「昔はもっと髪にハリとコシがあった」「トップがペタンとして地味に見える」など、年齢を重ねるにつれて多くの人が毛髪の量に対する変化に悩んでいると思います。“薄毛”を感じると、この先どうすればいいのか深い悩みになってしまうこともあるでしょう。
ヘアライターの筆者が、加齢と薄毛の関係についてと、そのお手入れ法をご紹介します。
■40代以降の薄毛
人によって個人差はありますが、40代以降から髪の悩みが増える人が多いようです。白髪に薄毛、髪のごわつきなど、複数のヘアトラブルが重なると、「今までできたヘアスタイルが、なんとなく決まらない」と感じて不安になってしまいますよね。
肌と同じで、髪も老化します。女性の場合、更年期によるエストロゲンの急激な減少が髪の成長を妨げることで、毛量に変化が生じるといわれています。
男性はつむじ周辺や額から薄毛になる人が多いのですが、女性の場合は、毛髪サイクルの乱れによる抜け毛の他に、全体的に毛が細くなる「髪痩せ」が起こることで、ボリュームダウンした印象になってしまいます。
「髪痩せ」のサイン
スタイリングをむずかしく感じる方も増えてきます。
□トップがペタンとしてボリュームがでない
□トップに手のひらをのせたとき、厚みが減った感じがする
□分け目の幅が広がってきた
□前髪が細くなって割れたり、うねりがひどい
大人世代で上記のような変化を感じたら、老化による「髪痩せ」かもしれません。
ただ、これは自然な老化現象のひとつなので、ある程度は仕方のないことです。なので、それを受け入れたうえで適切なお手入れをしていくことが大切です。
■抜け毛や細毛、ボリュームダウンのお手入れ方法
20年以上、一流の美容師さんに取材をしていると、健康な髪を保つためのさまざまなポイントを伺えます。そのひとつが、薄毛対策に対する保湿の重要性です。
筆者が美容師さんに取材した際、以下のことを教えてくれました。
頭皮ローションで栄養補給
長い期間、同じお客さまを担当していると、髪や地肌の変化がわかります。「髪痩せや抜け毛が増えている」「ボリュームが減ってきた」という方には、まずは“頭皮ローション”をおすすめしています。
ですが、これを受け入れる方と受け入れない方が当然いらっしゃいます。ただ、その方たちの3年後、5年後の髪に差が出ていることは実によくあること。きちんとお手入れをした方は、やはり毛髪の老化が緩やかです。
頭皮ローションや育毛ローションは、頭皮そのものを保湿して必要な栄養を補給する肥料のようなアイテム。これらを使用することで、これから生えてくる毛髪に差を感じるでしょう。
同時に、シャンプーをエイジング対策用に切り替え、丁寧な予洗いと洗浄を今まで以上に意識することも大切です。
ローションを地肌にきちんとなじませ、軽くマッサージを行う
血行を促すことで、より栄養が行き渡りやすくなります。
指の腹で地肌を揉み込むように、15秒~20秒のマッサージします。これを毎日取り入れましょう。
■薄毛予防に◎!かしこい白髪染めの方法
「髪痩せ」の主な原因に、過度な白髪染めも挙げられます。
白髪染めは、髪内部に色素を入れるためにキューティクルを開く働きをします。これがダメージにつながると、髪痩せを招く場合があります。
そのため、できれば白髪染めは1か月ぐらい間隔を空ける方が良いのですが、白髪が増えると2週間に1回白髪染めをするという方も少なくはないでしょう。最近は、髪への負担を軽減した白髪染めも増えているので、髪痩せが気になる人はサロンで相談することをおすすめします。
ヘアマニキュアやホーム用の白髪染めトリートメントを
ヘアマニキュアは髪の内部に入り込まず外側をコーティングするタイプなので、キューティクルへの負担がなくダメージレスだといわれます。
このほか、ホーム用の白髪染めトリートメントも髪への負担が少ないです。これらをかしこく取り入れながら、白髪染めの間隔を引き延ばしましょう。
■毎日の食事で良質なたんぱく質を
髪は「たんぱく質」でできています。そのため、毎日の食事で良質なたんぱく質を摂取することは、髪の健康にとって欠かせません。
動物性たんぱく質の肉や、植物性たんぱく質の大豆製品をきちんと補いつつ、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
髪は一朝一夕に変化しませんが、エイジング対策を意識すると数年後の髪に違いが生まれやすいです。「加齢だからもう無理」と諦めずにお手入れを積み重ね、ハリやコシ感のある健康な毛髪を育てていきましょう。
(ヘアライター&ヘアジャーナリスト 小澤 佐知子)
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