30代以降の女性に顔の悩みをお伺いすると、ほとんどの方が「ほうれい線」でお悩みでした。「ほうれい線が1cm伸びると+6歳老けて見える」という一説もあるようです。
おばあちゃんのイラストを描く時、鼻の両側から下に2本線を引くかと思います。それだけで老けた印象を与えることができますよね。たかが「線」ですが、されど「線」です。
今回はコスメコンシェルジュ&顔ヨガインストラクターの筆者が実践している、「ほうれい線」を目立ちにくくするケア方法やポイント、普段から気を付けたい習慣についてお伝えします。
■目次
1.ほうれい線ができる原因
2.ほうれい線が目立ちやすくなる生活習慣をチェック
3.ほうれい線マッサージ・エクササイズの種類と効果
4.ほうれい線に効果的なツボ・マッサージの方法
(1)顔のたるみに効果的なツボ「顴髎(かんりょう・けんりょう)」
(2)ほうれい線マッサージ
5.ほうれい線撃退!顔ヨガポーズ4つ
(1)おだんごロック
(2)おっはー
(3)ほうれい線プッシュ
(4)ムンクの顔
6.簡単!ほうれい線改善エクササイズ
(1)セルフケアの注意点
■1.ほうれい線ができる原因
ほうれい線ができる主な原因は、肌の弾力をつかさどる「コラーゲン線維」「エラスチン線維」の減少、表情筋の低下により、頬の脂肪や皮下組織などを支えきれなくなることで肌がたるみ、ほうれい線が目立ちやすくなります。
また、日頃からの「表情グセ」も、ほうれい線を目立たせてしまうため注意が必要です。
■2.ほうれい線が目立ちやすくなる生活習慣をチェック
肌が乾燥しやすい
肌が乾燥しやすい方は、紫外線の影響を受けやすく、新陳代謝も悪くなりがちです。それにより、肌の老化を促進してしまい、ほうれい線が目立ちやすくなります。
対処法
しっかり保湿を行い、ツボ押しやマッサージで代謝を高めましょう。
紫外線ケアを怠りがち
紫外線ケアを怠りがちな方は、紫外線(UV-A波)の悪影響が肌の弾力に関わる「真皮」まで到達しているかもしれません。すると老化を増長させてしまう「活性酸素の発生」や「真皮線維の劣化」によって、たるみが引き起こされ、ほうれい線が目立ちやすくなります。
対処法
紫外線(UV-A波)は波長が長いため、曇りの日でも一年中ジワジワと降り注ぎ、日焼けを招きます。毎日のUVケアを忘れずに行いましょう。
あまり笑わない、人と話をしない
普段からあまり笑わない、あまり話をしない方は表情筋をほとんど使っていません。日本語は表情筋を20%しか使わなくても発音できるため、表情筋が低下しやすい人種なのです。
対処法
できるだけ表情を豊かに生活をするように心がけてください。顔ヨガなど、顔のエクササイズで意識的に表情筋を鍛えましょう。
笑う時に唇を「いーっ」と横にひいて笑う
下唇に力が入り「いーっ」と笑う方は、唇の下に腹話術の人形のような線(マリオネットライン)が入ります。このクセを続けていると、鼻の横から伸びるほうれい線とマリオネットラインがつながり、とても長いほうれい線に見えて一気に老けて見えてしまいます。
対処法
下唇の力を抜いて、口角を上げて自然に笑うようにしましょう。顔ヨガやマッサージ、ストローエクササイズなどが効果的です。
いくつあてはまりましたか? 日頃の生活習慣が2年後、3年後の未来の顔や表情に繋がります。思い当たる数が多いほど、ほうれい線が目立ちやすくなりますので、それぞれ改善していきましょう。
■3.ほうれい線マッサージ・エクササイズの種類と効果
簡単な方法でできるほうれい線のケアはたくさんあります。ご自分に合う方法を取り入れてほうれい線を目立たなくすれば、若見えにつながります。
ツボ押し
いつでもどこでも手軽に押せて、自然治癒力を高めるケアができる。
マッサージ
セルフエステで血行やリンパの流れを促進することで、代謝がアップし若々しい肌をつくる。
顔ヨガ
顔のエクササイズで表情筋を鍛えて、ハリのある顔立ちに導きます。
どれも1日3分ぐらいでOKです。継続することで、気になるほうれい線も目立ちにくくなります。
慣れてしまえば簡単なので、ぜひお手軽なセルフケアを試してみてください。
■4.ほうれい線に効果的なツボ・マッサージの方法
(1)顔のたるみに効果的なツボ「顴髎(かんりょう・けんりょう)」
顴髎(かんりょう)は、頬の血液循環を良くする美肌のツボといわれ、頬の筋肉と皮膚にエネルギーを巡らせるツボです。
ツボの位置は、頬骨の一番下の三角にとがった骨のやや下あたりにあります。
押し方
人差し指の腹をツボにあて、上に持ち上げるようにゆっくりと押します。
1~5秒押しながら息を吐き、息を吸いながら1~5秒かけて力を抜きましょう。これを3~5回行います。
