糖質制限中は、「グリセミック・インデックス(GI値)」を気にする人も多いでしょう。
GI値は血糖値を上げやすい食品の参考値で、数値化されているためわかりやすいのが特徴です。しかし、いくつか問題点も指摘されており、近年は「グリセミック・ロード(GL値)」という考え方が広まりつつあります。
管理栄養士の筆者が、食生活で参考にしてほしい「グリセミック・ロード(GL値)」についてご紹介します。
■GI値とGL値の違いとは?
GI値
「GI値」とは、グリセミック・インデックスの略語です。50gの「ブドウ糖」を摂取し、2時間後の血糖曲線下部分の面積を100として、同じ量の炭水化物量の食品を摂取した時に求めた面積を係数化したものです。
簡単にいうと、「ある食品に含まれる炭水化物量が50gになるまで食べた時」を前提としています。
最近、問題点としてあげられている点は以下になります。
・日頃、食品の糖質量を把握しながら食べることは現実的でない。
・にんじんでいえば、炭水化物量50g=約4本になり現実的ではない。
そこで提唱され始めたのがGL値(グリセミック・ロード)です。
GL値
GL=各食品に含まれる炭水化物の量(g)✕GI÷100で求められます。
GI値ではカバーできていなかった炭水化物の量を考慮し、通常、1人分の食材の量でどれくらい血糖値を上げるのかを示しています。
GL値の一覧
標準摂取量とは、1回あたりの平均的な摂取量を示しています。
・うどん(ゆで)(標準摂取量180g) 30
・スパゲティ(ゆで)(標準摂取量180g) 23
・マカロニ(ゆで)(標準摂取量180g) 22
・米飯(コシヒカリ)(標準摂取量150g) 18
・じゃがいも(ベイクドポテト)(標準摂取量150g) 18
・ミルクチョコレート(標準摂取量50g) 12
・バナナ(生)(標準摂取量120g) 12
・パン(標準摂取量30g) 10
・キウイフルーツ(生)(標準摂取量120g) 6
GL値が20以上だと血糖値が上がりやすく、10以下であれば安心です。
■数値を利用して、ダイエットにいかそう
これまでは、単純に「GI値が高いからやめておこう」と思っていた食品も、GL値で考えてみるとそうではない場合も出てくるでしょう。
いずれにしても、そうした数値は、どんな食品が血糖値に影響があるのかを知る目安として利用し、その傾向を知ることが大切です。
いかがでしたか? 何か一つの栄養素を極端に制限するダイエット法はさけて季節の食材を摂り、さまざまな栄養素を摂取しましょう。バランスの良い食生活がなによりの美容・健康法といえます。糖質制限やロカボダイエットをしている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美
「根拠のある情報を」「体の内側から美しく」がモットー。健康や美容に関する記事執筆や相談業務などフリーで活動中。糖尿病療養指導士、ピンクリボンアドバイザーの資格有。現在はサプリメント管理士の資格取得中。)
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