食物繊維を摂るためにはもち麦などの雑穀がいいとわかっていても、「パンが食べたい!」という日もありますよね。パンは、精製された小麦粉で作られている場合が多いので食物繊維の少ない主食となりますが、選ぶパンによっては食物繊維を摂ることができます。
健康と美容に役立つ食スタイルを提案して16年の美養フードクリエイターである筆者が、腸活サポートになるパンを3種ご紹介します。
■腸活サポートになるパン3種
(1)ライ麦パン
ドイツパンなどに使われることが多いライ麦。ライ麦は、小麦に比べ水溶性食物繊維が多く含まれる麦です。
水溶性食物繊維は、腸内にすでに棲みついている腸内細菌のエサとなります。水溶性食物繊維が腸内細菌によって分解される際に産生される短鎖脂肪酸には、「脂肪の蓄積を防ぐ」「食欲に関わるホルモンの分泌を抑える」「交感神経を刺激して脂肪の燃焼を促す」などの、総合的な肥満の抑制効果が期待されています。
(2)全粒粉パン
一般的なパンは、小麦の外皮を取り除いた胚乳部分を粉にした小麦粉で作られています。一方、全粒粉は、小麦を丸ごと粉にした粉です。お米に例えると、白米を粉にしたのが小麦粉、玄米を粉にしたものが全粒粉というイメージです。
ですから、小麦粉から作られたパンには食物繊維がほとんど含まれていませんが、全粒粉で作られたパンは、食物繊維が含まれています。全粒粉は、不溶性食物繊維が多く、腸内で水分を吸って数十倍に膨らみ、腸を刺激してスムーズなお通じを促す働きがあります。
普段から野菜を食べる量が少ないかた、少食の方にもおすすめです。
(3)ふすまパン
ふすま(小麦ブラン)は、小麦の外皮だけを粉にしたもので、食物繊維の含有量が40%以上と多くの食物繊維を含んでいるのが特徴です。
なかでも、アラビノキシランと呼ばれる不溶性食物繊維と水溶性食物繊維、両方の機能を併せ持つ食物繊維が含まれていることが特徴です。
そのため、腸の中で水分を吸って膨らみ腸壁を刺激し、大腸に届くと水溶性食物繊維と同様に善玉菌のエサとなる働きがあり、ダブルの働きで腸内環境美化に役立ちます。
■腸活パンの選び方
いずれのパンも、精製された小麦粉の代わりにライ麦、全粒粉、ふすまが100%使われていることが理想ですが、100%のものは食べづらい、手に入らないという方は、原材料表示を見て、小麦粉より先にライ麦、全粒粉、ふすまが書かれているものを選びましょう。
同じパンでも、使用されている粉を変えることで腸活に役立つパンになります。パンを選ぶ際の参考にしてくださいね。
(美養フードクリエイター・中医薬膳師 岩田まなみ)
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【参考】
※穀類に含まれる食物繊維の特徴について(PDF) – 日本調理科学会
※食事由来腸内細菌代謝産物、短鎖脂肪酸と宿主代謝制御(PDF) – 日本脂質栄養学会
※小麦ブランのハイブリッド食物繊維 – 小麦ブラン研究会