強い抗酸化作用をもつことから、美白・美肌効果や免疫力を高める働き、ストレスを軽くする働きなど、さまざまな働きをもつビタミンC。
美容や健康に欠かせませんし、水溶性ビタミンであることから、なるべく毎日補給したい栄養素です。
ですが、加熱に弱くて調理で失われやすく、摂取するには少し工夫が必要ですよね。
管理栄養士の筆者が、ビタミンCを失いにくい野菜と、その加工法についてご紹介します。
■ビタミンCを失いにくい野菜&おすすめの加工法
(1)じゃがいも、さつまいも
じゃがいもやさつまいも等のイモ類には、ビタミンCが豊富に含まれています。
イモ類のビタミンCは、主成分のデンプンによって守られているため、調理によって失われにくいといわれています。
特に「皮つきのまま」調理すると、栄養素を余すことなく摂取することができます。
じゃがいもの皮の部分には、ポリフェノール類のクロロゲン酸が多く存在しています。ビタミンCとあわせて摂取することで美容効果が得られるので、一石二鳥ですよ。
さつまいもの皮には、不溶性食物繊維のセルロースや、ヤラピンといった成分が含まれ、便秘予防に効果的だといわれているため、皮ごと食べることが勧められます。
「じゃがバター」や「焼き芋」、「さつまいものレモン煮」などがおすすめです。
皮をむく場合は、表面積を小さくするために、大きめにカットしましょう。
(2)ピーマン
ピーマンは、繊維質が非常にしっかりしているため、炒めたり加熱したりしても栄養素が失われにくいといわれています。
カットするときは、繊維に沿って切ると栄養素が流出しにくいため、縦にカットするのがおすすめです。
ピーマンにはビタミンCだけでなく、βカロテンやビタミンEといった抗酸化作用をもつ栄養素が含まれています。
さらに美肌効果を高めるために、たんぱく質・鉄分を一緒に摂ることが勧められます。たんぱく質は肌や髪、筋肉をつくる材料ですし、鉄分は血の巡りを良くするため新陳代謝を活発にしてくれます。
そのため、牛ヒレ肉やツナと組み合わせて調理すると良いですよ。
カツオにもたんぱく質・鉄分が多いため、カツオのたたき・玉ねぎ・ピーマンを、ごま油・醤油・お酢で味付けしたサラダも、手軽に作れておすすめです。
(3)栗
栗にもビタミンCがたくさん含まれています。
イモ類と同じく、栗のデンプンによってビタミンCが守られているため、加熱に強いといわれています。
栗そのままの形で食べられる、「焼き栗」や「栗ご飯」にして食べると、余すことなくビタミンCを摂取できます。
さつまいもと味の相性が良いため、「さつまいも×栗の炊き込みご飯」にすれば、ビタミンCがたっぷり補給できますよ。
また、ビタミンCが豊富な大葉や、ビタミンEが豊富なごまをトッピングすることで、さらにビタミンCの抗酸化作用をUPさせることができます。
栗には食物繊維も多いため、腸内環境を整える効果も期待できます。
同じく食物繊維が豊富な舞茸、とろろ昆布と、乳酸菌を含む味噌と組み合わせて味噌汁にすれば、腸に嬉しい繊維たっぷり味噌汁ができますよ。
栄養素の性質を知ることで、効率良くビタミンCを補給することができます。ぜひ、美肌づくりやストレス予防のために、役立ててくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※ビタミンC – わかさ生活
※ピーマン – わかさ生活
※じゃがいも – わかさ生活
※さつまいも – わかさ生活※板木利隆 監修『からだにおいしい野菜の便利帳』(2008年)高橋書店