普段からたんぱく質を摂取していても、実は加齢によってたんぱく質は不足しやすくなるといわれています。たんぱく質が不足すると太りやすい体質になることや、髪や肌の老化にもつながってきます。
管理栄養士の筆者が、40・50代が意識すべきたんぱく質の摂り方をご紹介します。
■40・50代はたんぱく質不足に要注意!?
加齢とともに胃や腸の粘膜は萎縮していくため、一度にたくさんの食事が摂れないなどのお悩みが増えていきます。すると、食べていると思っていても「たんぱく質」の摂取量が落ちていることがあり、たんぱく質不足を招いてしまう場合があります。
また、粘膜の萎縮に伴って消化・吸収能力が低下したり代謝が低下したりするため、思っているよりも自分の身体で上手くたんぱく質を利用できていない可能性も考えられます。
日々の食事にたんぱく質量が多い肉の量を増やしたとしても、脂質量も多いため太りやすくなったり、かえって胃や腸が疲れてしまったりすることもあります。
■40・50代におすすめ!賢くたんぱく質を摂るためのポイント3つ
(1)植物性たんぱく質を意識して摂る
植物性たんぱく質を含む食品は、動物性たんぱく質に比べてエネルギー・脂質量を抑えられるため、ヘルシーにたんぱく質を補給することができます。
また、「ビタミン」や「ミネラル類」を豊富に含む食品が多いため、代謝を上げやすく痩せやすい身体に導くことができます。
おすすめの食品
・蒸し大豆
・高野豆腐
・きな粉
・おからパウダー
上記の植物性たんぱく質を含む食品がおすすめです。大豆製品は、つやプラ世代が意識したい「イソフラボン」や糖質の代謝をサポートする「ビタミンB1」が含まれているため、たんぱく質の補給だけではなく美と健康のためにも意識的に摂りたい食品です。
特に、きな粉とおからパウダーは手軽に活用することができるため、常備しておくと良いでしょう。ハンバーグや味噌汁に加えると、簡単にたんぱく質量をUPさせることができますよ。
魚の缶詰や練り製品も利用する
動物性たんぱく質を含む食品のなかでも、魚の缶詰と練り製品はたんぱく質補給におすすめです。どちらも手軽に活用することができ、肉類や乳製品などとは異なり脂質量が少ない、あるいは良質な脂質(DHAやEPAなど)を含んでいるからです。
サバやさんまの缶詰、ちくわなどの食品を、植物性たんぱく質食品と組み合わせて食べてみてくださいね。
(2)たんぱく質の過剰摂取はNG
美容や健康に欠かせない「たんぱく質」ですが、身体に良いからといって一度にたくさんの量を摂取することはおすすめしません。
たんぱく質は常に体内で合成され新陳代謝が行われているため、分解されては新しいものが作られています。なので、必要以上に摂取したたんぱく質は脂肪として蓄えられたり、肝臓や腎臓に負担をかけることもあります。
1日3回、こまめに摂る
1日3回、なるべくこまめにたんぱく質を摂ることがおすすめです。
朝食にパンやスムージーなどを食べることが多いと、たんぱく質が不足しがちです。ですが、実は朝食でたんぱく質を摂取すると、筋肉量UPに役立つということが報告されています。
先にご紹介したきな粉やおからパウダーをはじめ、納豆やゆで卵、チーズなど、手軽に食べることができるたんぱく質食品を常備しておきましょう。忙しい朝でも、たんぱく質を摂るハードルが下がりますよ。
(3)たんぱく質の代謝をスムーズに行う
せっかく「たんぱく質」を摂取しても体内でうまく代謝されていなければ肌や髪、爪、筋肉を効率よく作ることはむずかしく、たんぱく質を美容や健康に役立てられません。
そのため、たんぱく質摂取と合わせて、たんぱく質の代謝をスムーズに行うということにも注目する必要があります。
ビタミンB6と合わせて摂る
「ビタミンB6」はたんぱく質の代謝(分解や合成)をサポートする働きがあるため、たんぱく質を摂取するときはビタミンB6を合わせてて摂取しましょう。
ビタミンB6は、バナナやカツオ、卵、にんにくなどの食品に多く含まれているため、ぜひ意識してみてくださいね。
身体を作る材料となり、美容や健康、ダイエットなどに役立つ「たんぱく質」。ご紹介したポイントを意識して、ぜひ賢く&効率良くたんぱく質を摂取してくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※佐藤和人 著 編集 本間健 編集 小松龍史 編集『エッセンシャル 臨床栄養学 第5版』(2009)医歯薬出版
※消化器の老化 – 健康長寿ネット
※タンパク質を多めに摂ることはパフォーマンスUPに有効か? – 森永製菓
※タンパク質摂取時間と筋量増加の関係 – 早稲田大学
※ビタミンB6 – わかさ生活