「体重は変わらないけれど、閉経してからなんだか体型が太ってしまった」と感じている方は多いのではないでしょうか。
女性の体型改善専門パーソナルトレーナーの筆者が、閉経後に太りやすくなる原因と、閉経太りを防ぐ3つの方法について解説します。
■女性ホルモン分泌が減少すると脂肪が溜まりやすくなる
閉経し、女性ホルモン分泌が減少すると太りやすくなると考えられます。
脂肪を蓄積させる原因になるのは、体内にあるピーパー(PPAR)という受容体と、アルデヒド脱水素酵素という物質。
アルデヒド脱水酵素がピーパーを刺激することで内臓脂肪の合成が進み、体内に脂肪が増加。脂肪が溜まりやすくなってしまいます。
これを防ぐのは女性ホルモンであるエストロゲン。エストロゲンはアルデヒド脱水酵素が現れることを防ぎ、ピーパーへの刺激を弱めることで、内臓脂肪の合成促進を防いでいるのです。
しかし、閉経し女性ホルモン分泌が減少するとアルデヒド脱水酵素が増加。ピーパーへの刺激が強くなり、内臓脂肪が蓄積しやすくなるのです。
■閉経後からの3つの痩せ対策
女性ホルモン分泌が減少することで太りやすくなるのは仕方ないことですが、普段の生活で太りやすくなることは防げます。
閉経後からの痩せ対策を解説します。
十分な時間の睡眠をとる
睡眠をしっかりととることは、更年期太りを防ぎ、体形を整えるためにとても重要なことです。
十分な睡眠をとることで脂肪燃焼効果が高まり、太りにくくなります。その理由は成長ホルモンが十分に分泌されること。
成長ホルモンは脂肪を燃焼させ、筋肉を合成するホルモン。体形を整えるためにはとても重要なホルモンです。
実際に睡眠時間の違いによって脂肪燃焼効果がどう違うかを調査した研究では、睡眠時間が短い方が脂肪燃焼効果が小さくなっていました。
アメリカの睡眠に関する研究調査期間であるNational Sleep Foundationは、18〜64歳には7〜9時間の睡眠時間を推奨しています。
十分な睡眠は健康的な生活のベースになりますから、しっかりと寝るようにしましょう。
適度なカロリー摂取の食事
適度なカロリー摂取の食事を心がけることも、更年期太りを防ぐのに大切なことです。
女性ホルモン分泌が減少すると内臓脂肪が蓄積「しやすく」なりますが、過剰に蓄積させないためには適切な体重を保つことが大切です。
体重は摂取エネルギー量が消費エネルギー量よりも大きくなったときに増加します。自分自身の消費エネルギー量を把握し、日常的にとる摂取エネルギー量に注意しましょう。
定期的な運動を心がけ体力を保つ
内臓脂肪の特徴は、皮下脂肪よりも早く消費されることです。つまり定期的な運動やカロリーコントロールした食事をすることで、素早く消費し蓄積を防ぐことが出来ます。
有酸素運動は脂肪を多く落とすと考えられていますが、何より大切なのはどんな運動でも継続することです。
行う運動はストレスなく楽しく出来ることが一番です。有酸素運動でも筋トレでもピラティスでもヨガでもなんでもOK。ローテーションして楽しんでもいいでしょう。
楽しく出来る運動を見つけて、内臓脂肪蓄積を防ぎ、更年期太りを防ぎましょう。
更年期を迎えると内臓脂肪が蓄積されやすくなり、体型が崩れやすくなります。それを防ぐためには、健康的な生活習慣を作っていくことがとても大切です。いつまでも美しい体型を保つために、より良い生活習慣を作っていきましょう。
(パーソナルトレーナー 藤本 千晶)
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【参考】
※更年期と内臓脂肪 – 慶應義塾大学
※肥満と減量(理論編) 知っておきたい肥満と減量の基礎知識【理論3】減量に筋力トレーニングが必要な理由 – 横浜市スポーツ医科学センター
※Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity – NCBI
※How Much Sleep Do You Really Need? – National Sleep Foundation
※メタボリックシンドロームを予防する食事・食生活 – 厚生労働省