食生活のなかで「肉」は欠かせない存在ですよね。薬膳の世界では季節に合わせて肉の種類を変えることで、心と身体がゆらぎにくくなるといわれています。
ずぼらだけど薬膳のプロである筆者が、効能やおすすめの組み合わせとともに「梅雨時期に食べるべき肉」についてご紹介します。
■梅雨時期は、やる気が出にくい!?
梅雨になると、以下のような不調を感じませんか?
・食欲不振
・やる気が出ない
・気持ちが落ち込む
薬膳の考えのもとになっている中医学(中国伝統医学)では、自然界で起こることは私たちの身体のなかでも起こると考えます。ですので、梅雨時期は雨量が多く湿度が高くなるように、私たちの身体は水分を溜め込みやすくなります。
例えるならば、水をたっぷり含んだスポンジのような状態です。水をたっぷり含んだスポンジは重くなりますので、私たちの身体の中に余分な水分があると“重だるい不調”が出やすくなります。
また、梅雨時期は胃腸の調子が低下しやすいシーズンでもあります。食欲が落ちたり消化不良になりやすいので、胃腸が弱い方は普段よりも胃腸を労ることが大切です。
そんな梅雨時期の胃腸を労わってくれる肉が、“鶏肉”なんです。
■梅雨時期に鶏肉がおすすめな理由3つ
(1)お腹を温め、胃腸の働きがアップ
中医学では胃腸系の臓腑を「脾(ひ)」といいますが、脾は冷たいものを飲食することで働きが弱くなりやすいです。
秋冬は温かいものを口にすることを心がけている方でも、気温が上がってくると冷たいものを口にしてしまうこともありますよね。なので、梅雨時期は意外とお腹が冷えていることが多いです。
そんな冷えたお腹を温めるためにも、鶏肉を食べましょう。
(2)体力、気力の回復
普段から疲れやだるさを感じやすい人にとって、梅雨はしんどいシーズンですよね。とはいえ、毎日やることがあるので休んでばかりもいられないと思います。
そんな方は、鶏肉料理を食べてエネルギーを養いましょう。鶏肉には気力を回復する働きの「補気(ほき)」作用が高いといわれています。
(3)美肌、美髪に導く
脾は肌や髪に栄養を与える物質を作る臓腑です。ですので、胃腸の調子が崩れると肌の調子もゆらぎやすくなります。
鶏の皮や手羽先には「コラーゲン」が豊富なので、美肌や美髪に導く効果も期待できます。胃腸の調子も整い、すこやかな肌や髪を育めるなんて嬉しいことばかりですよね。
■おすすめの調理法とレシピ
胃腸の働きを高めるためにも、消化にいい「鶏ひき肉」がおすすめです。胃腸に負担をかけにくい調理法は「煮る」「蒸す」「茹でる」です。
例えば、人参、山芋、鶏ひき肉の煮物やあんかけは相乗効果を狙える組み合わせなのでおすすめです。また、生姜とひき肉、山芋をみりん、お酒、お醤油で炒めたメニューもご飯がすすむ一品となります。
身近な食材である鶏肉に、こんなに嬉しいパワーが詰まっているなんておどろきですよね。鶏肉料理を食卓に増やして、鬱々しがちな梅雨を乗り切りましょう。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)
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