの組み合わせ
旬のものであれば、カツオやアサリ、シラスなどのタンパク質食品が挙げられます。
加齢とともに食事量が低下すると、それに伴ってタンパク質摂取量も低下しやすくなってしまいます。なので、これらの食材を豆苗と組み合わせて、なるべく毎食タンパク質食品を取り入れるように心がけましょう。
「豆苗」は、美容や健康に役立つ野菜です。お財布にやさしいという点も、嬉しいポイントではないでしょうか。ぜひ積極的に食事に豆苗を取り入れて、ハツラツな毎日を過ごしましょう!
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
【関連記事】
・朝の1杯で老ける!?朝イチで飲んではいけない飲み物
・腸の不調の原因になる!?コーヒーのNGな飲み方
・実はNGな「納豆の食べ方」3つ
・腸内悪化でどんどん太る!?朝やってはいけないこと3つ
【参考】
※スゴイ!豆苗の栄養価 – 村上農園
※閉経後骨粗鬆症 – 日本内分泌学会
※骨マガジンvol.04 骨の強さは骨量+骨質で決まる。 – 雪印メグミルク