外出自粛やリモートワークなどで家で過ごす時間が増え、気づいたら身体が重い、ウエストがきつい…という人も多いのでは? 薄着の季節に向けて慌ててダイエットを始めた人もいるかもしれません。
そこで今回は、健康的に無理なくコロナ太りを解消するコツを、栄養・食事療法なども行う赤坂ファミリークリニック院長の伊藤明子先生に伺いました。
■健康的にコロナ太りを解消するために必要なこと4つ
(1)たんぱく質と食物繊維多めの規則正しい食事を
朝食でたんぱく質をしっかり摂って間食を予防!
「白いご飯を雑穀ご飯に置き換え、一食あたり軽く1杯程度に。また、食事を抜くと、かえって太りやすくなるのでやめましょう。特に朝食は、たんぱく質(卵、魚、肉、大豆食品のうち、2種類以上を組み合わせて)を手のひら1杯分程度(約100g)摂りましょう」
「しっかりたんぱく質を摂ると、1日にわたって、空腹ホルモンの分泌が減り、満腹ホルモンの分泌が増加します。結果的に間食も少なくて済みます」
食事の時間が不規則だと腸内細菌のバランスが崩れる!?
「夕食後のデザートは夜間に脂肪を溜め込む元に。なるべく控えるようにしましょう。食事の時間がずれたり狂ったりすると、腸内細菌のバランスが崩れ、その結果、肌にも影響がでます。身体は寝ている間、同化モードという“溜め込みモード”になってしまうため、遅くとも20時までには食事を済ませましょう」
食物繊維を毎食摂って肥満予防&免疫力アップ!
「1日18gの摂取が推奨されている食物繊維は、腸をお掃除するような機能だけではなく、免疫を担う仕事もしています。例えば全粒雑穀(もち麦、小麦の外皮など含めた雑穀)、海藻、きのこ、野菜などを毎食食べることで抵抗力が上がり、肥満防止にもつながります」
(2)1日8000歩のウォーキングと簡単筋トレで運動不足を解消!
「家で過ごしている方でも、1日8000歩は歩きましょう。8000歩を下回っていると体力が下がってしまいます。ダイエットにはウォーキングなどの有酸素運動に加えて、筋トレが必要」
「筋トレといっても激しいトレーニングは必要なく、家でできるゆっくりスクワットやプランクなどの筋トレ、しっかり力を入れながらのラジオ体操でOK。週に2回か3回、20分以上は運動することを心がけましょう」
(3)睡眠負債はダイエットの大敵!痩せるためには眠りましょう
「人間は、寝ている間に成長ホルモン、修復ホルモンが分泌されています。睡眠時間が少ないと、それらのホルモンが十分に分泌されず、いわば借金を積み重ねている状態に。いわゆる”睡眠負債”が溜まってしまいます」
「睡眠時間と同じくらい大切なのが寝ている時間帯。昼夜逆転や午前2時就寝・正午起床はNGです。23時就寝・7時起床、あるいは22時就寝・6時起床というパターンに正していくことで、成長ホルモンや修復ホルモンが分泌され、肥満対策かつ美肌対策にもなります」
(4)ストレス過食は鬱のリスクも!?ストレス管理の方法
「ストレスにさらされると、脳が甘いものや糖質を求めます。これは自然の反応ですが、自然に任せて食べ過ぎてしまうと、カロリー過多、糖質過多となって、肥満につながります。肥満になると、体内の肥満細胞という細胞の数と大きさが増え、それらの細胞から炎症性物質が発せられます。炎症は脳でも起きるため、鬱のリスクが上がることも」
「ストレスに弱い人は、呼吸法や自律訓練法、ヨガ、マインドフルネス、バイオフィードバック・ニューロフィードバックプログラムなどのプログラムから自分にあったものを選んで、上手にストレス管理ができるようにトレーニングしていきましょう」
食事や生活習慣、ストレス管理など、ライフスタイルを見直して、コロナ太りスパイラルからの脱却を目ざしましょう!
(つやプラ編集部)
【伊藤 明子(いとう みつこ)先生 プロフィール】
赤坂ファミリークリニック院長。公衆衛生専門医、小児科医。一般診療に加え、栄養・食事療法、ストレス管理(バイオフィードバック・ニューロフィードバック)での診療、障害のあるお子さんの診療、支援などを行う。
東京大学医学部附属病院小児科医師、東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。著書に「小児科医がすすめる最高の子育て食」「医師がすすめる抗酸化ごま生活」など。
【関連記事】
・ちょい足しで栄養価UP!トマトの美肌効果を高める食べ方
・皮ごと食べて免疫力UP!?栄養士がキウイのパワーを解説
・低糖質・低カロリーでアレンジ自在!「塩キャベツ」の活用術
・フルーツでシミ対策!薬膳的・美肌のために食べたい果物3つ