ダイエット中は食事制限や毎日の運動で、ストレスがたまる人も多いですよね。誰しも、効率よくダイエットしたいものです。
管理栄養士の筆者が、食事でのエネルギー消費を上げてダイエットにいかす方法をご紹介します。
■食事誘発性熱産生とは
食事をした後、安静にしていても身体がポカポカすることはありませんか?
食事をすると吸収された栄養素が分解され、その際に一部が体熱となりエネルギーが消費されます。これを「食事誘発性熱産生」といいます。
1日に消費するエネルギー量は、3つに分けられる
24時間で消費するエネルギー量の内訳は、大きく分けると以下の3つになります。
基礎代謝量(約60%)
骨格によって変わります。筋肉量が多ければ基礎代謝量は高いといわれています。
食事誘発性熱産生(約10%)
食事内容で変わります。消費するエネルギー量は栄養素によって異なります。
身体活動量(約30%)
運動をはじめ、1日にどれくらい活動するかで変わります。
1日に消費するエネルギー量の比率は、基礎代謝量を上げると最も効率が良いのですが、食事誘発性熱産生もあなどれません。約10%といえど食事内容を工夫して消費エネルギーが上がるのであれば、ダイエット中は特にありがたく感じますよね。
■食事誘発性熱産生が高い食べ物
たんぱく質のみを摂取した場合、エネルギー消費が最も高くなります。摂取したエネルギーの約30%を消費します。
糖質のみを摂取した場合は約6%、脂質のみ摂取した場合は約4%消費します。
通常、食事をする時は栄養素が一つだけということはない(混合している)ため、エネルギー消費は約10%といわれています。たんぱく質摂取量を増やすとエネルギー消費が増えるため、意識して摂取すると効率が良いですね。
「たんぱく質」が豊富な食品
・魚類
・鶏肉
・豚肉
・牛肉
・レバー
・牛乳
・ヨーグルト
・チーズ
・大豆
・納豆
・卵
たんぱく質には「動物性」「植物性」などの種類がありますが、同じものを食べるのでなく、さまざまな種類のたんぱく質を組み合わせて摂るようにしましょう。
■食事誘発性熱産生を高くする方法3つ
(1)よく噛んで食べる
噛む回数を増やして食べると、食後3時間の食事誘発性熱産生は早く食べた時に比べて2倍の差が出ることがあきらかになっています。
よく噛むことは、満腹中枢を刺激し食べすぎ防止にもなるため、日ごろから心がけたいですね。
(2)朝食を食べる
同じ献立でも、朝食は夜食に比べて食事誘発性熱産生が約4倍高いことがあきらかです。朝食は心身ともに活性化されるため、エネルギー消費も大きいためと考えられています。
朝食にスムージーなども良いですが、しっかり噛んで食べられるものが理想的ですね。
(3)筋肉量を増やす
筋肉が衰えると、基礎代謝だけでなく食事誘発性熱産生も低下します。逆に、筋肉量を増やすと食事誘発性熱産生も高くなります。
加齢や運動不足で筋肉は衰えるため、気をつけたいところですね。運動する時間がとれなくても、正しい姿勢で歩くだけでも筋肉をつけることができます。
いかがでしたでしたか? 日常のちょっとした工夫で、食事誘発性熱産生を高めてダイエットにいかしましょう。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美
「根拠のある情報を」「体の内側から美しく」がモットー。健康や美容に関する記事執筆や相談業務などフリーで活動中。糖尿病療養指導士、ピンクリボンアドバイザーの資格有。現在はサプリメント管理士の資格取得中。)
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【参考】
※食事誘発性熱産生 / DIT – 厚生労働省
※身体活動とエネルギー代謝 – 厚生労働省
※よく噛んで食べるとエネルギー消費量が増加 満腹感を得やすくなる – 糖尿病ネットワーク
※朝食で朝の体のスイッチオン! – 明治