「最近、足がもつれる」「階段がのぼりにくくなった」という経験は誰しもあるのではないでしょうか。管理栄養士の筆者が、衰えやすい大人の筋肉はどこなのか、その対策法もご紹介します。
■年齢とともに体形は変わる
年齢とともに体型が変化していくのはなぜでしょうか? その理由は、基礎代謝量が関係しています。基礎代謝量とは、生命維持のために最小限に必要で、じっとしている時にも消費されるエネルギーのことです。
基礎代謝量のピークは、男性で18歳、女性で15歳頃で、その後年齢とともに減っていきます。。学生時代や20代、30代と同じ生活をしていても、消費するエネルギーが減るため、だんだん脂肪がつきやすくなるわけですね。
■アラフォー女性は「速筋繊維」の衰えが早い!?
筋繊維は、その性質から2種類に分かれます。
(1)遅筋繊維
瞬発力はありませんが、持久性のある筋肉です。
鍛えると疲れにくくなるので、マラソン選手は遅筋繊維が多いといわれています。
(2)速筋繊維
瞬間的に力を発揮する、短距離走の選手に多い筋肉です。
速筋繊維の方が、年齢とともに衰えるのが早いといわれています。特に、40代以降から減っていきます。
■筋肉が衰えるスピードは、それぞれの部位で異なる
筋肉が衰えるスピードは、それぞれの部位で異なります。加齢とともに日本人は「下肢」「全身」「上肢」「体幹」の順に、筋肉量が減少していくという報告があります。
女性の場合、下肢の筋肉の衰えは上肢の約9~10倍です。下肢の筋肉とは、ハムストリングスや大腿四頭筋などが相当します。
■女性は上半身の方が気になる!?
筋肉量が減っていき、30代以降は腕や体幹の脂肪が多くなります。足もそうですが、加齢による腕の筋肉の減少も、統計的に明らかになっています。
その結果、若い頃と同じ生活をしていると、年齢とともに丸みをおびた体型になってしまいます。
■日常生活でプチトレーニングをとりいれましょう
「ジムに通うのはちょっとむずかしいな」と思っている人も多いのではないでしょうか。つづかなければ成果は出ないので、日常で簡単にできるトレーニングを始めてみてはいかがでしょうか。
二の腕トレーニング
500mlのペットボトルなど、よく使うものを使ってトレーニングします。
水を入れたペットボトルを右手に持ち、右ひじと右肩がまっすぐになるようにあげます。この動作を10回繰り返すだけでOKです。
仕事の休憩中にもできそうなトレーニングですね。
背中回りのトレーニング
肩こり予防も期待できます。
先ほどのペットボトルを持ち、肘を背中の方向に向け90度に曲げます。ゆっくりと、身体の横に持っていき、元の位置にもどします。
これを10セット行います。
足の筋肉トレーニング
ハムストリングスのトレーニング法です。
立ったままソファやベッドの下に足をひっかけ、足を持ち上げるように力を入れます。5秒間キープを、3~5回繰り返します。
日々のちょっとした心がけで、筋肉が衰えるスピードを緩和することができます。スキマ時間で、衰えやすい筋肉を重点的にトレーニングしてみてはいかがでしょうか。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美)
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【参考】
※加齢によるからだの変化 – タニタ
※いつまでも健康でいたい!筋肉のアンチエイジング – タニタ
※日本人筋肉量の加齢による特徴(PDF) – 日本老年医学会