小鼻の脇から頬骨下あたりには、たくさんの美肌のツボがあります。テーブルに頬杖をつくようにして親指の付け根を頬にあて、頭の重みを感じるように押しましょう。とても簡単で気持ち良く、押した後は顔がすっきりします。
ツボを押す時のポイント
・リラックスしながら呼吸を合わせ、指の腹を使いゆっくり押すと効果的です。
・強く押すと逆効果なので、押し過ぎや力の入れすぎに気を付けましょう。
・爪が長い方は、爪で顔を傷つけないようご注意ください。
(2)ほうれい線マッサージ
マッサージクリームやオイルを肌に塗布して行うマッサージは、血行促進、肌への栄養補給、新陳代謝を高める効果があり、肌の活力を高めます。
むくみや老廃物が蓄積すると、たるみを引き起こしやすくなるので、日頃からマッサージをして顔のむくみをためない事も大切です。
マッサージのやり方
(1)人差し指から小指までの4本の指をそろえて、頬に大きく「らせん」を描くようにゆっくりクリームをなじませます。
(2)「あご先から耳の下」「口角から耳の前」「小鼻からこめかみ」と3つに分け、ゆっくり引き上げます。これを3回ずつ行いましょう。
(3)次に、中指と人差し指を使い、(2)で3つに分けた通り道を筋肉をやさしくほぐすイメージで、上向きにクルクルと「らせん」を描きながら引き上げます。これも3回ずつ行いましょう。
(4)頬を軽く引き上げ、ほうれい線の気になる部分に沿って中指で小さく「らせん」を描いて筋肉をほぐします。
最後に手のひら全体で頬を包み込み、手をピタッと肌に密着させたまま耳の前まですべらせ、そのまま首筋にそってリンパを流します。
■5.ほうれい線撃退顔ヨガポーズ4つ
表情筋を鍛える×ヨガのバランスでほうれい線を撃退します。
(1)おだんごロック
頬の筋肉を鍛えて、たるみ予防・ほうれい線を目立たなくするポーズです。
親指と人差し指で輪を作り、頬を持ち上げ10秒キープします。これを3~5回行いましょう。
(2)おっはー
頬と目の下のたるみを予防、解消するポーズです。
(1)口を「お」の形にして、鼻の下を伸ばし「おー」と声を出しましょう。
(2)上下の唇を巻き込み、口角・頬・目の下の筋肉を上げながら、ゆっくりと「はー」と声を出しましょう。
(3)(1)(2)の動作をゆっくりと3回行いましょう。
(3)ほうれい線プッシュ
ほうれい線の予防、解消と口周りのストレッチのポーズです。
ほうれい線のある位置を舌で押しながら、大きな円を3~5回時計回りで描きます。逆回りも同様に行いましょう。
円を描くのが難しい方は、左右のほうれい線のある位置を上下に5往復なぞる方法もおすすめです。
(4)ムンクの顔
顔全体のストレッチをして、むくみを解消するポーズです。
(1)口を「お」の形にして鼻の下を伸ばします。ほうれい線を消すイメージでしっかりと伸ばしましょう。
(2)しっかり伸ばしたまま、目線を上に上げて10秒キープします。これを3回行いましょう。
■6.簡単!ほうれい線改善エクササイズ
口にストローをはさむだけの簡単なエクササイズです。
左右の前歯から、口の奥に向かって4本目の歯の後ろでストローを挟みます。ストローが折れないように、頬と口角を上げてキープします。
パソコンやTVを見ながらできるお手軽エクササイズです。
(1)セルフケアの注意点
・手を清潔にしてから行いましょう。
・体調や肌状態の悪い時は、ケアを控えましょう。
・飲酒後は控えましょう。
・妊娠中の方は、体調をみて行いましょう。
セルフケアの魅力は、いつでも自分でできる事。ただし、やりすぎや力の入れすぎなどは逆効果になってしまう場合もあるので、「気持ちいいな」「心地いいな」と、感じる強さで行ってください。
ほうれい線ケアをコツコツと継続して、いつまでも若々しくハリのある笑顔で、素敵に年齢を重ねていきたいですね。日頃、お仕事などを頑張りすぎてしまう方は、プロの手をかりてメンテナンスを行うことも大切です。リラックスして、頑張りすぎずにケアを楽しんでください。
(美容家/コスメコンシェルジュ/顔ヨガインストラクター 市川愛子
コスメサロン アイーシャ代表/美容家/大手化粧品会社22年勤務、BA教育講師18年。メイク・顔ヨガ・16タイプカラー診断を活用した「ハッピーオーラ美人」「魅せ顔」へ導く独自のビューティレッスンが好評。)
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【参考】
※たるみに関する意識調査 – ロート製薬
※加藤 雅俊 「ひと目でわかるホントによく効くリンパとツボ (日文実用PLUS)」 (2011年) 日本文芸社