近年、「腸内フローラ」が注目されていますね。腸内フローラの状態が、身体の健康と関わっていることがわかり、腸内フローラをよい状態に保つことが美容と健康の要であると話題になっています。
とはいえ、「腸内フローラ」「腸内細菌叢」などの言葉を知っていても、実際にはよくわかっていない方も多いのではないでしょうか?
今さら聞けない「腸内フローラ」についておさらいしてみましょう!
■腸内フローラってなに?
私たちの腸内にいる腸内細菌が腸壁に棲みつく様が、まるでお花畑のように見えることから、「腸内フローラ」もしくは「腸内細菌叢」と呼ばれています。
私たちの腸内には、3万種以上、1千兆個以上、重さにして1kg以上の腸内細菌が棲みついています。よく耳にする「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」などは、腸内細菌自体の名前ではなく、腸内細菌の働きによってわけられた菌のグループの通称です。
■善玉菌、悪玉菌、日和見菌の役割は?
(1)善玉菌
腸の動きや腸内のphの調整、ビタミンやホルモンの合成、有害物質や老廃物の排除、免疫の調節など、私たちの身体に有益な活動をする腸内細菌が善玉菌と呼ばれています。乳酸菌やビフィズス菌のほか、腸内の常在菌ではありませんが、納豆菌や麹菌も善玉菌のグループに分類されます。
(2)悪玉菌
ウェルシュ菌やブドウ球菌、一部の大腸菌など、有害物質や腐敗物質を作り出す腸内細菌は、悪玉菌に分類されています。
私たちの健康を害する物質を産生するため、悪玉菌と呼ばれていますが、動物性食品の分解や、重篤な病菌に関わるウィルスを退治するのも悪玉菌の仕事であるため、必要不可欠な存在です。
(3)日和見菌
日和見菌は、その名の通り「日和見」で、状況によって働きが変わる菌のグループです。通常は、私たちの身体に悪影響を及ぼすような存在ではありませんが、悪玉菌が優勢な腸内フローラになると、悪玉菌に加勢して、私たちの身体に悪影響を及ぼす存在となります。
■腸内フローラの「理想的なバランス」は?
善玉菌が多いほど、腸内フローラがいいように思えますが、実際そうではありません。
善玉菌が2~3割、悪玉菌が1割、日和見菌が6~7割のバランスが理想的といわれています。
とくに、悪玉菌の割合が重要で、悪玉菌を1割以上にしないことが、日和見菌を味方につけるポイントなのだそうです。
■悪玉菌が多いサインとは?
しかしながら、腸内を目でみることはできませんから、実際にご自身の腸内フローラがどのような状態にあるかはわかりませんね。
腸内フローラの検査キットが販売されていますから、気になる方は、キットを使って検査してみるといいでしょう。
お腹やお肌のトラブルがある人は要注意
身近なサインとして、以下のようなお腹やお肌のトラブルのある方は、腸内フローラのバランスが悪いのかも知れません。
・便秘・下痢
・ガスが溜まりやすい
・トイレの匂いが気になる
・肌荒れしやすい
腸内細菌は、私たちが食べたものをエサに活動していますから、私たちの食べものに応じて日々バランスが変わっています。
「腸内フローラのバランスが悪いかも……」と感じている方は、善玉菌のエサとなるものを十分に摂る食生活を心がけたいですよね。
次回は、善玉菌のエサとなる食べものについてお話ししたいと思います。
(美養フードクリエイター・中医薬膳師 岩田まなみ
料理教室Manami’s Kitchen主宰。パリのEcole Ritz Escoffierにてフランス料理を学びDiploma取得、本草薬膳学院にて薬膳を学び、中医薬膳師の資格を取得。健康リズムカウンセラー、味覚カウンセラー(スタンダード)。自著「ヤセ菌が増えて太らない食べ方」(2016年・自由国民社)。コラム執筆、雑誌、TVなど多数のメディア出演実績がある。)
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