味噌は、「腸活や美容、健康のために良い」というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。味噌には、原料や味などさまざまな種類があります。
管理栄養士の筆者が、味噌の種類や効能についてご紹介します。
■味噌の種類
味噌の種類は、主原料や味、色によって分類されます。
(1)主原料による分類
主原料による分類は、よく使われていますね。
・米味噌(大豆+米麹)
・麦味噌(大豆+麦麹)
・豆味噌(大豆+豆麹)
上記の3種類にわけられ、国内で作られている味噌の約8割が「米味噌」です。さらに、2種類以上の異なる味噌を混ぜ合わせた「調合味噌(合わせ味噌)」もあります。
(2)味による分類
味噌の味で分類すると以下のとおりになります。
・甘味噌
・甘口味噌
・辛口味噌
味噌作りに「麹」を使いますが、原料(米や麦など)に対して麹が多いほど、甘口に仕上がります。
(3)色による分類
出来上がった味噌の色で分類すると以下のとおりになります。
・赤系の味噌
・淡色系の味噌
・白味噌
味噌の色は、熟成期間が影響しています。熟成期間が長いほど、糖とアミノ酸による「メイラード反応」が進み、褐色色素である「メラノイジン」が生成され、色が濃くなります。
■味噌の栄養価
味噌にはさまざまな種類がありますが、いずれの味噌も「ビタミン」や「ミネラル」「葉酸」が豊富です。「豆味噌はほかの味噌に比べて、たんぱく質が多い」「白味噌は塩分が少なめである」などの特徴はありますが、種類によって栄養価が大きく変わるということはありません。
食感や味など、好みに合わせて料理にとり入れてくださいね。
■味噌に含まれる成分の働き
(1)アンチエイジング効果
赤系味噌の色素「メラノイジン」には、抗酸化作用が期待できます。また、味噌の成分が、老化の原因である活性酸素を除去するといわれています。
(2)リラックス効果
白味噌には「GABA(ギャバ)」というアミノ酸の一種が含まれており、イライラ改善やリラックス効果を期待できます。
(3)丈夫な骨に導く
味噌には、「カルシウム」が豊富です。100gあたり、米味噌(赤系味噌):130mg、麦みそ:80mg、豆みそ:150mgのカルシウムが含まれています。
日本人はカルシウムが不足している人が多いといわれているため、継続的に摂取しましょう。
■どんな味噌を選べば良い?
(1)原材料表示をチェック
味噌の原材料は、主に「大豆」と「米」か「麦」のどちらかです。原材料表示をチェックし、添加物などが少ないシンプルな味噌を選ぶことがおすすめです。
原材料に「酒精」と書かれていることがあります。酒精とは、発酵をとめるために加えられたエチルアルコールのことです。
市販の味噌では主に、発酵による炭酸ガスで容器がパンパンになることを防ぐ目的で使われています。発酵による「メラノイジン」の効果や味噌の風味を大事にしたい場合は、酒精が入っていないものを選ぶと良いでしょう。
炭酸ガスを外に出すために味噌のパッケージに穴が開いているものもあるため、選ぶ時の参考にしてください。そのような商品の場合、賞味期限が早いものもあるため、使い切れるサイズのものを選びましょう。
(2)好みで選ぶ
さまざまな種類がある味噌ですが、いずれの味噌も栄養が豊富です。
甘いものが好きな人は甘口のものを、よく汗をかいたり代謝が良い人は辛口のものを選んでみても良いかもしれません。
味噌にはさまざまな種類や効果があります。目的に合わせて、自分に合ったものを毎日摂取したいですね。味噌を選ぶ時に、ぜひ参考にしてください。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美
「根拠のある情報を」「体の内側から美しく」がモットー。健康や美容に関する記事執筆や相談業務などフリーで活動中。糖尿病療養指導士、ピンクリボンアドバイザーの資格有。現在はサプリメント管理士の資格取得中。)
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【参考】
※味噌のこと – マルコメ
※《赤味噌と白味噌の使い分け》 – マルクラ食品
※みその効用 – みそ健康づくり委員会
※無添加味噌への取り組み -無添加味噌とは – ひかり味噌
※無添加のお味噌について – マルカワみそ
※森田潤司・成田宏史 著『食品学総論―食べ物と健康〈1〉 (新 食品・栄養科学シリーズ) 』 (2003年)化学同人