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糖質抜きは太る!?痩せたい人が摂るべき糖質量

管理栄養士
今井尚美

「糖質=太る」という印象が強いですが、痩せるためには糖質を摂取することも大切です。

糖質抜きは太る!?痩せたい人が摂るべき糖質量

管理栄養士の筆者が、痩せたい人が摂るべき糖質量についてご紹介します。

■糖質抜きは太る!?

糖質抜きは太る!?

糖質を過剰に摂取すると、中性脂肪値を上げたり身体に脂肪として蓄えられます。そのため、一般的には「糖質=太る」という印象が強いかと思います。

しかし、極端に糖質が不足している状態になると、代わりにタンパク質がエネルギー源として使われるようになるため、筋肉が分解されてしまいます。その結果、筋肉量が減ると基礎代謝が低下し、代謝の悪い痩せにくい身体となってしまうのです。

また、糖質が不足すると、集中力が低下したり疲れやすくなることもあります。なので、いかなる場合でも賢く糖質を摂取することが大切だといえます。

■ダイエット中に糖質を摂る時のポイント4つ

(1)「複合糖質」を意識して摂取する

糖質は、大きく分けて「単純糖質」と「複合糖質」の2種類にわけられます。

単純糖質は、果物や菓子類に含まれている糖質のことで、血糖値を上げやすいといわれています。一方で、複合糖質はご飯や麺類、イモ類などに含まれおり、「デンプン」などの多糖類のことをいいます。

デンプンは鎖のように長くつながった構造をしているため、消化・吸収するのに時間がかかります。そのため、血糖値の上昇が緩やかになりインスリン分泌も抑えられるため、痩せたいときの糖質補給に適しています

複合糖質を含む食材

複合糖質は、さつまいもや里芋、かぼちゃ、大麦などの食材に含まれているため、ぜひ意識してみてくださいね。

(2)レジスタントスターチを意識する

複合糖質の一種であるデンプンのなかには、「レジスタントスターチ」という消化されにくい種類のものがあります。

レジスタントスターチは、食後の血糖値上昇の抑制や便通改善効果など、水溶性食物繊維や不溶性食物繊維と同様の働きをもちます。代謝の良い身体に導くため、ダイエットに役立ちます。

レジスタントスターチを効率よく摂取するための、おすすめメニュー

レジスタントスターチは、加熱調理後に「冷やす」ことで増えると報告されています。なので、複合糖質を含む食材を以下のメニューで食べることがおすすめです。

・ポテトサラダ

・冷やご飯

・冷やしさつまいも

・さつまいもやかぼちゃの冷やし煮物

冷やすだけなので手間も少なく、日々の生活に取り入れやすいかと思います。

(3)運動の前後を意識して糖質を摂取する

食べ物から摂取した糖質は、筋肉や肝臓で「グリコーゲン」という状態になり身体に蓄えられます。運動するときに、このグリコーゲンがエネルギー源となって消費されます。

そのため、運動前にグリコーゲン量を高めるために、消化の良いバナナやおにぎり、ゼリーなどの糖質を摂ることが大切です。

運動後は糖質&タンパク質を補給

運動後も、糖質の補給が大切です。運動後に糖質を補給するとグリコーゲンの回復が促され、運動で増やした筋肉の分解を防ぐことに役立ちます

また、運動によって筋肉細胞が傷つきますが、そこで「タンパク質」をしっかり補給することで筋肉細胞が修復されやすくなります。よって、効率よく筋肉を付けることができるでしょう。

時間がないときは、「おにぎり&ゆで卵」「100%果汁ジュース×プロテインバー」「バナナ×チーズ」などの組み合わせでもOKです。

(4)1日最低100~150g前後を目安に糖質を摂取する

1日に必要な炭水化物量は、性別や年齢、活動量によって異なりますが、食事摂取基準によると総エネルギー量の50~65%を炭水化物から摂取すると良いとされています。

1日に最低必要となる炭水化物量や糖質量については食事摂取基準に定められておらず、個人差も大きいため一概にはいいきれません。しかし、「脳はブドウ糖しかエネルギー源として使えない」「脳などの組織が消費する量」を考慮すると、1日に最低でも100~150gはブドウ糖を摂取する必要があると考えられています。

糖質が多い食品を意識

ブドウ糖は単糖類であり、バナナやぶどうなどの果物類やハチミツに多く含まれていますが、他の糖質と結合することでさまざまな糖質を形成しているため、「ブドウ糖」に固執せず糖質が多い食品を意識して摂取してください。

例えば、玄米ご飯の炭水化物量は100gあたり35.6gですので、意識しないと糖質の摂取はむずかしいかと思います。

糖質を制限し過ぎている人は、「毎食、茶碗半分は玄米ご飯を食べる」「食後にフルーツを食べる」など、できることを意識してみてくださいね。

太るという印象が強い「糖質」ですが、ダイエットをはじめ、健康のためにはかしこく摂取する必要がある栄養素です。毎日の糖質の摂り方として、ご紹介したポイントを参考にしてみてくださいね。

(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)

 

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【参考】
※佐藤和人 著 編集 本間健 編集 小松龍史 編集『エッセンシャル 臨床栄養学 第5版』(2009)医歯薬出版
糖質を上手に摂ると、理想とする パフォーマンスをより長く続けることができる!その方法とは? – 味の素
新しい「腸活」で理想のカラダをデザイン〜「レジスタントスターチ」で腸内の働き方改革〜 – J-オイルミルズ
炭水化物(糖質)が筋力トレーニング前後に必要な理由 – 江崎グリコ
最適なプロテインの摂取タイミング – 森永製菓
ブドウ糖 – わかさ生活
日本人の食事摂取基準(2020 年版)(PDF) – 厚生労働省

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