慌ただしい年末年始を終えて、日常のペースが戻ってきた頃ですね。お正月太りや暴飲暴食の肌荒れも落ち着いてくるころでしょうか?
そんなこの時期にうっかり見落としがちなのが「むくみ」。むくみは意外と長引いて慢性化しやすく、女性に多い悩みです。
インナービューティー料理研究家の筆者が、むくみを慢性化させないためのポイントを栄養面から解説します。冬の旬食材は、むくみ対策に一役買いますよ。
■むくみはなぜ起こる?
「むくみ」が起きる主な原因に3つのことが考えられます。自分がどのタイプにあてはまるかを把握することで、意識して摂るべき栄養素が変わってきます。
慢性化してしまうと、フェイスラインのたるみや象の足がつづくことがあります。マッサージなどのアウターケアに加え、内側からのインナーケアでむくみ対策を行うことが大切です。
■むくみが起きないために気をつけたいポイント3つ
(1)冷えによる血流悪化
冬はなにより「冷え」が大敵です。身体が冷えると、血流が滞りやすくなります。
食べ物から摂った栄養は血液に乗って身体の隅々まで運ばれますから、血流の悪化は栄養不足やむくみにつながります。
血流をサポートする食材を摂る
血流の促進には「ビタミンE」がおすすめです。赤パプリカやカボチャ、アーモンドなどのナッツ類、ブリ、オリーブオイルなどに豊富に含まれています。
身体を芯から温める働きのあるショウガやネギ、にんにくなどの薬味類もおすすめです。あたたかい服装を心がけ、冷たい飲み物よりもあたたかい飲み物をチョイスすることも大切です。
(2)アルコールの摂りすぎ
「年末年始の忘年会や新年会で、ついお酒を飲みすぎてしまった」という人も少なくないですよね。
アルコールの代謝には、「水分」や「ビタミンC」が大量に消費されます。どちらも体内にストックしておくのはむずかしいので、意識して摂ることが大切です。
お酒だけでなく水も飲む
お酒を飲みながら水を同量飲んでいれば、二日酔いやむくみを抑えることにつながります。
お酒を飲む時はお水も必ずグラスに入れて、交互に飲みましょう。飲みすぎを予防することにもつながります。
(3)塩分の摂りすぎ
お酒の席では、塩分高めのおつまみ類をいただく量も自然と増えるため、塩分過多になりがちです。
塩分(ナトリウム)の摂りすぎは、細胞内のPHバランスの崩れにつながり、むくみに直結します。
「カリウム」が豊富な食材を摂る
余分なナトリウムの排出をサポートするのは「カリウム」です。カリウムが豊富な食材には、キャベツ、白菜、レタス、トマト、大根、かぶ、キュウリ、りんご、バナナなどがあります。
冬が旬の野菜は、カリウム豊富なものが多いです。カリウムは水に溶け出しやすい性質のため、無駄なく摂取するためには生のままか汁物でいただくことがおすすめです。
いかがでしたか? 自分がどのタイプにあてはまるかわかれば、摂るべき栄養素がハッキリとわかると思います。もちろん、美容と健康のためには、バランスの良い食生活や規則正しい生活が基本となります。年末年始で乱れていたリズムを少しずつ整え、春に向けてインナービューティー力をアップさせましょう。
(インナービューティー料理研究家 フードコーディネーター 國塩亜矢子
「楽しく正しく食べてカラダの中からキレイに健康に」をモットーに、インナービューティーを軸としたコラム執筆やレシピ開発等を通じ女性のライフステージごとに関わる「食×美」の大切さを幅広く発信中。二児の母。)
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【参考】
※吉田企世子・松田早苗/監修(2016年)『あたらしい栄養学』高橋書店
※上西一弘/著(2016年)『栄養素の通になる』女子栄養大学出版部
※板木利隆/監修(2008年)『からだにおいしい 野菜の便利帳』高橋書店
※吉田企世子/監修(2016年)『旬の野菜の栄養辞典』エクスナレッジ
※蒲池桂子/監修(2010年)『美肌美人栄養学』エクスナレッジ
※三輪正幸/監修(2012年)『からだにおいしい フルーツの便利帳』高橋書店
※伊達友美/著(2010年)『食べる美女肌セラピー』エクスナレッジ
※田中敬一・原田都夫・ 間苧谷徹/著(2016年)『科学的データでわかる 果物の新常識:ガン・心臓病・脳卒中・認知症を寄せつけない 知られざる果物の機能性』誠文堂新光社