野菜類は「ビタミン」や「ミネラル」などが豊富に含まれているので、身体の機能を整えて美肌に導いてくれます。
野菜類の栄養の多くが、「皮部分」に密集していることをご存知でしたか? 皮部分にしかない栄養素もあるんですよ。
インナービューティー料理研究家の筆者が、美容に嬉しい栄養素をもつ身近な野菜と、簡単にチャレンジできる皮の活用法をご紹介します。野菜の皮を味方につけて、インナービューティー力をアップさせてみませんか?
■栄養満点な身近な野菜
人参
人参には、冬の乾燥肌予防や粘膜強化をサポートする「β-カロテン」が豊富に含まれています。β-カロテンは体内で「ビタミンA」として働く栄養素で、細胞老化を防ぐ抗酸化作用が非常に高いのが特徴です。
人参の皮はとても薄くて甘みが強いので、食べやすいです。皮ごとすりおろしてキャロットケーキなどの焼き菓子に使うのはもちろん、ポトフやポタージュスープ、鍋料理にも皮ごと使うのが良いでしょう。
かぼちゃ
ホクホクとして美味しいかぼちゃも人参同様、乾燥対策に嬉しい「β-カロテン」が豊富です。ほかにも、アンチエイジングビタミンと呼ばれる抗酸化力の高いの「ビタミンE」も豊富に含まれています。
血流をサポートする働きがあるビタミンEは、冬の冷え対策にもおすすめの栄養素です。皮ごと煮物にしたり、皮を剥いて細切りにしたものを焼菓子やパンにまぜても美味しいですよ。
さつまいも
甘みたっぷりのさつまいもは、「食物繊維」が豊富なので整腸作用をサポートします。腸内環境を整え便秘を予防することは、吹き出物などの肌トラブルを予防することにもつながります。
また、さつまいもの皮部分には、ポリフェノールの一種の「アントシアニン」が豊富に含まれています。高い抗酸化力はエイジングケアをサポートするので、皮ごと食べてしまいましょう。
たまねぎ
たまねぎの皮部分には、ポリフェノールの一種「ケルセチン」が豊富です。抗酸化作用や抗炎症作用が高く、エイジングケアや美肌作りなどの美容面でも注目したい栄養素です。
皮部分を食べるには繊維質が多く噛み切れないので、煮出してスープにして頂くことがおすすめです。
■手軽にチャレンジできる野菜の皮活用法
ベジブロス(野菜の皮の出汁スープ)
上記でご紹介した野菜類を、大根の皮やキャベツの外皮、そのほかの野菜のヘタなどと一緒に弱火でコトコト煮詰めます。野菜の栄養やうまみ成分がたっぷり出たスープは、やさしい味わいになります。
ざるで濾して出汁用昆布やコンソメスープの素などを加えれば、より飲みやすい栄養満点スープになります。
野菜チップス
薄く切った野菜の皮を捨てずに、軽くオリーブオイルと塩をふって重ならないようにオーブンシートを敷いた天板に並べます。オーブンでパリッと焼けば、栄養満点のおいしい野菜チップスが完成します。
ヘルシーなおやつやおつまみに最適です。
ディップ
蒸して皮ごとすりおろした人参やカボチャを、オリーブオイル、塩、カルダモンやタイムなどのお好みのスパイスやハーブで和えれば、栄養満点のディップになります。スライスしたバゲットに塗ってお召し上がりください。
リエットなどより低脂質でヘルシーなディップは、美意識の高い女子が集まるホームパーティーにもおすすめです。
そのほか、さつまいもやカボチャなどは皮ごと刻んでスープやみそ汁の具材にすると、甘みを引き出すことができます。野菜の皮を小松菜やバナナと一緒にスムージーにすることもおすすめです。
アイデア次第で、野菜の皮はいくらでもおいしく活用できます。美容に嬉しい栄養たっぷりの野菜の皮を、ぜひ楽しんでくださいね。
(インナービューティー料理研究家 フードコーディネーター 國塩亜矢子)
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【参考】
※吉田企世子・松田早苗/監修(2016年)『あたらしい栄養学』高橋書店※上西一弘/著(2016年)『栄養素の通になる』女子栄養大学出版部※板木利隆/監修(2008年)『からだにおいしい 野菜の便利帳』高橋書店※吉田企世子/監修(2016年)『旬の野菜の栄養辞典』エクスナレッジ※蒲池桂子/監修(2010年)『美肌美人栄養学』エクスナレッジ※三輪正幸/監修(2012年)『からだにおいしい フルーツの便利帳』高橋書店※伊達友美/著(2010年)『食べる美女肌セラピー』エクスナレッジ※田中敬一・原田都夫・ 間苧谷徹/著(2016年)『科学的データでわかる 果物の新常識:ガン・心臓病・脳卒中・認知症を寄せつけない 知られざる果物の機能性』誠文堂新光社※斎藤糧三/監修(2016年)『スーパーフード事典 BEST50』主婦の友社※藤原昌高/著(2010年)『からだにおいしい魚の便利帳』高橋書店※白澤卓二/監修(2018年)『医者が教える最強の食事術』宝島社※(2017年)『スパイス&ハーブの使いこなし事典』主婦の友社